騒がしい勇者達 *短編小説*(コメディ)
- カテゴリ:自作小説
- 2013/07/29 18:25:01
俺は勇者。称えられるべき存在。
まあ、RPGとかばっかやってる人とかは思い込んでるかもだけどさ…
勇者って全員あんなクソ真面目じゃねぇんだぜ?それだけは知って欲しいぜ。
…だからよぉ、俺たちの冒険記見ても、失望するなよ。
「 …ねえねえ、アトラスゥ。何ボーッとしてんのぉ? 」
「 あ?読者に失望させねぇために説明してたんだよ!! 」
「 …もう、あの説明の時点で失望してると思うよぉ。 」
ニッコリと天女のような微笑で言う、魔法使いクレア。
その言葉にグサッと来た勇者アトラス。
「 クレア、ヒデェ!!なあ、グレーはそんなん言わねぇよなぁ~? 」
「 残念だが、俺はクレアの意見に賛成だ。 」
「 グレーの鬼!!悪魔!!いくじなしぃっ!!! 」
「 ハッハッハッ、なんとでも言いたまえ!!! 」
メガネをギラギラと輝かせ、そう言った弓使いグレー。
「 まぁたやってんのっ!?いい加減にして!!!! 」
両手を腰にあて、ふくれっつらを作る剣士フィリアス。
「 フィリアス!!聞いてくれ!!グレーがぁぁあ!! 」
「 どうせ、あんたがまた要らない事をしたんでしょ。 」
「 ヒデェ!!エコひいきじゃねーか!! 」
「 言っとくけど、あんた勇者よ?自覚ある?あと脳みそもある? 」
「 一言余計だよ!!! 」
もうまさにアトラスは半泣き状態だった。
アトラスはこの中でも一番馬鹿で、空気が読めない。つまり、KY。
「 フィリアスの言うとおりだ。アトラスは脳みそがない。 」
真面目な顔をしてメガネを挙げながら呟くグレー。
その横から水色の長い髪をなびかせ、笑顔で…
「 アトラスは、脳みそがないんだねっ!! 」
と、言うクレア。
「 これは、いじめだ!!称えるべき勇者へのいじめだあああ!!! 」
ついに、泣き出してしまったアトラス。
「 あーもー、はい。 」
フィリアスは優しく、ポケットから取り出したハンカチを差し出した。
アトラスは目をうるうると輝かせ、フィリアスに抱きついた。
ギュッ。
「 きゃあ!!ちょ、いきなりなに/// 」
「 ありがとうな!!フィリアス!! 」
そう告げたアトラスは、ハンカチで涙をぬぐった。
「 …きっと、ああいう所が誤解を招く。 」
「 そうだねぇ~!! 」
グレーとクレアが二人を見つめながら呟く。
そして、グレーは怖い顔をして、アトラスをにらみつけた。
「 …チッ、馴れ馴れしくフィリアスに触りやがって。 」
どうやら、グレーはフィリアスが好きだそうです。
クレアはそんな言葉耳にも入ってない様子で、ニコニコしている。
「 ~~/// 」
フィリアスはまだずっと顔が赤いまま。
アトラスはずっと涙をぬぐっている。
グレーはアトラスを睨み続け、
クレアはポワポワと笑っている。
「 …っと、忘れるところだった。 」
口火したのは、グレー。
「 忘れるって? 」
クレアが尋ねると、グレーはニヤッとして答えた。
「 聞いて驚け、俺はついに倒すべきボスの居場所がわかった。 」
「 え、それ本当!? 」
「 嘘ぉっ!! 」
フィリアスに続け、クレアの驚く声が響く。
ようやく涙をぬぐい終わったアトラスは、フィリアスにハンカチを差し出す。
「 これ、ありがとなぁー。 」
「 え、あ、ええ/// 」
まだ、さっきのが忘れられないみたいで、顔が真っ赤になるフィリアス。
だが、そんな気持ちは一瞬でさめた。
「 …何これ。 」
ハンカチは鼻水だらけ。
フィリアスは極度ってほどではないが、綺麗好き。
「 あぁ~ん~たぁ~ねぇええ… 」
「 え?何々? 」
「 ざけんじゃないわよぉぉ!!! 」
ボッカーーーーンッ!!!!
「 あぁ~れぇ~!!! 」
アトラスは、どこかわからない遠くへ飛ばされた…フィリアスの鉄拳で。
「 …さて、馬鹿が消えたところでボスを倒しに行くぞ。 」
「 賛成ぃ~♡ 」
「 大いに賛成よ。 」
こうして、3人でラスボスを倒し、勇者アトラスではなく、勇者グレーの伝説ができた。
ボスを倒した後の3人は…
「 …そういえば、誰か忘れてなぁい? 」
「 え?誰の事? 」
「 そんな奴いたか? 」
勇者アトラスの存在を忘れてるのでした。
ー砂漠ー
「 おぉぉぉぉおい!!!ここどこぉぉぉお!? 」
アトラスはとんでもない場所へ飛ばされたようです。
※実話ではありません。

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- alfonce
- 2013/07/29 18:36
- すごいライトな感じのコメディですねb
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