ストロベリーラブ 【 44章 】
- カテゴリ:自作小説
- 2013/08/19 08:36:32
✿主な登場人物✿
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一輝…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
────────────────────────────────────
第四十四章 『 突然の姿 』
久しぶりに香理奈の笑顔が戻り、私達はたくさんの事を話した。
これからの事、宮木君との将来の事とか、香理奈はたくさん喋ってくれた。
香理奈の口から出る言葉達が、どれも幸せに向かう言葉で、また私はホッとした。
*******
そんな風に時は過ぎ、いつの間にか学校に着いていた。
下駄箱で靴を履き替えながら、笑顔でこちらを向く香理奈。
「 ねぇ、もうすぐテスト期間じゃない? 」
”ボトッ!!”という上履きを叩きつける音と共に、私の顔は青ざめた。
”テスト期間”…色々ありすぎて、そんなの忘れてしまっていた。
今思えば、私は学力が酷かったんだった。
テストはいつも決まって30点~50点。
テスト時間中にはいつも解けなくて、チャイムが鳴ってしまう。
テスト返却にはプルプルと体を震わせ、涙目で点数を見つめるばかり。
「 アハハッ、その調子じゃ忘れてたみたいだねーっ 」
ゲラゲラと笑いながら、上履きに履き替える。
ローファーを手にし、直しながら笑顔で言った。
「 ねぇ、じゃあ私が行ってる塾来ないっ? 」
「 香理奈の行ってる塾…? 」
香理奈は私より、相当頭が良くて、秀才。
テストはいつも80点越え。60点を取れば毎回病むくらい。
そんな香理奈が行ってる塾…相当すごいところなんだろうな。
( …塾か。行ってみるべきかもなぁ )
両手を組み、眉間にシワを寄せながら考えた。
香理奈と一緒だったら、もしかしたら私も頭良くなるかも…
そんな考えが、モワモワと浮かぶ上がってくる──
「 よっしゃ!!今日頼んでみるっ!! 」
「 う、うんっ!!決断早いねっ!! 」
という事で、今日は帰って母に頼む事に決めた。
*********
こうして、学校を終え、帰宅した。
今日は母が休みで、もうすでに家にいた。
「 お母さん…話があるの… 」
息を呑みながら、母の前に立つ。
いつもと違った私の雰囲気に驚く母。
母は冷や汗を流しながら、「 な、何? 」と尋ねる。
私はコクリと頷きながら、事情を話し始めた──
そして──
「 うぅーん、そうねぇ…。まっ、塾には行った方がいいわよね。 」
「 えっ!?じゃあっ… 」
母は無言で頷き、OKを出してくれた。
こうして、私は塾にかよう事が決まった──。
********
なんだかんだで時は過ぎ、何度か塾に通い、塾の雰囲気に慣れた。
香理奈に色々教えてもらいながら、勉強も今まで以上に進んでいった。
今日も、塾の日──
いつも通り香理奈と待ち合わせし、塾に向かっていた。
「 今日は数学のプリント10枚とー… 」
「 えぇっ、10枚もっ!?(汗) 」
「 驚くほどじゃないでしょー? 」
「 で、でも…10枚はぁっ… 」
そんな会話を交わし続け、あっという間に塾に着いた。
中に入って行き、私達はいつも通り、勉強を進めていった。
隣の席には香理奈が座り、勉強を教えてもらった。
シャーペンで問題を押さえながら
「 ここはこうやってー… 」
といって教えてくれる香理奈。
私はコクリ、コクリと頷きながら理解していった…。
──そんな時
…ガチャッ
「 …ん? 」
突如聞えた扉の開く音…
振り返った瞬間、血の気が引いた…
「 こんばんわ 」
そこに立っていたのは、
香理奈を最悪な状態まで追い込んだ玲奈ちゃんだった。
香理奈は青ざめながら、一言呟いた。
「 …玲奈 」
その目はどこか寂しそうで、悲しそうだった。
※実話ではありません(続く)
玲奈ちゃん何をする気なんでしょう!
どうなっちゃうんでしょうか!?