ストロベリーラブ *31話*
- カテゴリ:自作小説
- 2013/08/06 13:45:45
✿主な登場人物✿
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
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第三十一章 『 最強の救世主 』
「 はあっ、はあっ、はあっ… 」
止まらない呼吸、息遣いがうまくできないっ…。
途切れ途切れで掠れるような呼吸──
「 はあっ… 」
ポケットに手を突っ込んで、iPhoneを取り出した。
とにかく、誰かに連絡しなくては…。ただその想いに身を委ねて。
連絡表を見て、電話を掛けた──
…ピルルルル
出るかなんてわからない…
助けてくれるかなんてわからない…
…でも、今はあなたに電話を掛けたかったんだ。
…ピルルルル──ガチャッ
「 た…助けて…お父さん…助けてよぉっ!!!! 」
電話の向こうに叫ぶように、大声を上げた…。
私が電話した先は、もうこの世には存在しない自分の父親。
父の死体と共に蘇る幼き頃の家族の風景。
そんな風景を一枚、一枚蘇る記憶は父が助けてくれた風景ばっかり…
お父さんだったら…助けてくれるっ…
そんな事を馬鹿みたいに心で唱えていた…。
震える手でiPhoneを握り締めながら、崩れた体を震えさせる。
「 お父っ…さああんっ… 」
『 この電話は、現在使われておりません── 』
「 …… 」
何もブレのない女性のが私の耳に染み付いてく──。
その言葉の一つ一つが私の心にトゲのように刺さっていく…
「 お父さんっ…お父さんっ!!どうしてっ!?どうして勝手に死んだのよ!!! 」
iPhoneを目掛けて、私は叫んだ。
本当に自分おかしい、どうにかしてると思う。
…でも、仕方がないの。
もう…こうしてなきゃいれないの。
「 お父さっ… 」
…ギュッ
「 っ… 」
…………えっ?
「 …? 」
突然私の背中に伝わる温もり──
私の首元に絡みつく優しい温もり──。
この温かさ…なんだか懐かしい…
…ポロッ
さっきとは別に、ゆっくりと一筋の涙が頬をつたう…。
「 …泣くな、苺華。 」
「 …っ 」
耳元で囁かれた言葉──。
この言葉…さっきもどこかで聞いた…
「 … 」
「 …一輝? 」
尋ね、ゆっくり相手の顔が見えるくらい振り返った。
顔の真横にあったのは、一輝の悲しそうな顔だった──
「 一輝…どうして…? 」
「 俺、窓際の席だから、お前が泣いてるとこ見えたんだよ… 」
「 嘘…じゃあ授業ほったらかしてきてくれたの? 」
「 当たり前だろ?だって…大事な人なんだから。 」
…クシャッ
優しい笑顔と共に、優しく私の頭を撫でた…。
さっきまでの事が嘘かのように、私はへにゃっと笑った。
「 ありがとう…一輝… 」
そう小さく呟き、私はiPhoneを地面に落とした。
…ガシャンッ
それはまるで、鎖の鍵が一つ…外されたかのように思えた瞬間だった。
再び味わった一輝の温もりは、私を解放させた──。
「 うっ…うわあああああんっ…!! 」
解放されたと当時に、また涙が溢れ出した──
まるで氷が炎でじっくり溶かされていくかのように…
「 うっ…ふぇっ…うぅぅっ… 」
「 …苺華、大丈夫だから。 」
そう言って、優しく抱きしめてくれる…。
彼の方にもたれかかりながら、ゆっくりと私は意識が遠のいていった。
「 …苺華?苺華…?おいっ!!!! 」
私の視界は真っ暗になっていった──
※実話ではありません(続く)
続き気になります
苺華ちゃんどうなるんだろう・・・
私も小説かいてるんで、見てください!!