Invisible rhapsody -前編-
- カテゴリ:お笑い
- 2009/08/12 15:51:39
かねてから欲しいと願っていた念願の薬がAの目の前にある。さっきバーで出会った白装束の青年から貰った一品だ。
ちょっとした気まぐれででこれが俺のものになるなんて。夢のようだ。Aは思った。
その日友人との付き合いで買った馬券が、なんと50万の大当たりをしたのだ。その帰り道、偶然見つけたバー。
なんとなく入ってみると、カウンターに白装束の青年がいるだけ。気分が良かったし、一人だけだったので、Aは彼にも好きな酒をどうぞといって、一杯奢ったのだ。
「お、これはこれはありがとう」
青年は喜んで、Aのほうを向いた。
「じゃあ、ボクのほうもあなたにいいものをあげましょう」
青年が取り出したのは、すばらしく綺麗な青い液体の入った小さな香水のビンだった。
「なんです?これ?」
「透明薬。一定時間透明になれる薬」
「ええ?冗談でしょ?」
Aは青年をまじまじと見ながら尋ねた。(なんか怪しい人じゃないよね?この人?かかわってまずかったかな・・・)という思いがよぎる。
「ほんとよ。マジモンのマジ」
青年は言って、身を乗り出した。
Aは少し身を引いた。(かかわったらいけない人だったかもしれない・・・)うきうきした気分は吹っ飛んで、警戒レーダー全開である。
「ん~、まあ、証拠見ないと納得しないよね」
青年は言うと、ポケットから無造作に何かをつかみ出し、反対の手ですばやく引っ込めようとしたAの手を掴むと、ポケットから出した物をAの手に乗せた。
手の上には何も乗っていない。なのに、なにやら小さくて暖かい感触のものが手のひらの上でうごめくのが感じられる。
「ぎょあ!!!!!!!」
奇声を上げてAは手を振った。
青年はすばやくAの手から吹っ飛んだと思われるものを空中キャッチした。どうやら彼には見えているらしい。
「ダメだよ乱暴にしたら。可哀想だろう」
青年は反対の手のひらに「何か」を載せると、Aのほうを向いた。
と、青年の手の上に、にじみのような物が現れ、次いでそれはジャンガリアンハムスターになった。
「ほら、びっくりしたから見えるようになっちゃったよ」
青年は言って手のひらごとハムスターを突き出した。
「アドレナリンに反応しちゃって、見えるようになっちゃうんだよね。そこが欠点」
「どどっど、どういう仕組みなんです??」
「・・・・・・・・・・・・・・知りたい?」
青年がぐっと目を細め、身を乗り出してきた。
「・・・・・・本当に知りたい?」
声まで凄みを帯びている。
「「い、や、やっぱいいです」
Aは止まり木の上で青年から上体をそらすようにして引き下がった。
「ん~、ならいい」
青年はさっと体を元の位置に戻し、輝くような笑みを浮かべた。
Aはおずおずと元の位置に戻った。
「で、ボクの言ってることが本当なのはわかったよね?」
にっこりして青年が言った。
Aは黙ってこくこくと頷いた。
「で、どうする?これ、貰っておくかい?もちろん人体に害は無いよ。まあ、そこはボクの言葉を信じてもらうしかないわけなんだけどね」
青年は言って、ビンをポンポンと手の上で弾ませた。
「・・・・頂いて、いいでしょうか?」
しばし沈黙が流れた後、Aはボソッと言った。今のショックでまだ口の中がからからだ。自分の酒の残りを一気に飲み干す。
「じゃ、あげる」
青年は軽く言って、Aの前にビンを置いた。
「好きに使ってくれたまえ。ただし・・・・・・・・」
青年は指を突き立てて、Aの目の前で振りながら言った。
「すごく驚いたり、強い興奮状態になると、さっきのハムスターと同じく、即座に効果は消えるからね。」
Aは黙って頷いた。
「使い方だけど~。全身に満遍なく振り掛ければいい。アトマイザーになっているから、ミストをくまなくかけるんだ。それで不可視の状態になる」
「そ、それだけ?」
「そう、それだけ」
青年はにこやかに言った。
「さっき言ったことにさえ注意すれば、30分効果があるからね」
Aはビンを掴むと、よろよろと立ち上がった。
「お釣りはいいから・・・」
「あら、ありがとうございました。・・・・お客さん、大丈夫ですか?」
カウンターに1万置くと、Aは少しふらふらした足取りで、バーのママのびっくりしたような声を背に、店を出て行った。片手はビンの入ったポケットの上をしっかりと押さえて。
そんなAを、バーのカウンターから、青年が窓越しに笑みを浮かべて見送っていた。
**************
今回ちーと長いんで、2回に分けまする。
文責 フランカー
協力 大噴火盛りDDさん、 定年間近おっさん
そそ、例の雑談がソースですw
There are many abbreviations and Slang and these are not good for Online (ore not) translators.
I want to read it... but it's difficult. ><
Don't worry. I will translate slowly. ^__^
ふふふw お楽しみにw
何に使うのだ??
絶対やばいことにちがいない・・・・
うふふ、例のねたですw
>itsukiyo
Yes,yes!
I write some short stories.
>maoさん
気になりますか?それは嬉しいです。
続きが気になりますね^^
どうなるのかしらん。
わはははw どうしようかな~~~あw
続きを楽しみにしてますよ~。
Sorry!!
This is a short strory of "The invisible man".
>りえちゃん
時々、変な小話かいてるのよw
楽しんでいただけたなら何より~。
>りんちゃん
明日はバイトだから、仕事の手が空いたときに続きまとめておきますw
>日月さん
貰っちゃいますよねw
明日かあさって更新予定ですw でもプレッシャーかけないでくださいw
グダグダ同好会ですかw あははw
さー、何に使うのでしょうか、更新は明日?
楽しみにしてます。
この才能は我がサークル「グダグダ同好会」に欲しいですねー。
これフランカーサンが作ったんですか!!
┣¨キ(*゚д゚*)┣¨キ
超読みいってしまった・・・
分かりません。
すみません。u___u;;
oTL