ストロベリーラブ 【 53章 】
- カテゴリ:自作小説
- 2013/09/12 18:14:16
✿主な登場人物✿
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一輝…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。
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第五十三章 『 どうして…? 』
あれから頭を回転させた。
玲奈ちゃんの悲しい声を耳に染みこませながら…。
香理奈を傷つけている理由も全てあの蒼井竜馬が原因だったのだろう。
でも…、だからといって何してもいいとは…
「 はあ… 」
難しい問題に頭を悩ませながら歩く帰り道。
冷たく光る月だけが、私を見守るように照っていた。
********
ピピピピピピッ…!!!!
驚くほどにうるさく感じる目覚まし時計の音。
朦朧とする意識の中、必死に手を伸ばして音を止める。
今日はすごくすごく体が重たい。
「 …起きるか。 」
ムクッと体を起こし、ハネた髪を手ぐしで整える。
一番上のボタンが開いたパジャマを握り締め、目を瞑る。
昨日の事が走馬灯のように頭に過ぎる。
嫌だと感じても、それは消せなかった。
玲奈ちゃんの泣いた姿が頭に浮かぶ。
そして…あの蒼井竜馬の話。
香理奈のあの拒絶する姿と共に思い出す。
「 …香理奈 」
部屋に飾った、この前香理奈と取った記念写真を見つめて呟く。
この時はすごい幸せそうな笑顔を浮かべていると言うのに…。
「 苺華ー? 起きてるのぉー? 」
「 あ、今行くー 」
グルグル考えていても仕方がない。
考えたって、確実に正しいっていう答えなんて出ないんだから…。
とにかく、今は準備して、規則正しい生活を送らなくちゃ。
そんな事を思いながら、制服に手を伸ばし、着用する。
そして、全ての準備を済ませ…、
「 いってきまーす!! 」
扉を開き、足で地を踏む──。
元気な太陽が私を照らす。…今日は良いことがあるよと囁くかのように。
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キーンコーンカーンコーン♪
学校に到着し、教室に向かう廊下…。
香理奈の背中が目に入った。
( 香理奈…もう退院できたんだっ…!! )
パアッと顔を明るくさせ、香理奈を呼び止めるように手を伸ばす。
だが…香理奈の前にフワッと風が過ぎり、そして…、
「 退院おめでとう…。香理奈。 」
あの紳士らしい立ち姿で立っている…男…。
香理奈と玲奈ちゃんの関係に大きくヒビを入れた男…。
「 蒼井…竜馬…? 」
どうしてこの学校にいるのかまったく理解ができない。
そして…どうしてあんな爽やかな顔をして香理奈に会いに来れるのかも…。
やっと退院できたというのに…また様態が悪化したら…いけない。
私は急いで香理奈の隣に並び、蒼井竜馬を睨みつける。
「 …あぁ、君か。斉藤苺華ちゃん。 」
「 名前、教えましたっけ…? 」
「 …じゃあ、またね。香理奈。…また会おう。 」
私の質問は華麗にスルーし、その場を去っていく竜馬。
その背中は酷く憎たらしかった。
隣に並ぶ香理奈を横目でチラリと見る。
そこで私の目に映ったのは…、
「 …っ!? 」
香理奈の寂しそうな瞳だった。
まだ心残りがある…まるでそう語るような…目。
「 … 」
最後のあの男の言葉…気になるなぁ。
”また会おう”…それに学校にいた理由も謎だ。
それに…私の名前を知っていた…理由も。
※実話ではありません(続く)
私は今荒れています。少しですが・・・・。
私の部活の女子はちょっと、悪なんですね?
それで、失恋のショックと同時に染まってしまいました。
つづききになります!