Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


君は海に似ている。 *17話*

主な登場人物
小早川 波・・・海の大好きな女性。美人で頭がいい。5歳で両親をなくす。
小泉 夏木・・・明るくて元気な女性。明るい人がタイプ。
橘 カイト・・・クラスで1番明るい男性。昔から好きな女性がいる。一途。
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第十七章 『 丸く収まる方法 』

「 …小早川さん? 」

目をくっきり開け、私を丸い目で見つめる城野さん。
自分の唇に触れ、すごく驚いているみたいだった──。

「 …あ。あぁ…えと。その… 」

もう頭の中は真っ白で、私は戸惑いを隠せない。
混乱してきて、いつもいい言い訳が思いつくのに、今日に限って何も出てこないっ…

「 …す、すみません!! 」

「 あっ… 」

…ガチャッ!!!!!

私は猛ダッシュで城野さんの家を飛び出した。

馬鹿みたい、なんて恥ずかしい女なんだろうっ…。
だって…だって彼は…本当に優しい気持ちで、私と泊めてくれようとしてた…
なのに…私はキスなんかしちゃって…馬鹿みたい…。

「 …はあ。はあ。 」

少し走って、私は城野さんの家から離れた。
…離れたけど、城野さんのアパートは遠いけど見えた。

「 城野さん… 」

城野さんの部屋の明かりがホンワリと輝いて見える…。

もう一度…城野さんに会いたい…。
あんな事をしたのに、まだ心のどこかで願っている。

「 …… 」

まだ唇に彼の感触が残っている…。
あのキスから温もり、優しさ、全てが伝わってきた気がした。

「 あぁ~、本当に馬鹿なことしたぁ~… 」

頭をクシャクシャとして、その場に蹲った。
ジワッと涙が浮かぶ…。

「 あっれー?こんな夜遅くに何してるのー? 」

「 えっ? 」

私の前には怪しい人影…。
見上げると、そこにいたのは一人の男性。

「 な、何ですか…?グスッ… 」

「 あれ、泣いてるのー?うわ、大丈夫ー? 」

「 え? えーと… 」

男性の低い声と、軽いノリについていけない。
私は目を泳がせ、「 えーと 」を言い続けた──。

すると──

「 ねぇーねぇー、今暇でしょ?遊びに行こうよぉー 」

「 えっ、ちょ、きゃあっ…!! 」

突然、強引に私の腕を引っ張る男性。
初めてこんな強い力で引き寄せられたっ…。

やだ…怖い…怖い…怖い怖い怖い怖い…

「 は、放してくださいっ!!! 」

頑張って腕を振り払っても、男性の力が強すぎて離れない。

「 やっ、やだ!! 」

「 いいじゃん、いいじゃん。嫌がるなってぇー 」

「 い、いやです!!助けてっ… 」

「 ハッ、こんな夜遅くに助けが来るわけ── 」

…タッタッタッタッタ

「 波っ!!!! 」

……えっ?

「 ごめんな、一人にさせて。 」

城…野さん…?

私の肩には、城野さんの手が…。
城野さんの顔が…私の真横にっ…?

「 あれ?波、コイツ誰? 」

少し睨みを聞かせ、男性を見ながら尋ねる城野さん。
まるで、あの優しい雰囲気しかなかった城野さんとは別人のようだ──。

「 …チッ、男連れだったのかよ。 」

そう言って、男性は帰っていった。

「 …ふぅ、よかった。 」

そう言って、肩から手を放した城野さん。
私も城野さんから一歩後ろに引いた。

「 …あ、ありがとうございました。 」

やばい…城野さんが見れない…。
きっとあのキスの事、怒ってる。迷惑かけた事も怒ってる…

「 …あのさ 」

「 は、はいっ? 」

「 …さっき、波って呼んでごめんね。 」

恥ずかしそうにそう言った。
そんな照れくさそうな笑顔がまた私の心を揺さぶる。

「 城野…さん…あの、さっきは本当にすみませんでした… 」

私はペコッと一礼した。

「 …正直、ビックリしたよ。 」

「 …はい、すみません。 」

私はうつむいて、小さく、頷いた。

「 …でも 」

「 へっ? 」

「 嫌じゃなかったよ…/// 」

顔を真っ赤にさせ、片手で顔を隠しながらそう言った。

「 …え////嘘…/// 」

「 本当… 」

「 ~~~//// 」

今までにないくらい、私の顔は熱くなり、真っ赤になった。
やばい…次は違う意味で城野さんの顔が見れない。

「 あの、よければ…。こんな俺だけど… 」

「 は、はい… 」

「 付き合って…みませんか…? 」

「 … 」

…ドキッ

この人と…付き合えば、ある意味全部プラスじゃん。

「 ……はい。 」

※実話ではありません(続く)




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