Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ストロベリーラブ *29話*

主な登場人物
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
────────────────────────────────────
第二十九章 『 甘い甘いミルク 』

「 …だから…その… 」

やばい、ここまで来たって言うのに言葉が頭に浮かばない──。
片方の耳に髪をかけて、色んな言葉を捜す…。

でも、何も見つからない──。

「 …その、えと…そのっ…!! 」

…ピンッ!!!

「 ィタッ…!! 」

突然、額( ひたい )に来た痛み。
どうやらデコピンをされたようだ。

「 ィテテテ… 」

「 バァーカッ。 」

「 へ…? 」

額を押さえながら、一輝の顔を見上げると
一輝は綺麗な歯並びを見せながら、ニカッと笑っていた。

…クシャッ。

手を回し、頭をクシャクシャと撫でて笑ってくれた。

「 一輝…? 」

「 わかってるよ、お前の気持ち。だから… 」

…ゴソゴソ

「 ? 」

ポケットをあさって、さっき落とした苺のネックレスを取り出した。
そのネックレスを小さく結んで、ストラップのようにした。

「 ほれ、これだったら大丈夫だろ? 」

そうニカッと笑い、私の手の上に差し出した。

「 …一輝 」

「 大丈夫。だから、もう泣くなよ… 」

そう言って、私の頬に触れて、親指で涙を拭ってくれた──。
その掌の温もりは今までに味わった事のないような温かさだった…。

「 っ… 」

その温もりで、凍ってた物が全て溶け出したかのように涙が溢れた。
私の頬に触れる一輝の手には私の涙がつたう…。

「 な、何でまた泣いてるんだよ… 」

私は一輝の手を左手でギュッと握り締め、言った。

「 …一輝の手、温かいから…。解放されるような気分で… 」

「 あははっ、なんだそりゃ 」

またそう言って、笑った。
彼の笑顔には何度救われてる事だろう…。

本当に、ありがとう。一輝。

…キーンコーンカーンコーン♪

「 そろそろ…帰らなきゃな… 」

「 あ、そうか… 」

自分から保健室にいる事を選んだのに…
どうして一輝が帰ろうとしたらこんな寂しい顔するの…

もう困らしちゃいけないのに──

「 …… 」

「 じゃあお前は寝とけよ。 」

「 …う、うん。 」

やばい、こんな言い方じゃバレバレだよ…。

そう思いながらも、私は布団の中に入った…。
顔は出して、仰向けになって寝た。

「 じゃあ… 」

…シャッ

あ、カーテンの音が聞こえた。
…もう、行っちゃったんだ…もう一輝いないんだ。

「 …… 」

…チュッ。

………………え?

「 ファーストキスだからな。なーんて…。聞こえてるわけねぇか。 」

…シャッ。

シーーーーーーンッ。

今度こそ、一輝は帰ってしまったみたいだ。

し、しかし…今のはなんだったの…?
も…しかして今のは…

「 っ… 」

キ…ス…?

「 …!!!!////// 」

私は慌てて唇を押さえ、さっきの行為を確認する。
一輝の感触が、残っている。

「 もぉ…あんなの反則だよ…/// 」

そう言って、私は布団にもぐりこんだ。
顔を真っ赤にしながら…。

※実話ではありません(続く)

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2013/08/05 14:05
キス//
ラブラブですね!



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