Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ストロベリーラブ *31話*

主な登場人物
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
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第三十一章 『 最強の救世主 』

「 はあっ、はあっ、はあっ… 」

止まらない呼吸、息遣いがうまくできないっ…。
途切れ途切れで掠れるような呼吸──

「 はあっ… 」

ポケットに手を突っ込んで、iPhoneを取り出した。
とにかく、誰かに連絡しなくては…。ただその想いに身を委ねて。

連絡表を見て、電話を掛けた──

…ピルルルル

出るかなんてわからない…
助けてくれるかなんてわからない…

…でも、今はあなたに電話を掛けたかったんだ。

…ピルルルル──ガチャッ

「 た…助けて…お父さん…助けてよぉっ!!!! 」

電話の向こうに叫ぶように、大声を上げた…。

私が電話した先は、もうこの世には存在しない自分の父親。
父の死体と共に蘇る幼き頃の家族の風景。
そんな風景を一枚、一枚蘇る記憶は父が助けてくれた風景ばっかり…

お父さんだったら…助けてくれるっ…

そんな事を馬鹿みたいに心で唱えていた…。
震える手でiPhoneを握り締めながら、崩れた体を震えさせる。

「 お父っ…さああんっ… 」

『 この電話は、現在使われておりません── 』

「 …… 」

何もブレのない女性のが私の耳に染み付いてく──。
その言葉の一つ一つが私の心にトゲのように刺さっていく…

「 お父さんっ…お父さんっ!!どうしてっ!?どうして勝手に死んだのよ!!! 」

iPhoneを目掛けて、私は叫んだ。
本当に自分おかしい、どうにかしてると思う。

…でも、仕方がないの。
もう…こうしてなきゃいれないの。

「 お父さっ… 」

…ギュッ

「 っ… 」

…………えっ?

「 …? 」

突然私の背中に伝わる温もり──
私の首元に絡みつく優しい温もり──。

この温かさ…なんだか懐かしい…

…ポロッ

さっきとは別に、ゆっくりと一筋の涙が頬をつたう…。

「 …泣くな、苺華。 」

「 …っ 」

耳元で囁かれた言葉──。
この言葉…さっきもどこかで聞いた…

「 … 」

「 …一輝? 」

尋ね、ゆっくり相手の顔が見えるくらい振り返った。
顔の真横にあったのは、一輝の悲しそうな顔だった──

「 一輝…どうして…? 」

「 俺、窓際の席だから、お前が泣いてるとこ見えたんだよ… 」

「 嘘…じゃあ授業ほったらかしてきてくれたの? 」

「 当たり前だろ?だって…大事な人なんだから。 」

…クシャッ

優しい笑顔と共に、優しく私の頭を撫でた…。
さっきまでの事が嘘かのように、私はへにゃっと笑った。

「 ありがとう…一輝… 」

そう小さく呟き、私はiPhoneを地面に落とした。

…ガシャンッ

それはまるで、鎖の鍵が一つ…外されたかのように思えた瞬間だった。
再び味わった一輝の温もりは、私を解放させた──。

「 うっ…うわあああああんっ…!! 」

解放されたと当時に、また涙が溢れ出した──
まるで氷が炎でじっくり溶かされていくかのように…

「 うっ…ふぇっ…うぅぅっ… 」

「 …苺華、大丈夫だから。 」

そう言って、優しく抱きしめてくれる…。
彼の方にもたれかかりながら、ゆっくりと私は意識が遠のいていった。

「 …苺華?苺華…?おいっ!!!! 」

私の視界は真っ暗になっていった──

※実話ではありません(続く)

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2013/08/07 10:39
大丈夫でしょうか!?

続き気になります

アバター
2013/08/06 16:09
日村君優しいですね!!

苺華ちゃんどうなるんだろう・・・
アバター
2013/08/06 14:25
つづきをはやく!!
私も小説かいてるんで、見てください!!



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