ストロベリーラブ *1話*
- カテゴリ:自作小説
- 2013/07/10 22:52:16
私の恋の始まりは、始業式だったよね。
君は気づいてくれてないかもしれないけど…。
私の今の恋を食べ物で例えるなら、まさに甘酸っぱいストロベリー…。
君への想いはストロベリーラブ。
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「 ほらっ!起きて!苺華! 」
「 んん~…、もう少しだけぇ~… 」
「 ダメ!!今日は始業式でしょ!?春休みボケするんじゃない!! 」
「 ムゥゥゥゥゥウ… 」
私は嫌々重たい体を起こし、リビングに足を運んだ。
まだパジャマのままで、顔を洗い、朝食をとった。
「 ほら、苺華。制服に早く着替えなさい。間に合わないわよ? 」
「 もぉ、わかってるよー… 」
口うるさく言う母のいう事を聞き、私は制服に着替えた。
名札も着けて、髪も整えて、ピン止めもとめた。
「 じゃあ、お母さん。行ってくるねー 」
「 忘れ物しないようにね~ 」
「 はーい 」
…ガチャ。
「 ウッ 」
コンクリートのドアを開けると、そこには眩しい一筋の光が目に入った。
目が痛かった…。今日はいい事がなさそうだなと思った。
( まあ、もともといいことなんてないんだけどね… )
実は、春休み前から私は人間関係がうまくいっていなかった。
友達とも離れ気味だし、なんだか上辺だけの付き合いだったってのが見え見えで…
なんだかこの世界自体、うんざりしていたのだ。
「 …はぁ 」
ドラマみたいな恋とかできたら…、こんな時でも病まないのかなぁ。
…まあ、私は恋にそんな力があるなんて思っちゃいないからね。
「 っとやばいやばい、遅れる 」
私は小走りで学校に向かった。
―学校に到着―
タッタッタッタッタッタッタッ……。
「 はぁ、はぁ…。間に合ったぁ~… 」
時間はまだ余裕がある、8時20分だった。
もう少し遅くても良かったんじゃないかと、少しだけ後悔した。
「 …んっ? 」
目に入ったのは、ある場所に固まり、集まる女子のグループ。
なんやら楽しそうに話し合い、笑い合っている。
…でも、女子がああいう風に話してるときって大抵、悪口なんだよなぁ。
特に、あの辺の女子からはよく聞こえてくるし。
「 キャハハハッ…。…ん? 」
笑い途切れ、私を見たのはよく悪口を漏らしている女子。
「 あらぁ~?苺華じゃなぁ~いっ 」
「 はは、おはよー 」
思い切り棒読みで返した。
この子の話し方…、なんかワザとらしいんだよなぁ。
「 なあに?その挨拶の仕方~。礼儀なってないんだねぇ~? 」
( それはお前だろっ! )
心の中でツッコミを入れるも、さすがに直接では言えないので…
「 ああ、ごめんね。少し休みすぎで疲れてたみたいで… 」
適当な言い訳を作ってみた。
「 しょうがないわね、許してあ・げ・る♡ 」
( ウザッ! )
…と、また心の中でツッコミを入れた。
「 おーい、個人の教室に移動しろよー 」
「「 はーーーい 」」
( 私も自分のクラスに行こうっと。 )
自分のクラスに移動した。
―教室移動―
( うぅーん、3年3組かぁ。仲がいい子はいないのかな? )
私は周りをキョロキョロと、見渡した。
すると、視界に入って来た女子は昔仲が良かった子。
「 …香理奈 」
「 苺華…? 」
「 わ~!!久しぶりだね~!! 」
「 うん!!久しぶり~!! 」
私達は手と手を合わせあい、再会を喜んだ。
最近…、会えてなかったからなぁ…。
「 3組だったんだぁ~ 」
「 うん 」
「 じゃあ、一緒に行こうか!!業式 」
「 うん、行こうか!!! 」
私達は教室に出た…その瞬間っ…
─────フワッ…
「…っ!!!」
通りすがりに初めて触れられた感情…
「 …? 」
振り返ると、そこには見たことない男子…。
「 … 」
その時はあまり気にならなかったが、まさかその後から私の恋が始まるとは…
この頃はわかっていなかったのだ。
※実話ではありません(続く)