Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ストロベリーラブ *16話*

斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪ってしまった。玲奈と怪しい関係……?
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第十六章 『 解き放たれた秘密 』

──ガシャン。

私は受話器を置いて、ため息をついた。

「 はぁ… 」

やっぱり香理奈の敵は双子の実の妹、玲奈ちゃんってわけになるのか。
なんかそれって…残酷すぎやしない…?どうにかしてあげたい…香理奈のためにも。

( …でも、どうすりゃいいんだろ。 )

私は公衆電話の前で腕を組み、考えこんだ──。
すると、目の前には人影が。

「 …ん? 」

前を見ると、そこには日村が立っていた。

「 どうした?抱え込んで… 」

「 え?あ、いや。何も… 」

”何もない”って答えようとすると、日村は私の肩に手を置いた。

「 えっ? 」

そして、微笑みながら……

「 隠し事はなしっ!!悩んでるなら言ってくれよ。 」

と、言ってくれた…。
その瞬間、私はすごく助けられた──…

きっと、日村だったら…いい答えをくれるかもしれない…。
香理奈には悪いけど…話させてもらおうかな。

「 わかった、話す。カフェ行こうよ。 」

「 うん 」

そう言って、私達は街角のカフェへと足を運んだ。
そのカフェは少し地味で、人気のない場所…ある意味今の現状にもってこいの場所。

「 ここだよ。 」

カフェに到着し、私は指さした。
日村は口をO型にしてカフェを見上げている。

「 おー、ここが?なんか想像してたのと… 」

「 違うでしょ?でも、ここおいしいの!!入ろう。 」

「 お、おう。 」

私は日村の手を強引に引っ張って中に入れた。
店内は見た目とは裏腹に、とても整っていた──。
大きなランプ、ブラウンのシンプルなテーブルとイスが置かれている。

「 へぇ、意外と綺麗… 」

「 あっ、コラッ!!そういう事言わないのっ!! 」

私は口元で一指し指を立てた。
すると、店員がゆっくりと近づいてきた…。

「 いらっしゃいませ。2名様ですか? 」

「 はいっ!!2名です!! 」

と言って、私はVサインをした。
店員はほほえましそうに、私達を見つめた。

「 はい、ではこちらへ 」

そう言って、私達を案内してくれた──
そこの席は、ブラウンのテーブルにレースのテーブルクロスが置かれていて、
すごくオシャレな感じがした。コースターも木製で可愛らしい。

「 わぁ、いいね!! 」

私はメニュー表を手に取り、開いた。
日村は目の前で、iPhoneをいじっている…。

「 ちょ、日村っ!!メニュー、メニュー!! 」

「 え?だって今、斉藤が… 」

「 2枚置いてあるでしょっ!? 」

「 あ… 」

テーブルのすぐそこにあったメニューを見た日村は、恥ずかしそうに手に取った。

メニューはたくさんあった。
ハニートースト、ミルフィーユ、クレープ、トースト…
どれもおいしそうな物ばかりであった…。

「 わぁ、迷うなぁ~ 」

「 決めた… 」

「 お、何にするの? 」

「 ベーグルと、アイスカフェオーレにする。 」

「 お…おおう… 」

少し、意外だった。
日村がベーグルとか食べるとは…なんか抹茶とかいきそうなのに。

「 …何? 」

「 いや!!あっ、じゃあ私はティラミスとアイスカフェオーレにしよっと!! 」

「 ん、決まったか。すみません… 」

「 …あれ、気づいてない?すみませぇーん!!! 」

「 あっ、はい。 」

店員は慌ててこちらに駆け寄ってきた。
私達はお互いの注文を伝え、そして数分後注文したものが置かれた。

「 うほほぉ!!おいしそぉ~!! 」

私の目の前に置かれたティラミス…。
そして、彼の前に置かれたベーグル…。

そして、いよいよ話は本題へと発展していった──。

「 …じゃあ、話すね。 」

「 うん 」

私は日村に全て伝えた。隅から隅まで何一つこぼさず…
玲奈ちゃんの事も、宮木君の事も…、香理奈の事も───

話し終えると、日村は驚きを隠せないようだった…。
フォークを持ったまま手を震えさせ、私をまっすぐ見て方針状態に陥っている。

「 …驚いた? 」

そう尋ねると、日村はゆっくり頷いた。
そして、iPhoneを取り出した。

「 えっ、何するの? 」

「 これで、功に言うよ。 」

「 えっ!?ダメだよっ…!! 」

「 ほっとけねえよ!!!長谷川があんなんになってるのにっ… 」

「 やめてってばっ!!!!! 」

私はつい大きな声で言ってしまった──。
固まる日村…。

「 あ、ごめん…。でも香理奈のためにもやめて?さっき私も電話したし。 」

「 その玲奈って子といたんだろ? 」

「 …… 」

私は黙ったまま、静かにコクリと頷いた。

「 …はぁ。 」

日村のため息はとても深かった。

すると───

PLLLL......

「 ん…? 」

私のiPhoneが鳴っていた。
鞄から取り出し、電話に出た…。

「 もしもし? 」

『 苺華…?お客さんが来てるの。早く帰って来てね。 』

「 え、お客さん…? 」

『 ええ、早くしてね。じゃ。 』

プッ、ツーツーツーツー......

なんだかお母さんにしては、ものすごく冷たくて強引なきり方だった。
私は手に持ったiPhoneをただただ見つめながら、考えた。

そして…嫌な予感がした…

「 …ま…さか… 」

「 ? 斉藤? 」

「 ご、ごめん!!先帰るねっ!!! 」

「 え、斉藤っ!?  」

私はiPhoneを握ったまま、全速力で家に向かった。
日村には後で状況を説明しとかなきゃ…。

※実話ではありません(続く)

アバター
2013/07/25 14:27
続きすっごい気になります!!
アバター
2013/07/25 02:52
何が起こったんだろう…?



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