君は海に似ている。 *12話*
- カテゴリ:自作小説
- 2013/07/29 23:56:34
✿主な登場人物✿
小早川 波・・・海の大好きな女性。美人で頭がいい。5歳で両親をなくす。
小泉 夏木・・・明るくて元気な女性。明るい人がタイプ。
橘 カイト・・・クラスで1番明るい男性。昔から好きな女性がいる。一途。
小早川 波・・・海の大好きな女性。美人で頭がいい。5歳で両親をなくす。
小泉 夏木・・・明るくて元気な女性。明るい人がタイプ。
橘 カイト・・・クラスで1番明るい男性。昔から好きな女性がいる。一途。
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第十二章 『 友情を誓った公園 』
「 …はぁ…はぁ。 」
私は無駄に急いで公園に向かい、息遣いが荒くなっていた。
漫画喫茶から普通は20分のとこ、10分で着いてしまった。
私ってこんな足速かったっけ…?
「 …あっ 」
周りをキョロキョロ見渡していると、カイトの姿が目に入った。
いつも通り半そでのTシャツに、ジーパン。毛はハネさせている。
アイツ調子乗り出して、ワックス塗りだしたんだよなぁ。
「 …… 」
なんだか、そんな姿も…今では愛おしく感じる。
ダメ…絶対ダメ…これ以上、気持ちを進めては、いけない。
「 あっ、波!! 」
どうやら後ろにいる私に気づいたカイトが手を挙げる。
私も今気づいたかのように、手を挙げて、駆けつける…。
「 おっ、カイト!!早かったねぇ~ 」
「 まあな。俺が誘ったんだしな。 」
”当たり前だ”というような言い草のくせに、顔はどや顔。
わかりやすすぎる、この男。
「 あ、あははっ 」
まあ、そこもカイトのいいところなんだけどね…。
なーんて思っちゃう私はもっとわかりやすいのかもね。
「 …どうした? 」
「 ん?いや?なんでも。…で、なんでわざわざ呼び出したわけ? 」
「 あぁ、話したかったからだよ。 」
腕を組んで、むぅと考え込むカイト。
これは…この流れはまさか…
「 ま、まさか…用件は特になし…なの…? 」
そう尋ねると、カイトは両手を激しく動かして否定した。
「 な、ななな、何を馬鹿なことを言っているんだ!? 」
本当に分かりやすい奴。
これじゃあ、図星っていう合図じゃん。
「 ぷははっ!! 」
「 何笑ってるんだよっ!! 」
「 んーん、別にぃ~? 」
でもカイトの分かりやすい性格は…時に人を傷つける。
「 なんで波ばっかり!? 」
そう…、カイトの分かりやすい性格は…心をズタズタにする。
まだ脳みそと、鼓膜に染み付いている夏木の震える声と震える手。
「 …っ。 」
思い出すだけで、ゾッとするあの光景…。
私が…知らない間にずっとズタズタにしていた夏木の心。
「 …波?何考えてるんだよ? 」
「 …夏木のことに決まってるじゃん。 」
そう答えると、カイトは固まってしまった。
きっとカイト自身、夏木の話には触れられたくないんだと思う。
でも…逃げてちゃいけないんだよ…この件だけはっ…!!!!
「 あのさ!!あんなやり方で引き裂こうとしてごめん…。で、でも── 」
「 それ以上言うな。 」
「 えっ…? 」
カイトの分かりやすい性格…こういう場所でも出る。
”それ以上言うな”と言ったカイトの目には微かな涙が浮かんでいる…
薄暗い公園でも、それはしっかりと見えた。
「 …カイト。 」
「 …わかってるよ、波。 」
ただ何度も「 わかってる 」を連呼して、うつむくカイト。
私は本当に最低な奴だ。いるだけで人を傷つけている──。
「 ごめんなさい…、ごめんなさい…カイト。 」
私もただただ「 ごめんなさい 」しか言えなくなった。
いつもは”いいよ”と笑って返すカイトの笑顔も今回はさすがになかった──。
その瞬間──
PLLLL....
「 …あっ 」
ポケットに閉まっていたiPhoneが光っている。
どうやら、電話が来たみたいだ。
「 …夏木か。 」
発信者は【 夏木 】
この名前を見ると、やっぱ心が痛む。
「 …出なきゃダメかな? 」
カイトの顔を見て、尋ねる。
カイトは黙って、コクンと頷いた…。
「 …わかったよ。 」
私は頷いて、電話に【出る】のボタンへスライドさせた。
シュッ…
「 …もしもし? 」
私の声は少し震えている…。
やっぱ、バレてしまうかな。
『 あ、もしもしー?波ぃ~?ごめん、寝てたぁー? 』
「 え…? 」
この時、私が一番驚いたのは夏木がすごく明るいいつも通りの声だったから。
絶対私の事をこの世で一番憎んでいるはずなのに…
『 やっぱ寝てた?怒ってる…? 』
…それはこっちの台詞だよぉ。
「 ううん、寝てないし、怒ってないよ。 」
『 あー、よかったぁ!!じゃあ、今から会わないっ? 』
「 会う…? 」
私はカイトの顔を見た…。
そして、一ついいことを思いついた。
「 …うん、わかった!!!会おう!!! 」
『 お、ありがと。じゃあいつもの公園でー!! 』
「 うん。 」
──ガチャッ。
電話は切れた。
夏木がもう少しで来る…。
この平和に笑いあって、3人の永遠を誓った公園で…
もしかしたら、永遠を壊す公園になるかもしれないけど…
この公園で、全て決めたい──
「 …え?夏木がここに来るのか? 」
「 うん、来るよ。 」
「 おま…、俺の話は… 」
「 な・い・ん・で・しょ!? 」
「 …うん。 」
カイトはまるでスネる子供のような顔をした。
そして、私はまた再びiPhoneを見た。
「 …夏木が来る。 」
改めて、気持ちを建て直し、心構えした。
3人の友情が壊れても…仕方がないという覚悟を決めて…
※実話ではありません(続く)
ありがとうございます(´・ω・`)
ありがとうございます(´・ω・`)
あと
好きになるほど思ってた。
この人に思ってもらえたら
それほど幸せなことは
ないだろうって、
確かこうでした(笑)