ストロベリーラブ #5
- カテゴリ:自作小説
- 2013/07/15 15:21:05
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪いかけているらしい。
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第五章 『やっとGETした大事な物』
「 …苺華?どうしたの? 」
「 ……… 」
「 苺華ぁぁぁぁあ! 」
「 うっひゃあ! 」
香理奈の大声で別世界から連れ戻された──。
「 何ポケーっとしてるの? 」
「 ぇ、その、別にぃ…/// 」
別に何も無い…ワケがない。
昨日のあの大雨の時…私に差し出してくれた真っ黒な傘…
忘れられないあの低くて私の心に染み込む優しい声──。
「 ……んふふっ 」
「 …な、何笑ってるの?気持ち悪いっ。 」
「 え!な、何が!? 」
「 …はぁ。重症だね、こりゃ。 」
香理奈は深い、深いため息をついた。
不思議そうに首をかしげると、またため息をついて──…
「 はぁ、あんたさあ…、恋してるって認めた? 」
「 えぇ…、そ、れは…/// 」
「 あー、もう!ムカツク!いい加減認めなさい! 」
「 ぐ、ぐへぇっ! 」
私に怒鳴りつけた香理奈は、勢いよく私の胸倉を掴んだ。
その時の香理奈の目はまさに鬼そのものだった……。
「 ご、ごめん!認めるからぁっ! 」
私は両手を挙げ、”参った!”と、合図を送った。
それを確認した香理奈は大きく頷いて、笑った。
「 それでよぉ~っし! 」
そう言って、また大きく高笑いした。
「 へ、へへへっ… 」
私はその姿を見て、ただただ同じように笑う事しかできなかった。
もちろん、苦笑いで…だが。
―学校到着―
「 …あ、ねえ!苺華! 」
「 …? 」
突然大きな声を出し、私の腕を引っ張る香理奈。
息を荒くして、見つめてる視線の先はもちろん、あの二人。
「 今日もいるよー! 」
「 いやいや、当たり前でしょ。 」
「 なんでそんな冷静なわけ~?メアドは聞けたのかなぁ? 」
ニヤニヤしながら言ってくる香理奈。
きっと察してるんだろう、私がメアドを聞いていないという事を…
く、くそう、なんだか悔しいなぁ。
「 …メ、メアドか。 」
そんなの恥ずかしすぎて聞けるワケないでしょーがっ!!
って言いたいところなんだけど、やっぱり聞かなくちゃ始まらないもんなぁ…
「 よ、よっしゃ!言ってく… 」
キーンコーンカーンコーン♪
「 ああ!いいところで!じゃあ、また後で聞いてきな! 」
「 う、うん… 」
私はなんかしっくりこなかったけど…。今はチャイム通り動くしかない。
私達は教室に向かった。
─────ガラッ。
教室に入り、席に着き、いつも通り授業を受ける日常は始まった──。
…だが、いつも通りで終わらしてはいけない!今日、革命を起こすんだ!
―休み時間―
「 おっ、おはよ~、苺華ちゃん!香理奈ちゃん! 」
この休み時間、向こうから話しかけに来てくれた。
「 おっ、おはよぉ♡宮木くぅんっ♡あ、日村君も! 」
「 どうも。 」
今日も相変わらずiPhoneをいじっている日村。
…もしかしたら、今がチャンスかもしれないっ!!!!
「 あの!日村君! 」
「 は、はい? 」
「 メ、メ…… 」
「 メ? 」
私は口がガタガタ震えてなかなか言い出せそうにない…。
でも、でも、このまま終わっちゃうのは…さすがに…嫌だっ!!
「 あの!!メアド!!聞いても!!いいですか!? 」
「 っ!? 」
「 ……あ。 」
力みすぎて、大声になってしまった…。
「 あ、ごめんなさい!その、あの、嫌だったら…… 」
「 いや、嫌じゃないよ。別にいいよ。 」
と言って、普通にメモに自分のメアドを書いてくれた。
そして、さらりと書いたメアドを涼しい顔をして…
「 はい。 」
と、渡してくれた。
「 あっ、ど、どうも!じゃあ、メール、します… 」
なんかあっさり行き過ぎて、驚きを隠せない。
だが、隣で香理奈は親指を立てて”Good!”という合図を送った。
「 っ!/// 」
やっと気づいた。
私、スムーズに成功したんだ!と…。
「 ~~~//// 」
その後、必死に真っ赤になった顔を隠した。
だが、きっと嬉しさは隠しきれてなかっただろう。
※実話ではありません(続く)