Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ストロベリーラブ *14話*

斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪いかけているらしい。
─────────────────────────────────────
第十四章 『 甘い香りのオレンジブロッサムと棘だらけの薔薇 』

「 …すみません、もういけます。 」

「 はい。では… 」

呼吸が整った私は、看護師にそう伝えた。
看護師は一礼をして、病室から出て行った──。
私は重い重い体を起こして、香理奈のそばに駆け寄った。

「 …香理奈。 」

声をかけても、ピクリとも動かない香理奈──。
前みたいに笑顔で「 何? 」という香理奈の姿は…今はないんだ。

「 ……。 」

私はもう、黙って香理奈の横に座るしかできなかった。
私の短い髪の毛だけが静かに風に揺らされる──。
病室には私のシャンプーの香りしかせず、見舞いの花などは置かれていない。

「 …買ってこようかな。 」

ポツリと呟き、私は病室を後にした──。
iPhoneを覗くと、今の時間は午前9時くらいだった…。
それほどあれからパニック状況に陥らされていたんだな。

( 病院の横に綺麗な花屋さんがあったな。…そこ行くか。 )

私は鞄を手に、病院の横にある花屋さんの
【 Fairy flower 】へと足を運んだ。

──カランカラーン♪

「 いらっしゃいませぇ~♡ 」

「 ゲッ…!!! 」

「 あぁ~らぁ~!!斉藤さんじゃないのぉ♡ 」

…どうしてかはわからない。本当に偶然だとは思っている。
でも、これはいくらなんでも最低最悪なシチュエーションではないか…?

「 んふふっ♡ 」

「 …一条。 」

「 あぁ~、呼び捨てしたぁ~!!一条”先生”でしょっ!? 」

うわぁー、出たー、あのふくれっ面。
もうマジでいまそーゆー気分じゃないからやめてほしい。

「 …はいはい、一条玲菜せんせ… …!!! 」

今気づいた…。一条と玲奈ちゃんって同じ名前だったのか…。
うわぁ。いまそれ気づかすとかどんだけタイミング悪いんだよ、コイツ。

「 斉藤さーん? 」

「 …すみません、お店の人いますか。 」

「 いますよぉ!!!こ・こ・にっ♡ 」

一条は自分を指で指す。
…私は何か悪夢でも見ているのだろうか?

「 すみません、こっちは真剣なんです。 」

「 ええ?本当よ?ここ私の実家だもぉ~ん♡今日は休みだから手伝ってるの!! 」

「 え、嘘でしょ…。 」

一条はニコニコしながらこちらを見ている。
私はただただ顔を引きつらせるばかり。

「 …じゃ、じゃあ、あの…。 」

「 はいぃ!! 」

「 オレンジをイメージさせる花ってありますか? 」

「 オレンジって…果物のぉ? 」

「 はい。 」

「 んー… 」

一条は眉間にシワを寄せ、腕を組んで考えた。
そして、やっとひらめいた様子。

「 そうだわ!!来て来てっ♪ 」

「 …? 」

一条に連れてこられたのはお店の倉庫。
ダンボールの山済みになっていて、まだ未開封の物ばかりだった。
そして、一条が手につけたダンボールからは微かにオレンジの香りがした。

「 実はね、広島のおばちゃんから送られてきたんだけど… 」

一条はダンボールの中から真っ白な花を出した。
微かにオレンジの香りがし、その色はまさに透き通るような白さ…

「 お店に出してみたら?って言われたの。よかったらコレ… 」

「 買います!!! 」

「 …そんなにこれが欲しいのぉ? 」

「 はい!!! 」

そう答えると、一条は微笑んで私に白い花を差し出した。

「 え…? 」

「 これね、オレンジブロッサムっていう花なのよ!!ちなみに、花言葉はね… 」

一条は私の耳元まで口を近づけて言った──

「 花嫁の喜び。 」

「 え゛… 」

「 んふふふっ♡彼氏にあげるのぉ?んふふふふ♡ 」

「 …何円ですか? 」

「 いいわよ、あげる。値段決めてないしっ。 」

「 そうですか、ありがとうございました。 」

──カランカラーン♪

店を出て私は思った。

( うざさは変わらないけど、少しありがたいと思えた。 )

そう思いながら、私はオレンジブロッサムの花束を抱えながら
もう一度、香理奈の病室へと尋ねた。

──コンコン。

「 はぁい、どうぞ。 」

「 っ!!!! 」

今の甘ったるい声…、まさか…。
え、嘘、もう…?もうあの子に情報が…? 

───ガラッ。

「 どうしたの…?入らないの? 」

「 っ…!!! 」

長谷川…玲奈ちゃん…。

「 ? 」

「 は、入るよ。 」

私は玲奈ちゃんを押すかのように、入った。
花瓶の中を見ると、もうすでに花が添えられていた。
…それはまるで、香理奈を刺激するかのように添えられた花だった。

「 …薔薇 」

「 ああ、綺麗でしょ?隣の花屋で買ってきたんだぁ♡ 」

「 …香理奈ってさ、薔薇嫌いじゃなかったっけ? 」

「 えぇー!?嘘ぉ!? 」

わざとらしく、両手で口を覆う。
まさかこの子、ワザと…薔薇を添えたのか…?

待てよ、あの時…香理奈が告白をOKしようとした瞬間入って来たってことは──
玲奈ちゃんは告白を聞いていたっていう事になるのか───?

「 どうしたのぉ? 」

「 …… 」

双子の妹とはいえこの子…恐ろしいな。
玲奈ちゃん可愛い顔してやる事昔からエグかったもんなぁ。

「 きゃあ~♡その花可愛いねぇ♡ 」

「 え?あぁ、オレンジブロッサムって言うんだけど… 」

「 へぇー、珍しい花だねぇ!! 」

「 うん、なんか香理奈のイメージってオレンジだからさ…。これがいいかなって 」

「 えー?そう?香理奈のイメージがオレンジとかありえなぁーい。 」

「 え? 」

その時の玲奈ちゃんの目は…あきらかに怒りが表されていた。
そして、その矛先はずっと香理奈のほうを向いていた。

※実話ではありません(続く)

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2013/08/14 03:18
やっぱり女はあなどれん‼w
これを見た男性の方、

女性は怒らせちゃこわーい生き物ですよ?w
アバター
2013/07/24 19:04


ごめんなさい、
とても気に入ってて…(;゜∀゜)



アバター
2013/07/24 15:19
女って怖いですね!!

続き気になります



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