Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ストロベリーラブ 【 49章 】

主な登場人物
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一輝…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
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第四十九章 『 揺れ動く関係 』

静かな教室で、重なる影と影。
竜生の顔は見えないけど、きっと予想通りの顔をしてるんだろう…。

目を丸くして、ただただ顔を赤くしているんだろうな。
体がカチカチなのが背中から真っ直ぐ伝わってくる。

私はゆっくり口を開き、

「 ごめんなさい。 」

と、呟いた。
それを察したのか、竜生は緊張で固めてた体を解し、
そして、ただただ立ち竦んだ。まるで、”落ち着くまでいろ”と言ってるかのようだった。

また涙が溢れそうになる。
竜生の優しさに心がグランッと揺れ動いてしまう──。
彼の温かさで私の凍てついた心が解け始めた。

…数分経った後、彼は優しく、

「 …落ち着いたか? 」

と、私に尋ねた。
ゆっくり、コクリと頷き、”大丈夫”と返した。
竜生は安心したように、私を離し、ニコッと笑顔を作った。

そして、鞄を背負いなおしてヒラヒラと手を振りながら帰っていった。

( そろそろ私も帰らなきゃ… )

フラフラと足をよろめきさせながら、鞄を手に取る。
頭がボーッとする…なんだか視界もぼやけてきた…。

い、意識が…

…バタッ

やがて、私の視界は真っ暗になり、何も見えなくなった──。
私は一人、静かで夕日に染められた教室で倒れた。

「 ふぅ~、疲れたぁー… 」

…ガラッ

「 …や、やだ、苺華っ…!!!! 」

バタバタバタバタッ…!!!!

********

意識がようやく戻り、目が覚めた頃…。
パッと時計に目をやると、もう7時回っていた。
次に目に映ったのは、見慣れた天井…私の部屋だ。

( …誰かが送ってくれたのかな。 )

まだ少し目を霞ませながら、思った。
そして、パッと横に目をやると、

「 あっ、やっと起きたぁ 」

机の椅子に座りながら、私を見下ろしている相沢さんの姿があった。
私はズサッと起き上がり、一歩引いた。
すると彼女は「 アハハハハッ 」と笑って、手を叩く。

「 ビックリしすぎでしょっ。私のほうが正直ビックリしたのにさー 」

そんな事を言いながら、鞄を背負い始める。
くるり、と私のほうを向き、

「 じゃ、私の任務終了っ!! 」

と、敬礼をしながら言った。
思わず私も、「 あ、ありがとうっ 」と言いながら、敬礼をしていた。

そんな姿にまた笑い、彼女はヒラヒラと手を振って去っていった。
彼女がここまで運んでくれたんだとすぐに分かった──。

彼女が去った後、もう一度、「 ありがとう 」と呟いた。
彼女がいなかったら私は…夜学校で過ごすことになってたな。

再び胸を撫で下ろし、ため息をついた。
まだ、全てが落ち着いてるわけでないから…。

香理奈の事だって…あるし。
玲奈ちゃんとのことだって…ある。

何もかも、まだ終わっちゃいないんだ──

…パシッ

「 よしっ 」

自分の頬を両手で打ち、気合を入れた。
香理奈の事も、玲奈ちゃんの事もどうにかしてみせる。

…特に、香理奈とのことは早く解決したいなぁ。
また前みたいに…笑い合いたいよ…。

********

…長谷川家。

「 ~♪~♪ 」

私の妹、玲奈が楽しそうに音楽を聴いている。
その姿が、異常に苛立たしい。

最近、私は極力彼女を見ないようにはしている──。
だが、そうしているはずなのに、最近前以上に彼女の姿を見るようになった。
昔はよくしていた夜遊びもせず、最近は音楽を聴いたり、勉強したりしている。

彼女の行動は姉の私でさえ理解できない部分が多い。

そんな玲奈を睨みながら、私は自分の部屋へ上がった。
部屋にいるときだけ、唯一玲奈に会わなくて済む憩いの場なのだ。
あの艶やかな黒髪美女を見なくて済む…憩いの場。

あの黒髪に…宮木君は触れたのかな…。

ふと、そんな事を考えてしまう。
わかってる、今そんな事言ったってどうにもならないことは…

…でも

考えてしまうのが私。
っていうか、考えるなって言うほうが無理…。

…玲奈と、キス…したのかな…。
なんかちょっと付き合ってるみたいな感じではあったし。

黒髪に触れながら、頭撫でてあげたりしたのかな…。
私の頭にはまったく触れてくれないのにっ…。

玲奈が今でもあんな余裕な態度なのはもしかしたら…
私より宮木君と進んでいるから──?

「 ウッ… 」

そんな事を考えていると、突然気分がっ…

「 ウッ…ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ…!!! 」

…バタッ

床に頬が着く瞬間…私が浮かんだのは、玲奈が悪魔のように微笑む顔でした。

※実話ではありません(続く)

アバター
2013/08/28 22:34
かりなちゃん心配です!

いちかちゃんも頑張ってほしいです!
アバター
2013/08/27 21:08
あわわわわ!

だ、大丈夫!?香理奈ちゃん!



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