ストロベリーラブ 【 42章 】
- カテゴリ:自作小説
- 2013/08/17 18:32:42
✿主な登場人物✿
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一輝…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
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第四十二章 『 大きな誤解 』
私を見下ろしたまま、笑顔でしゃがみ込む彼。
彼の顔は私の目の前に来た。
まるで、”大丈夫だよ”って言うかのように──
首をクイッと傾げ、彼を見つめた。
すると、彼は私の頭を撫でた。
「 さっき見えたんだ、お前の後姿… 」
その一言で、何のことだかわかった。
きっと、私が大急ぎであの場から去った時の話だろう。
一輝が、あの子の事を好きって言ったとき…
…また胸の辺りが痛い。一輝の笑顔が少し痛いっ。
今から、なんて言われるだろう…”別れよう”って言われそうで怖い…
私は目を逸らし、「 何? 」と口を開いた。
すると、一輝はニコッと笑ったまま
「 …なんかお前、誤解してるみたいだからさァ 」
と、話し始めた。
そして、続けた──
「 俺、あの時藤原の事振ったよ 」
「 えっ? 」
口を開き、目を丸くする。
一輝の言葉を聞いた瞬間、流れていた涙が止まった。
その後、続けて一輝は事情を説明してくれた。
あの時、一輝の言葉には続きがあったらしい…。
「 俺、藤原の事が好きだよ。…でも、そういう好きではない。 」って言ったそう。
藤原さんも納得し、その場で別れて帰ったらしい。
つまり、すべて私の早とちりだったというわけだ。
それを知った瞬間、涙ではなく、笑顔がこぼれた。
自分がバカバカしいってのもあったけど、一番は安心感。
一輝の笑顔と、言葉を聞き、見るだけで最高の安心感を得られた。
「 もう安心した? 」
「 うんっ… 」
優しい手を頭に置かれたまま、コクリッと頷いた。
そして、バッと立ち上がり、手を差し伸べてくれた。
ギュッと掴み、立ち上がった。
その後、一輝は私と一緒に母が帰ってくるまで待ってくれたのだった──
**********
ただいまの時刻7時30分。
あの後、母に一輝の事で茶化されて大変だった(汗)
でも、それもある意味、一種の幸せなのかもしれない。
「 フフッ 」と、机に塞ぎ込み、一人で笑ってしまうくらい幸せ。
幸せすぎて…おかしい…って思うくらい、今幸せだ。
どうか、神様お願いします…このまま、私と彼の幸せが続きますように…
目を閉じ、必死に願った。
彼の笑顔と、喜ぶ顔を浮かべながら…
「 …さてと 」
ガタッと立ち上がり、iPhoneを手に取った。
今すぐ、一輝の声を聞きたいと思ったから…。
番号を一輝のに合わせ、電話を掛けた。
…ピルルルル…ガチャッ
『 はい、もしもし? 』
温かく、優しい声のトーンで返す彼の声。
突然、心がフワッとなった。
動揺を隠すように、少し小さな声で答える。
「 え、えと…今大丈夫…? 」
一輝は笑いながら『 大丈夫 』と答えてくれた。
その答えを聞き、安心しながら話し始める──。
30分程度しゃべったところで、電話を切った。
…ブツッ
ベッドの上で大きく伸びをし、倒れこむ。
幸せすぎて、自然と笑顔がこぼれる。
iPhoneに映っている、彼の写真にそっとキスを落とした。
( …幸せすぎるよ )
iPhoneを胸におき、抱きしめた。
一輝も…こんな気持ちなの…?
※実話ではありません(続く)

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- ぱち公
- 2013/08/18 11:37
- 幸せなかんじになってよかったです
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- ⋈ふぅღ
- 2013/08/17 19:24
- 苺華ちゃん幸せそうですね~
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