Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ストロベリーラブ *30話*

主な登場人物
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
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第三十章 『 記憶という名の鎖 』

「 ん…ふわああ… 」

目を覚ますと、真っ先に目に入ったのは綺麗な天井。

そうか…私、保健室で寝てたんだ。

「 …ィッ 」

少し頭に痛みが走った──。

…ガシャンッ

「 …あっ、落としちゃった…。 」

ついさっき一輝から貰ったストラップが綺麗に輝いている。
私はそれを拾って、iPhoneにストラップとしてつけた。

「 ふふっ♡一輝がくれたものっ 」

そう呟いて、ユラユラと揺れるストラップを見つめる。
真っ赤にキラキラと輝いていて、私の目まで輝かせる──

「 … 」

…シャッ

「 …あっ 」

カーテンの向こう側にいるのは、一輝ではなく竜生だった…。

「 竜生… 」

「 何そのストラップ、どうかしたのか? 」

そう尋ねてきた…。
私は戸惑い、詰まり詰まりに答えた…

「 えと…その… 」

何を戸惑う必要がある…。
普通に「 一輝に貰った 」って言えばいい話なのにっ…

「 そ…の… 」

「 何?答えられねぇのか? 」

「 …べ、別にそういうワケではないけど 」

「 …言えばいいんじゃねぇの? 」

「 えっ? 」

見上げると、竜生はまっすぐこっちを見ていた。
もしかしたら、竜生は…わかっている…?

「 竜…生… 」

「 …言えよ。お前の嘘ついてる姿見たくねぇから。 」

そう言った竜生は眉間にシワを寄せた。

「 … 」

私は少し黙って、ゆっくり口を開けた──

「 …一輝から…貰ったの… 」

自分でも驚くほどの小さな声だった──。
でも、竜生の耳には、しっかりと染み付いたみたいだった。

「 …へぇ。 」

…シャッ

「 あ、竜生…!! 」

竜生は背中を向け、そのまま行ってしまった。

「 …っ 」

私はまた十字架のネックレスを握り締めた。
さっきの竜生の顔を思い出しながら…

「 …竜生、ごめんね。 」

そう呟き、私はネックレスから手を離した。

もう、後悔なんかしない。
これでよかった、私は間違えてなんかない。

…そう自分に言い聞かせた。

…シャッ

「 斉藤さん、大丈夫?さっき高城君が悔しそうな顔で出て行ったけど… 」

「 … 」

「 っ!!斉藤さんっ!!(汗) 」

「 …っ 」

自分に言い聞かせたはずだったのに…
どうして、涙は頬を濡らすの…?

「 …斉藤さん、もう帰りなさい。 」

「 …はい。 」

手の甲で必死に涙を拭い、鞄を背負って学校を出た。
鞄の取っ手を握り締めながら、私は歯を食いしばった。

「 ごめんなさい、ごめんなさ…うっ… 」

言い聞かせても、言い聞かせても、出てくるのは涙ばかり。
頬を何度も何度も濡らしていく一筋の涙──。

今、自分でさえ自分が理解できない状態だ。

香理奈を傷つけるのも当たり前だ。
だって、自分が理解できてもない人が慰めようとしてたんだから。

心に響く言葉なんて、いえるわけがなかったんだ…。

「 …うわああああああんっ!! 」

人気のない校門の前で、全身崩れ落ち、両手で顔を覆って泣いた。
両膝を地面につかせ、手を涙で濡らしていく…

こんな泣き方…いつ以来だろうか…?

ゆっくり、ゆっくり私の体を蝕ませる記憶──

…ドクンッ!!!ドクンッ!!!ドクンッ!!!!

「 はあっ、はあっ、はあっ、はあっ!! 」

いつになれば、私はこの記憶という名の鎖に解放されるんだろうか?
いつになれば…この手錠は外される…?

そんな答えわかってるじゃないか。

…永遠に外れない。

これが答えだ。

※実話ではありません(続く)

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2013/08/05 15:59
何か大変ですね…。
苺華ちゃんはどっちをえらぶのかな



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