Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ストロベリーラブ *9話*

斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪いかけているらしい。
─────────────────────────────────────
第九章 『振り絞る勇気。』

一時間目がようやく終了し、私は急いで保健室に向かった。
香理奈の隣には、手を強く握り締めている宮木君の姿───。

「 宮木君…、どう?香理奈。 」

「 いや、まだ目覚まさない。 」

「 …そうかぁ。 」

私はそう呟き、隣の丸椅子に腰をおろした。
安らかに眠っているように見える香理奈の姿…。
なんだか、もう別世界にいる人に見えてしまった仕方がなかった。

「 …香理奈、絶対目覚ましてよね。 」

思わずこぼれてしまった言葉。
私の気持ちを察したかのように、宮木君も呟く。

「 …そうだなぁ。 」

そして、私達の気持ちに気づいたかのように香理奈の睫が動いた。

「 あっ…、香理奈…。 」

香理奈はゆっくりと目を開けた。

「 …あれ、苺華? 」

香理奈は頭を抱えながら、必死に体を起こした。
そして、宮木君の姿に気づいたみたいだ。

「 うわっ…! 」

驚き、そして恥もあった香理奈はまた布団にもぐった。
宮木君はそんな姿を見て笑い、そして言った。

「 長谷川、本当に良かったよ。目覚ましてくれて。 」

「 へっ…?/// 」

香理奈も布団から顔を出し、そして赤面する。
…二人はいい雰囲気に包まれた。どうやら私はお邪魔みたい。

「 じゃ、私はこれで~♪ 」

「 え、苺華… 」

「 じゃっ♡ 」

私はベッドのカーテンを閉めて、保健室から出た。
…なんだか少し心細い気もする。…でも、香理奈の幸せそうな顔を見ると──
そんな気持ちも吹っ飛ぶのだ。

「 よしっ、じゃあ私は教室にっ…… 」

「 斉藤っ……! 」

「 …えっ? 」

低くて、ものすごく安心するこの声…。
振り返ると、そこには大好きな彼が立っていた──。

激しく、息を切らしながら──

「 ど、どうしたの? 」

尋ねると、彼は顔を真っ赤にして言った。

「 そ、その…。大丈夫? 」

「 え…?何が? 」

「 …第二理科室入ったんだろ?毒ガス事件があった… 」

「 あ…、うん、大丈夫… 」

まさか、わざわざ心配してここまで走ってきてくれたの…?

「 …そっか、ならいいんだ。 」

彼はそれだけ言って、背を向けて帰っていった。
…大きくて、大好きな背中。

今すぐ抱きついてしまいたい…、大好きな…背中。

「 …日、村っ… 」

今なら言えるかもしれない…
その優しく振り向き、見せる笑顔に向けて…

「 何? 」

言えるかもしれない…

「 …あのね…あの…私ねっ…日村のことっ… 」

言え…、言え…、言えっ…!!!

「 好き。 」

「 えっ……? 」

※実話ではありません。(続く)

アバター
2013/07/21 09:38
続きすっごく気になります!
アバター
2013/07/20 21:38
告白しちゃった♡

どうなるんでしょう!



月別アーカイブ

2019

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009


Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.