ストロベリーラブ #2
- カテゴリ:自作小説
- 2013/07/11 20:18:26
主な登場人物
斉藤苺華…特に何もない平凡な女子。この春、初めて恋という存在を知る事になる。
日村一樹…同じクラスになった。苺華の心を奪う。クールに見えるがそうでもない。
長谷川香理奈…かつて苺華と仲が良かった女子。今回のクラスで偶然再会を果たした。
宮木功…イケメンだが、バカ。香理奈の心を奪いかけているらしい。
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第二章 『真っ赤な果実を食べた瞬間...』
「 ──で、あるからして… 」
「 ふ…わあぁぁぁあ 」
毎回、毎回思うけど、校長先生の話ってすごく長い…。
つい、欠伸が何度も出て寝てしまいそうになってしまう。
「 ちょっと、苺華!こんな時に欠伸してたらヤバイよっ!? 」
背後から小声で声をかけてきた香理奈。
「 うん、ごめん…。でも話長いからさぁー… 」
「 コラッ、そこ!ダメでしょ?しゃべっちゃあ~ 」
「 はぁ~い、すみませーん 」
私達を叱りに来たのは、24歳でなんかマドンナ先生とか言われている一条玲菜先生。
ちなみに、これは「れな」じゃなくて、「れいな」だ。
「 斉藤さん?反省しているのかしら? 」
「 してます、してまーす 」
「 もぉっ、してなさそうぅ~ 」
( イラッ…… )
私は一条先生が大嫌いだった。
…なんか仕草とか口調が私の大嫌いな女子に似てるししかも…
「 先生、怒っちゃうぞぉ~ 」
「 ……はぁ? 」
…そうそう、コレが嫌なの。
24歳だろ?24歳が中学生に向かって両頬膨らまして「怒っちゃうぞぉ~」ってなぁ。
…ちょっと無理があるだろ。
「 聞いてるの!?斉藤さ~んっ 」
「 はい!聞いてますよっ!! 」
「 一条先生うるさい! 」
「 ぇ…、あ、すみません~… 」
上山先生…、いわば一条先生が上司に怒られた。
思わず噴出しそうになったが、グッ…と、こらえて我慢した。
「 苺華、笑わない 」
「 あ、ごめん 」
「 じゃあ、始業式を終ります 」
「 あ、やっと終わった 」
私達は先生の指示に従い、教室にゾロゾロと帰っていった──。
―教室に到着―
「 はーい、じゃあ担任と副担任紹介しますよーっと 」
「 ……… 」
気になる斜め前の席の人…。
さっき…私の横を通りすがった瞬間、私の新しい感情に触れた人…。
その感情とやらをうまく表現できないが、確かに新しい感情だったのだ。
「 じゃあ、まず担任の木ノ下忠義。んで、横にいるのが皆大好きな… 」
「 はぁ~っい♡一条玲菜で~すっ♡まだまだ若い24歳でーす! 」
「 ……… 」
「 おおおおおおおっ!一条先生じゃぁ~んっ 」
男子の声で読み取れるテンション…。
こんな先生のどこがいいんだか。
「 ちょっと、今”どこがいいんだか”とか思ったでしょ? 」
また背後から背中をつついてきた香理奈。
「 なんでわかったの…? 」
「い や、もうわかるよ。でもそんな顔しちゃダメだよ? 」
「 ……ぅ 」
「 あぁ~、コラ、またそこ!お話中だぞっ 」
( …ウ、ウザァ… )
「 は、はぁ~い、すみませ~ん… 」
私は苦笑いで対応するしかできなかった。
…担任の木ノ下先生は、一条先生を見て鼻を伸ばすのみ、か。
やれやれ、なんてクラスなんだここは…
それに…斜め前には謎の男子もいるしな…。
「 じゃあ、連絡終わり!帰っていいぞ~ 」
「 さよならぁ~ 」
ゾロゾロと、教室から出て行った。
だが、教室には4人、残った。
「 …香理奈? 」
「 あっ、ごめん!いや…、かっこいいなぁ~って、あの子 」
香理奈が指差す先には、イケメンと囁かれていた宮木功。
「 あぁー、そう 」
イケメンねえ…、イケメンってなんかうさんくさくない?
それより…その隣で笑ってる男子が気になるんだけど…。
「 あはははっ、やめろよー、功 」
─────ドキッ!
「 あははっ、じゃれあってるね~…。…?苺華? 」
「 っ…… 」
まただ…、初めて触れられた感情…。
彼の笑顔を見て、感じた感触…
このとき、私は初めて気づいたんだ。
真っ赤な甘酸っぱい果実を口にしてしまったんだ…と。
※実話ではありません(続く)

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- *aiko*
- 2013/08/14 02:52
- 続きが気になります❤ドキドキ
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