ストロベリーラブ *16話*
- カテゴリ:自作小説
- 2013/07/25 01:57:10
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
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第十六章 『 解き放たれた秘密 』
──ガシャン。
私は受話器を置いて、ため息をついた。
「 はぁ… 」
やっぱり香理奈の敵は双子の実の妹、玲奈ちゃんってわけになるのか。
なんかそれって…残酷すぎやしない…?どうにかしてあげたい…香理奈のためにも。
( …でも、どうすりゃいいんだろ。 )
私は公衆電話の前で腕を組み、考えこんだ──。
すると、目の前には人影が。
「 …ん? 」
前を見ると、そこには日村が立っていた。
「 どうした?抱え込んで… 」
「 え?あ、いや。何も… 」
”何もない”って答えようとすると、日村は私の肩に手を置いた。
「 えっ? 」
そして、微笑みながら……
「 隠し事はなしっ!!悩んでるなら言ってくれよ。 」
と、言ってくれた…。
その瞬間、私はすごく助けられた──…
きっと、日村だったら…いい答えをくれるかもしれない…。
香理奈には悪いけど…話させてもらおうかな。
「 わかった、話す。カフェ行こうよ。 」
「 うん 」
そう言って、私達は街角のカフェへと足を運んだ。
そのカフェは少し地味で、人気のない場所…ある意味今の現状にもってこいの場所。
「 ここだよ。 」
カフェに到着し、私は指さした。
日村は口をO型にしてカフェを見上げている。
「 おー、ここが?なんか想像してたのと… 」
「 違うでしょ?でも、ここおいしいの!!入ろう。 」
「 お、おう。 」
私は日村の手を強引に引っ張って中に入れた。
店内は見た目とは裏腹に、とても整っていた──。
大きなランプ、ブラウンのシンプルなテーブルとイスが置かれている。
「 へぇ、意外と綺麗… 」
「 あっ、コラッ!!そういう事言わないのっ!! 」
私は口元で一指し指を立てた。
すると、店員がゆっくりと近づいてきた…。
「 いらっしゃいませ。2名様ですか? 」
「 はいっ!!2名です!! 」
と言って、私はVサインをした。
店員はほほえましそうに、私達を見つめた。
「 はい、ではこちらへ 」
そう言って、私達を案内してくれた──
そこの席は、ブラウンのテーブルにレースのテーブルクロスが置かれていて、
すごくオシャレな感じがした。コースターも木製で可愛らしい。
「 わぁ、いいね!! 」
私はメニュー表を手に取り、開いた。
日村は目の前で、iPhoneをいじっている…。
「 ちょ、日村っ!!メニュー、メニュー!! 」
「 え?だって今、斉藤が… 」
「 2枚置いてあるでしょっ!? 」
「 あ… 」
テーブルのすぐそこにあったメニューを見た日村は、恥ずかしそうに手に取った。
メニューはたくさんあった。
ハニートースト、ミルフィーユ、クレープ、トースト…
どれもおいしそうな物ばかりであった…。
「 わぁ、迷うなぁ~ 」
「 決めた… 」
「 お、何にするの? 」
「 ベーグルと、アイスカフェオーレにする。 」
「 お…おおう… 」
少し、意外だった。
日村がベーグルとか食べるとは…なんか抹茶とかいきそうなのに。
「 …何? 」
「 いや!!あっ、じゃあ私はティラミスとアイスカフェオーレにしよっと!! 」
「 ん、決まったか。すみません… 」
「 …あれ、気づいてない?すみませぇーん!!! 」
「 あっ、はい。 」
店員は慌ててこちらに駆け寄ってきた。
私達はお互いの注文を伝え、そして数分後注文したものが置かれた。
「 うほほぉ!!おいしそぉ~!! 」
私の目の前に置かれたティラミス…。
そして、彼の前に置かれたベーグル…。
そして、いよいよ話は本題へと発展していった──。
「 …じゃあ、話すね。 」
「 うん 」
私は日村に全て伝えた。隅から隅まで何一つこぼさず…
玲奈ちゃんの事も、宮木君の事も…、香理奈の事も───
話し終えると、日村は驚きを隠せないようだった…。
フォークを持ったまま手を震えさせ、私をまっすぐ見て方針状態に陥っている。
「 …驚いた? 」
そう尋ねると、日村はゆっくり頷いた。
そして、iPhoneを取り出した。
「 えっ、何するの? 」
「 これで、功に言うよ。 」
「 えっ!?ダメだよっ…!! 」
「 ほっとけねえよ!!!長谷川があんなんになってるのにっ… 」
「 やめてってばっ!!!!! 」
私はつい大きな声で言ってしまった──。
固まる日村…。
「 あ、ごめん…。でも香理奈のためにもやめて?さっき私も電話したし。 」
「 その玲奈って子といたんだろ? 」
「 …… 」
私は黙ったまま、静かにコクリと頷いた。
「 …はぁ。 」
日村のため息はとても深かった。
すると───
PLLLL......
「 ん…? 」
私のiPhoneが鳴っていた。
鞄から取り出し、電話に出た…。
「 もしもし? 」
『 苺華…?お客さんが来てるの。早く帰って来てね。 』
「 え、お客さん…? 」
『 ええ、早くしてね。じゃ。 』
プッ、ツーツーツーツー......
なんだかお母さんにしては、ものすごく冷たくて強引なきり方だった。
私は手に持ったiPhoneをただただ見つめながら、考えた。
そして…嫌な予感がした…
「 …ま…さか… 」
「 ? 斉藤? 」
「 ご、ごめん!!先帰るねっ!!! 」
「 え、斉藤っ!? 」
私はiPhoneを握ったまま、全速力で家に向かった。
日村には後で状況を説明しとかなきゃ…。
※実話ではありません(続く)

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- ぱち公
- 2013/07/25 14:27
- 続きすっごい気になります!!
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- ⋈ふぅღ
- 2013/07/25 02:52
- 何が起こったんだろう…?
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