ストロベリーラブ ＊19話＊
- カテゴリ：自作小説
- 2013/07/26 21:58:39
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
────────────────────────────────────
第十九章 『 あの日の雨 』
「 …何なの? 」
ニヤつく女に問いかける…。
あの顔…最後お父さんに向けた顔と同じだ──
「 別に何もないけどぉ…。 」
日村をじっと見ている…。
嫌な予感が消えない…。鼓動が速くなっていく…
「 …き、消えて。 」
「 何ですって…? 」
「 あなたがこの病室に来る理由なんてないはず。帰って。 」
「 …そうねぇ 」
女はいつもとはまるで別人のように私のいう事を聞いた。
鞄を背負いなおして、背を向け、帰っていった──。
その背中には悪意が宿ってるようで、仕方がなかった…
「 …… 」
口をポカンと開けてただ女の背を見つめる日村…。
まさ…か…あの女に惚れてしまったの…?
「 …日村? 」
「 まさか、あの人?お父さんの── 」
「 そうだよ。 」
「 …っ 」
日村は固まった…。
そして、罪悪感に満ち溢れた表情を浮かべる…
「 別に触れてほしくなかったわけじゃないから、大丈夫。 」
私は日村を慰めるように、語りかけた。
そして、笑った…。私は、頑張って笑った…。
「 …… 」
そして、日村は黙って──
───ガラッ。
出て行ってしまった…。
呆れられたんだろうか?私が嫌になった…?
あんな意味の分からない女に付きまとわれてる私を見て…怖くなった…?
「 うぅ…、どう…しようぅ… 」
自分で話したのにも関わらず、酷く後悔している…。
拳を胸の前で握り締め、私は静かな病室で涙を零した──。
しばらく…入院…
ある意味、私にはいい期間なのかもしれない…。
正直、今はメンタルが弱ってるし…。
…でも、母が心配だ。
夜も眠れるかわからない…。
日村の事だって…気が気でない…。
「 …グスッ 」
とりあえず、悩んでいたって何もならない。
いまは与えられた時間で、休ませてもらおうかな…。
「 …よっこいしょ。 」
私は布団にもぐって、ギュッと目を閉じた──。
光なんて差し込む隙間もないくらい…強く、強く──。
母は無事だろうか…?
今はゆっくり休んでくれてるかな…?
ご飯は食べてる?ちゃんと薬飲んでるかな…。酷い発作は起きてない…?
「 ～～～!!! 」
ダメだ!!!気にしすぎて眠れる気がしないっ!!!!
「 …よっ 」
私は体を起こして、公衆電話まで足を運んだ──。
とりあえず、お母さんに電話しなくちゃ。
チャリンチャリンッ。
公衆電話にお金を入れ、受話器を手に取った。
PLLL....PLLL...PLLL....
（ なかなか電話に出ないなぁ…。 ）
ベルの音が鳴る度に、不安が募るばかり…。
PLLL....PLLL....PLLL... …ガチャッ!!
「 あっ、もしもしっ?お母さ── 」
『 ただいま、電話に出る事ができません。ピーッという合図音の後に… 』
「 …… 」
──ガシャン。
私は静かに、受話器を置いた。
それと共に涙がこぼれおちた──。
「 グッ…うぐっ…ヒィック… 」
公衆電話の前で一人、私はお金を握り締めて泣いた──。
日村…日村の声が聞きたい…。あの落ち着く声を聞きたい…
チャインチャリン…
私はもう一度、お金を入れた。
PLLL...PLLL...PLLL...
「 …ゴクリ。 」
PLLL...PLLL...PLLL... …ガチャッ!!
『 はい…?日村ですけど… 』
「 日村っ…!!あの、斉藤…だけどっ… 」
『 斉藤っ…?なんかあった…? 』
「 不安で…不安でたまらなくて…眠れない…んだ… 」
いつもなこんなふうに大切な人には弱音をはかないのに…
いや、吐けないのに…なんで今日は次々と弱音が出るんだろう…
「 …怖い。震えが止まらないよぉ…。 」
やばい、嫌われてしまう…
『 …… 』
───ガチャッ。
「 っ…!!! 」
電話が…切ら…れた…?
嘘、強引に…きられた…。
嫌われたんだ…私に本当に呆れて、嫌になったんだ…。
もう、私となんて話したくないんだ…。
「 …私ってば何考えてるんだろ。 」
私はおとなしく、病室に戻った。
ベッドに座って、目から涙がポツポツと落ちる…。
まるで…香理奈の悲しみを浴びたあの日の雨のように──。
「 グスッ…グスッ… 」
※実話ではありません（続く）
だから苺華ちゃん大ジョブ！ｗ
日村くんとどうなるのでしょうか！？
突然ですが、「小説同好会！！～＊小説作って読んでもらおう！＊～」
っていうサークルに入ってみませんか？
私も入ったばかりでメンバーが少ないので、物書きさん大歓迎です！
感想言い合える仲間が欲しいです＾＾
Ｐプレもあるそうですよ！
↓のサークルです。
http://www.nicotto.jp/user/circle/index?c_id=226933
宣伝失礼しました！