■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(32)
- カテゴリ:その他
- 2009/08/08 17:06:11
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|四 (4)
けれども吾人がこゝで論究せんとする輓近の自然主義は、此の上に尚幾層の曲折を加へたものである。例ヘば夫のアムプレッショニズム即ち印象派と呼ばれる一派の畫風の如きが、此の曲折ある自然主義を代表する。恰も文學でワーヅワース等の自然主義とゾラ等の自然主義とに單複の差ある如く、繪畫でもテオドール、ルソー。コロー等の自然主義とマネー。モネー等印象派の自然主義とに單複の差がある。
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*註1:けれども吾人が
原本では文頭は前ページの文末より改行なしでつづいている。
*註2:輓近
「近」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
*註3:此の上に尚
「尚」の旧字体。「ナオガシラ」が「小」。
*註4:幾層
「層」の旧字体。「曽」が「曾」。
*註5:畫風・繪畫
「畫」の俗字(一説に本字)体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/ga_kaku.jpg
*註6:文學
「文」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/bun_aya.jpg
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■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html
■このテキストの原本は国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」収録の「近代文芸之研究 / 島村抱月(滝太郎)著 早稲田大学出版部, 明42.6」の画像データに依っています。
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/871630/1
(2015/02/05/初校)