Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ストロベリーラブ *35話*

主な登場人物
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
────────────────────────────────────
第三十五章 『 復讐 』

「 …香理奈、これでいい? 」

「 うん、ありがとう。 」

香理奈はようやく落ち着き、胸をなでおろした。
私はただただ、香理奈の背中を摩っていた。

「 苺華 」

「 ん? 」

香理奈はウルッと潤ませた切ない瞳で私を見つめた。
そして…悲しそうに声を震わせ、こう言った。

「 後は…お願いしてもいい…? 」

つまり、香理奈は今から帰ってゆっくりする…という事か。
いや。その前に私と宮木君が二人きりで会わなくてはいけないという事か。

「 …うん、ゆっくりしてね!!! 」

これも香理奈のため。すべて仕方がないこと。
私がやらなくちゃ、誰がするんだ。香理奈を誰が救う?

あの悪魔みたいな子から…救って見せるからねっ…!!!

「 ごめん、じゃあ…帰るね… 」

「 送ろうか? 」

「 ううん、大丈夫。家すぐそこだしっ 」

「 そっか…。しっかりと休んでね。 」

「 うん。 」

そう言って、香理奈は背を向けて帰っていった。

静かなベンチに残されたのは私だけ。
私はただただ宮木君が来るのをここで待った──。

場所はしっかり伝えてあるし…
あとは、ここに来るか来ないかの問題かもしれないけど──

「 苺華ちゃんっ…!! 」

「 あっ… 」

本当に来た…来てしまった…。

宮木君は息を切らし、「 ゼェゼェ 」と荒く息をする。
走ってきたのだろう。…だけどどうして走って来たんだろう?

そんな急ぐ事ないのに──

「 …ハァ、ハァ。話ってさ…これの事でしょ? 」

そう言って、私に差し出したiPhone。
そこに書いてたのは、香理奈を傷つけた文章だった。

「 これっ…!! 」

私はいいかけて、やめた。
そして、腰に手を当て、キッと睨みを利かせた。

「 どうして!?わかってるならなんでっ… 」

「 俺じゃねぇーんだって!! 」

「 …は? 」

突然、ぶつかってきた言葉。
くだらない言葉。言い訳にさえならない。

”俺じゃねぇー”

そんなの…通用すると思ってるの…?

「 …今更、そんなの信じられない。 」

拳を握り締め、プルプルと震わせながら言った。
本当は今すぐ頬を殴ってやりたかった。

ここまで殴りたいと思ったことはないが、香理奈を傷つけた男が目の前にいるのだ。
香理奈は本気だったのに…コイツが傷つけた…。

「 …本当だって。朝起きたらこの文章のページに開かれてたんだ。 」

「 だから、信じないってば!!! 」

「 んでだよ!?これは間違いなく玲奈がやったんだって…!! 」

「 …ハッ 」

もう呆れてものが言えなくなった。

「 次は女のせい?いい加減にしたら!? 」

収まらない私の怒りは、彼にドンドンぶつかっていく…。

「 大体ねぇっ、玲奈ちゃんの姉である香理奈に告白しといて、
妹の玲奈ちゃんに移るって…宮木君はそれがどういう事かわかってるの!? 」

「 わ…わかってるよ…!!でも、玲奈から聞いたんだよ。 」

「 何をっ!? 」

すると、宮木君は詰まりながら…答えた。

「 …”お姉ちゃんは私のためなら何でも譲ってくれるの”って。 」

「 …は? 」

「 だから、私を好きになって。お姉ちゃんはきっともうあなたに恋をしない。 」

「 ま、待ってよ… 」

ペースが速すぎて状況が読み込めない。
どういう事?ここでまた玲奈ちゃんが絡んでくるのっ…?

「 だから、俺は香理奈ちゃんに似てる玲奈を選んだ。 」

「 …信じられないよ 」

私は体を震わせ、そう言った。
だって本当に信じられなかったから。

あくまで、自分は悪くない。
まるでそう言ってるかのようにも聞こえる…

「 …み、宮木君。それを証明できるの? 」

「 え? 」

「 その…玲奈ちゃんがそう言ったって証明はっ── 」

「 できるわよっ 」

・・・・っ!?

宮木君の背後に見えるのは…
実の姉である香理奈をズタズタにした女…

「 玲奈ちゃん… 」

「 簡単よっ♪私が証言すればいい話じゃないの。 」

「 な、何言って… 」

「 そーよ。私が全て仕組んだ。だってぇ、功君欲しかったしぃ~♡ 」

ピトッと宮木君にくっつく玲奈ちゃん。
まさに、悪魔だった。この子…宮木君にはどう映ってるのだろう?

「 宮木君…本気でこの子が好きなの…? 」

「 えっ? 」

「 本当はっ…香理奈がまだ好きなんじゃないのっ…!? 」

「 …!! 」

私は一生懸命伝えた。

宮木君だって、こんな子が本気で好きなわけないっ!!!
強がってるだけだっ…玲奈ちゃんの言葉に惑わされてるだけっ…!!

「 まだ間に合うからっ!! 」

「 は…?何言ってるんだよ…もう間に合うわけ… 」

「 香理奈が、あなたを好きって言ってた。 」

「 え… 」

宮木君はすごく驚いた表情を浮かべた。
やっぱり、玲奈ちゃんに丸め込まれてたんだな。

「 宮木君っ…香理奈か、玲奈ちゃんか今すぐ選んで!! 」

「 …そんな 」

「 香理奈の居場所を伝えるから…どっちか言ってよ!! 」

もう必死だった…。
香理奈の想いが私に圧し掛かる…。

「 うっ… 」

「 功君…?迷ってるの?もちろん私でしょう? 」

玲奈ちゃんは少し不安気に宮木君に駆け寄る。
さっきの余裕な態度をは一変している。

「 宮木君っ…!!! 」

「 …教えてくれっ 」

「 …功君っ!? 」

「 宮木君っ… 」

宮木君はようやく、気持ちが整ったみたいだ。

よかったね、香理奈…
やっと…やっと…心が休まるよ…

「 香理奈の居場所は…。ううん、1度行ったでしょ?玲奈ちゃんと一緒に。 」

「 …あ、まさか 」

「 そのままだよ、行ってきてあげて。 」

「 うん!!! 」

こうして、宮木君は香理奈の家へ猛ダッシュした。

「 この私が…負けたっ… 」

…ガクンッ

崩れ落ちる玲奈ちゃん。
すごくいい気味だった──。

「 ううぅっ…グスッ… 」

そのままずっと泣いていればいい。
香理奈はもっとキツイ痛みを味わっていたんだから。

…コツコツコツ

泣き崩れる玲奈ちゃんを置いて、
私は一人、学校へと足を運んで行った──

※実話ではありません、(続く)

斉藤苺華
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=37680926

長谷川香理奈
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=37681130


アバター
2013/08/16 14:59
宮木君ちとおそいなぁ・・・
でも香里奈ちゃんと結ばれたらいいですね!
アバター
2013/08/14 04:26
宮木君よく決心した!でも、遅いなww
次はどんな展開があるのかな?
新しいの出るまで君は海に似ている
読んでおきますね^^



月別アーカイブ

2019

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009


Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.