ストロベリーラブ #7
- カテゴリ:自作小説
- 2013/07/18 19:37:23
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪いかけているらしい。
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第七章 『甘い練乳に包まれる』
「 …へへへ…デヘヘヘ…/// 」
「 気持ち悪っ… 」
「 っ!//// 」
私は背後に香理奈がいる事を知らず、朝の通学路で恥をかいた。
香理奈は本気で顔を引きつらせ、ドン引きしている様子だった。
「 香、香理奈…、いたんなら声かけてよ。 」
「 …はぁ?元から今したけど? 」
「 …!?/// 」
そして、再び私は赤面した──。
昨日のメールで舞い上がりすぎたか……。
「 …ま、いいけどさっ。なんかあったってのは顔に出てるし。 」
「 …またそうやって恥をかかそうとするぅー… 」
「 してない、あんたが勝手にかいてるだけでしょーが。 」
「 もー! 」
「 ハハハッ 」
いつもの日常的会話を交わしながら、学校に到着した。
香理奈は大きく伸びをして、笑顔で言った。
「 今日も頑張ろうねっ!お・た・が・い♡ 」
「 ~~~~!/// 」
また私は何もいえないまま、ただただ赤面した。
そんな私を見て笑いながら、香理奈は教室に向かった。
私も後を追うかのように教室に向かった。
「 …あ、宮木君だぁ~♡ 」
香理奈が声を変えた。
だが、次の瞬間、香理奈の視界に入ったのは──…
「 …え。 」
別の美人女子としゃべっている彼の姿だった──。
香理奈は涙目ながら、笑顔で言った。
「 あっ、あははっ、あるあるこーゆーの。でもこーゆーので凹んでたらダメ! 」
そう言って、明るくピースした。
まるで私に”大丈夫だから”と合図を送るかのように──。
なんだかそんな姿を私は見ていられなかった。
美人な茶髪女子としゃべっている宮木君を今だけ殴りたくなった。
「 …香理奈。 」
「 ごめん、どいて? 」
「 …? 」
振り返ると、そこに立っていたのは…
「 ! 日村! 」
日村一樹だった。
ポケットに手を突っ込みながら、棒立ちしている。
「 ひ…むら… 」
私は日村の腕を掴んで言った。
「 来て! 」
「 は? 」
日村は目を点にしながらも私についてきてくれた。
4階の階段…まったく人気のないところで私は聞いた。
「 宮木君って付き合ってるの?あの茶髪女子と。 」
「 茶髪女子って誰?多すぎてわかんねぇんだけど。 」
「 ああ、えーと、名前はぁ~… 」
「 あ、でも茶髪女子で以上に仲いい子は知ってるぞ。 」
「 え!?嘘、誰!? 」
日村は小さく手招きをして、”もっと近づいて”と小声で言った。
「 う、うん/// 」
私は少し顔を赤くさせながらも、耳を近づけた。
そして、聞いたんだ───。
「 長谷川香理奈。 」
「 え!? 」
「 シーッ。 」
「 あっ。 」
私は両手で口を塞ぎ、もう一度小声で尋ねた。
「 本当に…?香理奈が…? 」
「 信じられないのか? 」
「 い、いやぁ…。だってあの時しゃべってたのは違う茶髪美女── 」
「 功、最近長谷川の話良くしてるぜ? 」
「 う、嘘っ/// 」
「 うん。マジマジ。 」
「 … 」
私は嬉しくて、嬉しくて、舞い上がった。
私は日村に一礼をして、帰ろうとした…のだが…
「 待って。 」
「 へ? 」
日村は優しく私に微笑んで言った。
「 昨日メールありがとう 」
「 っ!/// 」
私は一言も言わずに頷いただけで、そのまま帰った。
だが、言葉ではあらわせれないくらい嬉しかったのだった。
※実話ではありません(続く)
続き楽しみです!