ストロベリーラブ *29話*
- カテゴリ:自作小説
- 2013/08/05 02:26:56
✿主な登場人物✿
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
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第二十九章 『 甘い甘いミルク 』
「 …だから…その… 」
やばい、ここまで来たって言うのに言葉が頭に浮かばない──。
片方の耳に髪をかけて、色んな言葉を捜す…。
でも、何も見つからない──。
「 …その、えと…そのっ…!! 」
…ピンッ!!!
「 ィタッ…!! 」
突然、額( ひたい )に来た痛み。
どうやらデコピンをされたようだ。
「 ィテテテ… 」
「 バァーカッ。 」
「 へ…? 」
額を押さえながら、一輝の顔を見上げると
一輝は綺麗な歯並びを見せながら、ニカッと笑っていた。
…クシャッ。
手を回し、頭をクシャクシャと撫でて笑ってくれた。
「 一輝…? 」
「 わかってるよ、お前の気持ち。だから… 」
…ゴソゴソ
「 ? 」
ポケットをあさって、さっき落とした苺のネックレスを取り出した。
そのネックレスを小さく結んで、ストラップのようにした。
「 ほれ、これだったら大丈夫だろ? 」
そうニカッと笑い、私の手の上に差し出した。
「 …一輝 」
「 大丈夫。だから、もう泣くなよ… 」
そう言って、私の頬に触れて、親指で涙を拭ってくれた──。
その掌の温もりは今までに味わった事のないような温かさだった…。
「 っ… 」
その温もりで、凍ってた物が全て溶け出したかのように涙が溢れた。
私の頬に触れる一輝の手には私の涙がつたう…。
「 な、何でまた泣いてるんだよ… 」
私は一輝の手を左手でギュッと握り締め、言った。
「 …一輝の手、温かいから…。解放されるような気分で… 」
「 あははっ、なんだそりゃ 」
またそう言って、笑った。
彼の笑顔には何度救われてる事だろう…。
本当に、ありがとう。一輝。
…キーンコーンカーンコーン♪
「 そろそろ…帰らなきゃな… 」
「 あ、そうか… 」
自分から保健室にいる事を選んだのに…
どうして一輝が帰ろうとしたらこんな寂しい顔するの…
もう困らしちゃいけないのに──
「 …… 」
「 じゃあお前は寝とけよ。 」
「 …う、うん。 」
やばい、こんな言い方じゃバレバレだよ…。
そう思いながらも、私は布団の中に入った…。
顔は出して、仰向けになって寝た。
「 じゃあ… 」
…シャッ
あ、カーテンの音が聞こえた。
…もう、行っちゃったんだ…もう一輝いないんだ。
「 …… 」
…チュッ。
………………え?
「 ファーストキスだからな。なーんて…。聞こえてるわけねぇか。 」
…シャッ。
シーーーーーーンッ。
今度こそ、一輝は帰ってしまったみたいだ。
し、しかし…今のはなんだったの…?
も…しかして今のは…
「 っ… 」
キ…ス…?
「 …!!!!////// 」
私は慌てて唇を押さえ、さっきの行為を確認する。
一輝の感触が、残っている。
「 もぉ…あんなの反則だよ…/// 」
そう言って、私は布団にもぐりこんだ。
顔を真っ赤にしながら…。
※実話ではありません(続く)
ラブラブですね!