とある男子高校生の話。 【 短編小説 】
- カテゴリ:自作小説
- 2013/08/18 20:28:32
ある朝の事…
俺たちの部室にある美女が現れた。
毛先カールの赤茶色の髪、何一つ汚れのない真っ白な肌…
両頬はピンク色に染められている。
美女はペコッとお辞儀をし、口を開いた。
「 こんにちわっ!! 」
「「「 え。 」」」
その瞬間、俺たちは波乱の波に飲まれた…
*******
それは、登校時の事だった。
俺、篠崎亮太はいつも通り部室に向かっていた。
左右には、親友の谷村真二と近藤翼がいる。
「 真二ぃ~、今日慰めてくれええええ 」
ガシッと腕を掴み、涙ながらに言う。
昨日、俺は彼女に振られたばかりだった。
「 えぇ… 」
優しい真二は、いつも俺を慰めてくれるが…
いい加減、嫌になってきたのか、第一声は「 えぇ 」だ。
「 お前さァ、これで何回目? いい加減にしろよー 」
翼がため息交じりにそう呟く。
翼は真二と違って、非常に冷たい。
俺は両頬をふくらまし、翼を睨む。
「 ヘッ、ほっとけってんだァ!! 真二に慰めてもらうもーんっ!!お前はおよびじゃねえっ!! 」
最後に、舌を出し、挑発した。
だが、そんなのには翼はビクともしない。
いつも返ってくる言葉は「 ふぅん 」だ。
「 で、真二。慰めちょーだいっ 」
「 えーとぉ… 」
「 オイ、真二を困らすんじゃねぇーよ 」
「 だからお前はおよびじゃねえっつってんだろ!!! 」
「 いい加減、殴るぞ。 」
こんな風にいつも通り、話していた。
そして…部室を開けると…
…ガチャッ
「「「 え? 」」」
「 あっ、皆さん。ようやくいらしたんですねっ!! 」
フワフワのカール、赤茶色の髪、綺麗に輝く瞳…
今までに見たことのないような、美人が部室のソファに座っていた。
美女は俺達に駆け寄り、ニコッと笑った。
「 こんにちは皆さんっ!!徳永椿ですっ 」
その瞬間…俺達の心臓音が重なった。
恋に落ちたのだ。
美女はそんなのに気づくワケもなく、笑顔のまま話し続けた──
「 今日から、マネージャーする事になりましたっ。よろしくね 」
「 よろしくお願いしますお嬢さん 」
ズサッ、とひざまずき、美女の手を握る俺。
すると俺の頭をバシッと叩いた翼。
「 やめろ。困ってるだろ。俺は近藤翼ですよろしく 」
クールに決めようと思っているのか、一礼だけした翼。
真二はニコッと笑いながら
「 俺は谷村真二です 」
と、簡単に自己紹介を済ませた。
すると徳永さんは、皆の顔を確認し、頷いた。
「 皆よろしくです!! 」
その笑顔は何かをひきつけるものだった…
*********
あの日以降、俺達の中で火花が散った。
徳永さんを巡って、色々した。
そんなある日──
…ガチャッ
「 あぁ~ったく。 」
「 あれっ? 篠崎さんっ 」
部室には、水を補給している彼女の姿があった。
俺は真っ先に駆け寄った。
「 徳永さん。今日もありがとうねー 」
そう言うと、彼女はニコッと嬉しそうに笑った。
「 これが私の仕事。嬉しいんですよ、逆にっ 」
「 嬉しい? 」
「 はい、皆さんのお役に立てて…。篠崎さん達の役にたてて… 」
「 え!? 俺の役に立てて!? 」
まさか彼女…俺の事が好きなんじゃ!?いや、確実だろ!!!!
「 と、徳永さんっ… 」
「 …? はい? 」
俺は彼女を抱き寄せた。
「 え? あの 」
「 徳永さん、わかってるよ!!! 」
徳永さんの顔に近づけ、唇を重ねようとした瞬間──
「 やめろっていってるだろうが、この勘違い野郎があああっ!!!!!!! 」
「 え 」
俺が気づいた時にはもう、おなかにすごい激痛が走っていた。
今までの彼女からは考えられないような、すごい声だった。
「 徳永さんっ!? 」
「 意味わけんねー誤解してんじゃねーよ!! ああっ!? こ○すぞっ!! 」
「 嘘だろ… 」
…ガチャッ
ドアの音と共に入って来たあの二人。
「 おい、大丈夫か!?すごい音聞えたけど… 」
「 あらっ、何でもないですよ~!! 部活続けててくださいねっ♡ 」
「 え、でも今さあ…ドス黒いオッサンの声が… 」
「 え? 」
「 え、その声さっきの声に… 」
「 近藤さん、部活に戻りましょうね。水…渡せないですよ? 」
「 戻ります、すぐ戻ります。翼行くぞ 」
「 おぅ 」
俺はこのとき、女の怖さをしったのでした。
( 怒った徳永さんもイイッ!!! )
でも、懲りない俺もいたのでした。
※実話ではありません。
ギャグですね^^
面白いです!
懲りないのですね~