Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ストロベリーラブ *33話*

主な登場人物
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
────────────────────────────────────
第三十三章 『 憎しみをあなたに… 』

…パンッパンッ

「 これでよしっと!! 」

スカートを叩き、綺麗に直した…。
昨日、泣いて体制を崩していたせいで、スカートが萎れていた。

…ピルルル

「 …えっ? 」

サイドテーブルに置いてあるiPhoneがチカチカ光った。

( こんな時間に誰…? )

ただいまの時刻、午前7時。
こんな朝っぱらから連絡してくる人なんてほとんどいない。
たいぶ早い朝だし…、普通だったら、皆朝ご飯を食べてる頃だろう…。

…チャリ

ストラップを揺らしながら、iPhoneを手に取る。

「 …誰だろ 」

画面を覗き、発信者を見た。
そこに書いてあった名前は──

…ガシャンッ

「 嘘…でしょう…? 」

思わず床に落としてしまうほど驚いた…。
口を押さえ、もう一度iPhoneを覗き込んだ──

だが、いくら発信者を見ても名前は同じ…

「 …香理奈 」

そう、発信者とは【 香理奈 】だった。
静かな部屋に鳴り響くiPhoneの着信音──

香理奈からの電話…どうやって出ればいいんだろう…。
平気な顔して出ていいのかな?

…ピルルルル

でも、無視するのもおかしいしね…。

…ピッ

「 も、もしもし? 」

あ、やばい。噛んじゃった…。

『 もしもし? 苺華? 』

「 香…香理奈… 」

久々に声をしっかり聞いた気がした──。
ずっと倒れたり、寝込んだりしてたから…。

…香理奈とも、関係がこじれちゃってたし。

「 …どうしたの? 」

尋ねると、香理奈は詰まりながら答えた。

『 あ、あのさぁ…そのっ… 』

言い辛いことなんだろう…。
声までも震えている。
聞くこっちまで怖くなってきてしまう──。

「 な、何? 」

それから数分後、ようやく香理奈は口にした──

その内容とは──

『 …玲奈がいきなり、宮木君を家に連れ込んだ。 』

「 は? 」

私の手にある真っ黒い兎のiPhoneが小さく震える。
思わず両膝が床に叩きつけられた…。

ガクッと崩れ落ちた私の体は、ブルブルと震えていた。
耳に張り付くさっきの言葉…その意味はすぐにでも理解できた。

「 …そ、それって…つまり… 」

『 うん、付き合ったらしいよ。 』

「 っ!? 」

”付き合った”…その事実にも、もちろん、驚かされたが…
私が一番驚いたのは、香理奈の態度だった。

まるで、”大丈夫”と語ってるかのようにも思えた──。

「 …香理奈 」

”大丈夫?”の一言さえ口から出ない状況だった。

そんな私を察したのか、香理奈はこう呟いた──

『 …大丈夫だよ。 』

「 えっ…? 」

明らかに大丈夫じゃない声だった…。
香理奈のガタガタと震えた体が目に浮かぶように震えた声…。

”大丈夫じゃないでしょっ!?”

普通だったら、こう言ってあげなきゃいけなかったのかもしれない。
でも…今の私の口から出た言葉はっ…

「 そっか…。 」

このたった一言だった──。
きっと香理奈も呆れてることだろう。

でも…香理奈の口から出た言葉は──

『 うんっ!!だから今日から一緒に学校行こうねっ!! 』

ものすごい明るい声だった…。
逆に私が慰められてるような…そんな声。

「 香理… 」

『 じゃあね!!また後でー♪ 』

「 あっ… 」

…プッ

こうして、電話が切れた──。
私はただただ立ちすくみ、iPhoneを見つめる。
気づけば時間はあれから10分も経っていた──。

「 …もう10分か。 」

ポツリと呟き、iPhoneをポケットにしまい、鞄を手に取った。

…ガチャッ

「 あら、おはよう苺華。ごはん食べてくでしょ? 」

「 ごめん、今日はいらない。…いってきます 」

「 えぇ? 」

…ガチャッ

「 はあ… 」

深いため息を溢し、玄関から外に出た。
今は7時11分。歩いて行っても間に合うな。

…コツコツコツコツ

ゆっくりと足を進ませ、歩いていく──
次第に、待ち合わせ場所に着き、香理奈の頭が見えた。

「 香理奈っ… 」

さっきの電話とは裏腹に、ドヨーンッとした空気の香理奈。
やっぱり、iPhoneを眺めて暗い顔をしている。

とても、声の掛けづらい状況だ。

「 はあ… 」

「 …あっ 」

ため息を溢した私に気づいた香理奈。
ずっと暗い顔をしていたというのに、私を見つけた瞬間、顔を変えた。

まるで別人のマスクをつけたかのように、明るい顔になったのだ──。

「 あぁっ、苺華ー!!めっちゃ久しぶりな気がするー!! 」

笑顔で駆け寄ってくる香理奈。
ずっと握り締めていたiPhoneは隠すように、ポケットに隠した。

「 苺華、この前はごめんねー。心配してくれてたのに冷たくして 」

「 え、いや。ううん…。 」

なんだか逆に、どうすればいいのかわからない…。

…ピルルルル

「「 っ!!! 」」

突然鳴り響いた着信音。
私は自分のiPhoneを確認した──

だが、私のではなかった。
…という事は、つまりこの着信音は──

「 …香理奈 」

iPhoneを見つめ、ガタガタと震える香理奈──
唇をブルブル震わせ、口を微かに開いた…

「 ──して? 」

「 え? 」

小さな声で、呟いた…

「 …どうしてなのっ!? 」

…ビクッ!!!!

突然大きな声で叫んだ香理奈…。
さっきとは別人のような怒りに狂った表情──

「 どうしてなのよっ…どうしてっ!?忘れようと必死なのに…どうしてっ!? 」

そう言いながら、瓦礫のように崩れ落ちた香理奈。
両膝を地面に落とし、ボロボロを大粒の涙を零していく──

「 香理奈? 」

ガタガタ震える手にあるiPhoneを覗くと、そこに書かれていたのは

【 玲奈 】

だった…。発信者は実の妹でもあり、ライバルでもあった玲奈ちゃん。
もう付き合って、勝ち誇っているつもりなんだ…。

なんて女なの…

…ギュッ

「 …っ 」

私も怒りがこみ上げてきた。
拳を爪の跡が出来るくらい握り締めた。

香理奈を見つめ、そして頭では玲奈ちゃんを浮かばせた。
そして…心ではこう呟いていた…

絶対に許さない。

※実話ではありません(続く)

アバター
2013/08/16 14:56
酷いですね玲奈さん・・・
アバター
2013/08/08 22:30
伝言板が埋まってたw
ゲームの合間になら大丈夫です!
たまに家にいっときますね



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