Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ストロベリーラブ *15話*

斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪いかけているらしい。
─────────────────────────────────────
第十五章 『 鎖に繋がれた約束 』

「 …… 」

「 …… 」

静かな病室で、沈黙が続く──。
隣にいる玲奈ちゃんに何て声かければいいんだろう…?

「 ねぇ、苺華ちゃん 」

「 っ…! 」

突然話しかけてきたのは向こうだった。
私は驚きのあまり、体をビクつかせてしまった…。

そんな反応に玲奈ちゃんはクスクス笑いながら、言った。

「 苺華ちゃんはさあ、好きな人いないのっ? 」

小さく首をかしげて、まさに女の仕草をした。
私はその仕草に、香理奈の件もあるからか、無償に苛立った。

「 …別に。 」

…と、私は素っ気無い態度をとった。
すると、玲奈ちゃんは突然顔つきが変わって…

「 ふぅん。 」

と、素っ気無い態度をとった。
そして、突然自分の荷物を抱えた。

「 …帰るの? 」

「 うん、苺華ちゃんいるし。香理奈も私いないほうがいいだろうし 」

そう呟いた玲奈ちゃんは静かに病室を出た。

また病室には私と香理奈だけになった…。
そして、私は花瓶に添えられた薔薇を見つめて思った…

「 香理奈が可哀想っ!! 」

そう呟き、私は薔薇を取って捨てた。
昔から香理奈は薔薇を見ると「 棘があるからやだ 」って嫌がってた。
香理奈の大嫌いな花の一種だっていうのに…玲奈ちゃんは…。

「 …はぁ。 」

私は薔薇を捨てた後、オレンジブロッサムを添えた。
ほのかに甘く香るオレンジの香りで私の少し苛立ちが抑えられた。

「 きっと香理奈もこれで…よくなるよね? 」

私は香理奈に尋ねるかのように、そう言った。
真っ白な花瓶に添えられた真っ白なオレンジブロッサム…
見つめるだけで、なんだか心まで真っ白になっていく気がした──。

丸いスに腰を下ろして、
自分の太ももに肘をつきながら、私は香理奈を見つめた。

まるで眠ってるみたいだ…。
これが本当に死ぬ瀬戸際の人の顔なのだろうか…?

家に泊まった時とか寝顔みたりしてたけど…
なんか今見てる顔とあの頃の幸せそうな寝顔…変わりない気がする。

「 …香理奈 」

私は思わず香理奈の頬に手を伸ばしてしまった。
本当に香理奈なのか?なんだかそれさえもわからなくなっていた。

その瞬間───

───ガラッ!!!!

「 っ…? 」

扉のほうを見ると、そこに立っていた人は…

「 日村… 」

ビニール袋を片手に入って来た日村。
たぶん、香理奈への差し入れと思って持ってきたんだろうなぁ。

「 あれ、斉藤っ…!?お前大丈夫なのか!? 」

「 な、何が? 」

「 休んでたから… 」

「 …ま、まさか心配してくれてたの? 」

そう尋ねると、日村は顔を真っ赤にさせて片手で口を覆った。
…本当に心配してくれてたんだ。

「 ///// 」

私まで顔が真っ赤になった──。
日村はビニール袋を私に差し出して言った。

「 あ、これ…。長谷川が入院したって聞いたから差し入れ買ってきた。 」

中には香理奈の大好きなチーズケーキや、鮭のおにぎりなどが入っていた。
でも、今は無理だ。私はビニール袋を受け取って言った。

「 ごめん、今まだ香理奈は…食べれる状況じゃないんだ。 」

「 え?それってどういう… 」

「 香理奈見てもらえればわかるよ。 」

そう言って、私は香理奈のほうへ目をやった。
日村は香理奈を見た瞬間、口に手を当てて驚いた。

「 …嘘だろ。長谷川… 」

きっと、呼吸器を見て驚いたんだろう。
頭にグルグル巻きにされている包帯もそうだろうけど。

「 …うん、そういう事だからさ。でもありがとう香理奈のために… 」

私は日村に一礼した。
それを返すように日村も私に一礼。

「 いや、別にいいんだけどさ…。 」

そういうと、日村は私の隣に座った。

「 …あ、そうだ。どこで知ったの?香理奈が入院って… 」

「 え?さっき功から聞いた。 」

「 えっ!?宮木君からっ!? 」

私は思わず大きな声を出してしまった──。
目を丸くして、口を大きくポカンと開いてしまった。

「 …な、ななな、なんで?い、いつ聞いたの…? 」

「 え?ついさっき功にメール着てさ。それに書いてたみたい。 」

「 …ま、まさか 」

玲奈ちゃんが…教えた…?

「 …で、宮木君は? 」

「 なんか約束あるとか言って来れないみたい。 」

「 約…束…? 」

私は嫌な予感がした…。
宮木君の”約束”…もしかして…もしかするのかも…

「 …ごめん、ちょっと電話してくるね。 」

「 え?うん。 」

私は病院の公衆電話まで足を運んだ。

───チャリンチャリンッ。
お金を入れて、私は電話を掛けた。

PLLLL....

「 …あっ、もしもし?宮木君? 」

『 え?そうだけど?…苺華ちゃん? 』

「 うん、そうだよ。あ、あのさ…香理奈のことなんだけど… 」

『 ああ、知ってる。入院してるんだろ? 』

「 …なんで知ってるの? 」

『 え?玲奈に聞いたー。 』

「 …れ、れれれ、玲奈ぁ…? 」

なんだか宮木君の玲奈ちゃんに対する呼び方が慣れなれしすぎて…
何?”玲奈”って…。香理奈のことは香理奈”ちゃん”なのにっ…。

『 …どうした? 』

「 い、いや。来ないの?お見舞い。 」

『 あぁ、わりぃ。今日はいけないんだわー。 』

「 …どうして? 」

私は嫌な予感がしていた──。
少し詰まりながらも、宮城君は答えた。

『 …玲奈と約束してたんだ。 』

「 …そ、そうかぁ。 」

私は心の中で「 やっぱりな。 」と心の中で呟いた。
宮木君が言うのに詰まった理由…もしかしたら分かるかもしれない。

…玲奈ちゃんが元凶だなぁ。

※実話ではありません(続く)

アバター
2013/08/14 03:21
玲奈ちゃんは、この酷い妹のために

ふっちゃったのか・・・・。

なげかわしい・・・。
アバター
2013/07/25 00:27
酷い…。

香里奈ちゃんがかわいそうです…。
アバター
2013/07/24 23:15
続きすっごい気になります!

宮木君、御見舞いってあげてー!



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