「クラシックに恋をする」
- カテゴリ:自作小説
- 2009/08/08 22:49:24
すごいすごいすごい!
まるでたくさんの楽器から溢れだす音色たちが、絡み合って一つになって、そうしてこの空間を自由に飛び交ってるみたい!
見学として訪れた高校の管弦楽部の演奏に、私は一瞬で虜になった。
曲目はあの有名な「ファランドール アルルの女」
情熱的で、でも切なくて。ヴァイオリンの音が体育館に凛と響く。
クラシックなんて、古臭く、聴いてれば眠くなる曲だとばかり思ってた。
でも違った。
クラシックは、こんなにも私を魅了してやまない。
一瞬一瞬のハーモニーが、私の胸を躍らせる。
こんなにも、聴いてて楽しいなんて!
私は目の前の演奏者達を食い入るように見つめた。少しでも目を逸らしたら、この最高の高揚感を逃してしまいそうな気がする。
クラシック……。
もっと、触れたい。もっと、感じたい。
どうすれば、クラシックに近づける? こんな風に、クラシックと一つになれる?
私から、近づかなきゃ……。
もともとピアノを習っていた私。
楽譜は自分が好きだったジャズ系統のものから、ばっさりとクラシックに変えた。
手始めにファランドールの楽譜を買い、夢中で鍵盤をたたいた。
つっかえつっかえ弾き、そうして1ヶ月練習すれば暗譜でこの曲を奏でられるようになった。
毎日練習した甲斐がある。素直に喜んだ。
でもまだ足りなくて。弾き足りない私は次々と様々なクラシックに手を出した。
そうして、二十年が経って――――
赤いドレスを身に纏った私に向けられるのは、まばゆいカメラのフラッシュと記者のマイク。
「優勝おめでとうございます。今回のピアノクラシック大会では、素敵なファランドールを演奏なさいましたね。弾き終えた感想は?」
「二十年前、私を魅了したこのクラシックをこのような形で弾き終えた事を、嬉しく思います」
私はまだ、クラシックに恋をする。
たまにはピアノのコンサートでも行きたいわ・・・
最近では牛牛(にゅうにゅう)くんの演奏に驚愕したけど、(ホントに子供か!!ちっさいオジサンじゃないのか???) 好きなのはフジコ・ヘミングなの。。いつか生で聴きたいな~~。。
結局何も実になってない自分と比べてしまいました。
中学とか、あの頃の情熱は一体何処へ消え去ったのか?
考えてしまいましt・・←