Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ストロベリーラブ *27話*

主な登場人物
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
────────────────────────────────────
第二十七章 『 揺れ動く三角関係 』

…翌日

「 …竜生 」

私は十字架のネックレスを握り締めながら、いつもの通学路を歩く…
結局、日村とわかりあうことさえできず、一日が過ぎた。

…いや、昨日は和解しようとさえしなかった。

竜生の事で頭がいっぱいになって…
昨日はずっと考え込んでいた。眠れないほどに…

今日だってそうだ。
十字架を握り締めるたび思い出すあの頃──

『 これ、俺がいない間俺と思ってつけてて!!! 』

そう言って、強引に私の手の中に入れて、走って逃げた竜生の背中…
あの頃はまだ子供で、とても小さな背中だったけど、すごく逞しく見えたんだ。

思い出すだけで…感情が溢れそうになる…。

「 …っ 」

こんなにも深い想いだったのに…私は彼を忘れていた。
いない存在とまでも…思ってしまっていたんだ…。

最低な女…。

…コツコツコツコツ

結局待ち合わせ場所に来ても、香理奈はいなかった…。
もう私は香理奈に何もしてあげられないのかな。

最後の最後に追い詰めたのは私だったのかもしれない──。

「 はあああ… 」

何してんだろ、本当に馬鹿みたい。

「 …苺華 」

「 …! 」

突然後ろから聞こえた声…。
安心する声のトーン…。これって日村の声…

「 日村っ…!!! …ぁ 」

振り返ると、そこに立っていたのは竜生だった。
竜生は「 はああああ 」と深いため息をして、うつむいた。

「 あ、ごめん…。りゅ…竜生… 」

「 え?思い出したのか? 」

「 …うん。 」

悲しそうな顔を一変させ、パアッと明るい顔に変えた竜生。
ニカッと笑いながら、私の隣に並んだ。

「 あー、よかった!!このまま思い出してくれなかったらどうしようと思ってた!! 」

「 うん、私もこんな深い想いを思い出せなかったら、人生損してたよ。 」

「 …あ、ネックレス。 」

私の首下を指差して、そう呟く竜生。
私は「 えへへっ 」と照れくさく笑って、ネックレスに触れた。

「 昨日見つけてー…。一気に思い出したから着けちゃったっ 」

「 …お前、そのネックレスつける意味…わかってるよなァ? 」

「 え? 」

「 お前…やっと決心してくれたって事だよなァ? 」

「 え…きゃ!!! 」

突然私の体を引き寄せた竜生。
前からこういうとこあったけど、ここまで強引なんて…

「 ちょ、離して!? 」

引き離そうと思っても離せない。
そして、私の耳元にある竜生の口がゆっくり開く──

「 そのネックレスで…約束した事…覚えてるか? 」

「 …あ/// 」

「 思い出したみてぇだな。 」

「 …りゅ、竜生/// 」

やばい、竜生そんな格好いいしゃべり方だった?声だった?顔だったっけ?
やばいやばいやばい、混乱してきちゃった…

…フラッ

「 え、苺華? 」

私は竜生の肩に靠れかかった。
意識が遠のいていってたのだ──。

「 苺華?どうしたんだよ? 」

最後に私が聞いたのは、その一言だった…

……………

「 …ん 」

目を覚ますと、そこには見慣れない景色が広がっていた。
真っ白な天井、明るいLEDライト…。

「 ここって… 」

「 やっと目ぇ覚ましたか。 」

「 …え? 」

隣を見ると、そこには竜生の姿があった…。

「 竜生…私… 」

「 突然倒れたんだよ。俺の肩でグッスリなァ… 」

「 キャー!!嘘!!そんな恥ずかしい事してたの!? 」

「 あぁ、もうグゥ~ッスリだったぜぇ。 」

「 ちょ、そんないじめる言い方… 」

…シャッ

「 …あ 」

突然開いたカーテンの先には、日村がいた。
ポケットに手を突っ込んでいる。

「 日…村… 」

「 …お、お前… 」

日村の視界に竜生が入った様子。
日村は竜生を睨んで…

「 てめぇ…何してんだよ… 」

…と言った。

「 あぁ?別に…。苺華が倒れたから運んでやっただけさァ。 」

「 …は?苺華? 」

「 あっ、違うの日村!!彼はっ… 」

「 悪い、苺華は黙ってて。 」

「 …日村 」

初めてここまで低い日村の声を聞いた──。

「 お前さァ…苺華の何だよ? 」

そう言って、日村にガンを飛ばす竜生。
それに負けず、ガンを飛ばす日村。

「 彼氏ですけど? 」

「 っ!!///// 」

…ドキッ。

今の日村の言葉にドキッとしてしまった。

今ので私ホッとした…。
よかった…私は竜生に気持ち行ってなかった…。
ずっと揺ら揺らしてたから、もしかしたら…って思っちゃってた…。

馬鹿だな、私。

「 …苺華の彼氏ィ?…本当か? 」

竜生がこちらを見て、私に尋ねる。
私は小さく頷いて、答えた。

「 うん、そうだよ…。 」

その瞬間…竜生は顔が真っ青になった…。

「 お前…じゃあ…そのネックレスは… 」

「 え…? 」

「 嘘…だったのか…? 」

「 え?え? 」

「 …また後で話そうぜ。 」

「 あっ… 」

竜生はそう言って、私から離れていってしまった…。
手を伸ばしても、もう届かない場所へ行ってしまった。

「 ネックレスって…お前…それ、アイツに関連してる物なのか? 」

「 …え、えと。そ…うなんだけど… 」

私は耳に髪をかけながら、詰まり詰まりに答えた。

「 …で、でも!!そんな特別な意味は… 」

「 ……。 」

…シャッ

「 あっ、日村待って…!! 」

日村は行ってしまった。
私に背中を向けて…出て行ってしまった…。

「 嘘…そんな…。 」

きっと、私に絶望したんだ…。
呆れたんだ…

「 うぅっ…グスッ… 」

※実話ではありません(続く)

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2013/08/03 01:32
どうなるんでしょうmm
気になります!



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