Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ストロベリーラブ 【 43章 】

主な登場人物
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一輝…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
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第四十三章 『 幸せの笑顔 』

…翌日

いつも通り、待ち合わせ場所に向かった。
久しぶりに何も心配なく、待ち合わせ場所に迎えるっ──
ずっとこの日を待っていたんだ、私。
タッタッタと、待ち合わせ場所に近づくたびに歩くスピードが増していく。

そして、いよいよ待ち合わせ場所に着いた──
近くにある花壇からは前と同じように、香理奈の頭部が見えた。

その瞬間、自然と笑顔がこぼれた。

「 香理奈ぁ~っ!! 」

大きく手を挙げ、激しく手を振った。
それと同様に、香理奈も私に激しく手を振った。

お互い、久しぶりに笑顔で手を振り合った──
その感動のあまり、私達は抱き合い力強く拳を握った。

私の背中に回る香理奈の手が震えている…
そこから伝わるのは、香理奈の嬉しさだけだった──。

きっと、香理奈も同じ事を思ってくれているだろう。

「 久しぶりだねっ、なんかっ!! 」

香理奈がニカッと笑い、そう言った。
それを返すように、同じく笑い、コクリと頷く。

そして、香理奈はポケットからiPhoneを取り出した。

「 あ、まだ7時だ。ねぇっ、少し話さないっ? 」

「 うん 」

そう言って、私達は青いベンチに座った。
いつも私達を落ち着かせてくれる…ベンチに。

このベンチを見ると、色んな思い出が蘇ってくる──
香理奈が涙を流して崩れた日、玲奈ちゃんに勝った日、宮木君を説得した日…
ほかにも、香理奈と楽しく話した日、いっぱいいっぱい笑った日、色々あった。

なんだか…このベンチにはお世話になってる気がする。
そんな事を思いながら、右手でよしよしとベンチを撫でた。

「 …な、何ベンチ撫でてるの?(汗) 」

冷や汗を流し、少し引き気味で尋ねる。
そんな香理奈を説得するかのように、両手を使って説明した。

すると、香理奈は両手を組み、口を尖らせながら言った。

「 確かに、このベンチにはお世話になってるわねー 」

そして、私と同じようにベンチを撫でた。
あの事件以来見せなかった笑顔で…幸せそうに。
そんな香理奈を見て、ホッとした。

つい、笑みが毀れる。

「 何笑ってるのー? 」

「 え、いや。あ、そういや宮木君とどうなったのー? 」

話を逸らすかのように、話題を振った。
すると、香理奈は照れるように、へにゃっと顔を崩し、笑った。

そして、右手で後頭部に触れ、口を開いた──

「 上手くいきましたー!!!!///// 」

顔を赤らめ、デヘヘと、笑いながら言った。
その表情が、香理奈の幸せと、感情が痛いほど伝わってくる…。

これでまた一つ、ホッと安心した。
私だけこんなに幸せだったら…罪悪感が酷かったと思うから。

でも、香理奈も同じように、幸せそうでよかった。
きっと私も、今、感情が表情に出てる…。

「 苺華もうまくいったみたいだね。 」

ニコッと微笑み、私に言った。
コクッと頷き、Vサインを香理奈に示す。

香理奈は「 いいじゃーんっ 」と言って、肩を組んだ。
斜め上からちょっぴり見える香理奈の顔は、今まで以上に嬉しそうだった…。

( こんなにトントン拍子でうまくいくなんて、幸せ過ぎる。 )

そんな事を考えながら、香理奈の肩を組み返した。
ずっとこの笑顔でいてほしい…この顔がもう、涙で濡れてほしくない。

心から、そう願った。

「 ねぇ、苺華!!記念撮影しようよっ!! 」

「 えぇっ? 」

そう言って、突然香理奈はiPhoneを取り出した。
「 ほら、ポーズしてっ!! 」という香理奈の声と共にカメラがセットされる。

その声と共に、私も決まったVサインをした。
香理奈も私に寄りかかりながら、Vサインをした。

「 二人の最高の笑顔を記念してっ!!はいっ、チーズッ!!! 」

その声と共にシャッター音が鳴り響く…。
きっとその瞬間、私達は最高の笑顔を残せただろう。

iPhoneを目の前にやり、私に見せる。
そこに映ってたのは、昔と同じように笑った最高の笑顔…

「 無邪気だよねーっ 」と笑いながらそう言う香理奈の笑顔が一番無邪気だった。
その隣でVサインをする私の笑顔は、自分でも驚くほど無邪気に笑っていた。
本当にまるで、幼い頃の私達のように見えた。

「 これ、苺華に送るねー 」

「 えっ、あ、うん。ありがとうっ… 」

iPhoneを差し出し、写真を送ってもらった。
私の手元に来た写真…

( これ、プリントしよっ… )

心の中でポツリと呟いた。
香理奈もiPhoneをニコニコしながら見つめている…。

もしかしたら同じ事を思ってるのかなぁ…?

「 あああっ!!もう30分!!早く行こうっ!! 」

「 うっ、うんっ!! 」

それはわからないけど、私は香理奈を信じてるよ…。
だから、香理奈も信じてねっ…

早歩きをする香理奈の隣に並び、そんな事を心の中で呟いていた。
こんなの届いてるわけもないけど…ねっ。

でも、香理奈の笑顔が戻ってよかった。本当に。

「 へぇ、幸せそうじゃん。…お姉ちゃん。 」

※実話ではありません(続く)

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2013/08/18 19:23
幸せで良かったです!

玲奈ちゃんでしょうか?最後のは…

何か起きそうな予感ですm



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