Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


I love you ~読み切り~

「君が好きだっ…」

「えっ!?」
「…付き合ってくれ…」
「は、はい///」

…なーんてのはドラマの話で、こんなの現実で受けた事ないし、やった事もない。
…私、加藤舞華はただいま絶賛片思い中で、進展も大きくは望めない私。
ピッ。
リモコンに手を伸ばし、私はTVの電源を切った。
「はぁ」
恋愛ドラマを見た後には、必ずため息が出てしまう──。
再放送のこの恋愛ドラマ…何度見てため息をついた事だろうか。
「…5時かぁ。何しよーかなぁー」
私は大きくイスに座り、伸びをした。
家には誰もいない。姉は仕事、母も仕事、うちの家には父がいない。
「さてと、ゲームでもしよかな──」
────ガチャ。
「ただいまぁ~、舞華、手伝ってぇ~」
「ゲェッ…」
母が大きな荷物を抱え、息をゼェゼェと切らしている。
「…あぁ~あ、買いすぎちゃったわぁ~」
「は、はぁ…、本当に買いすぎ…たね」
私は荷物を冷蔵庫まで運び、またイスに座った。
「ちょっと、手伝いなさいよ!冷蔵庫に入れて!」
「ごめん、忙しいからぁ~」
「あ、ちょ、舞華!」
私は部屋に猛ダッシュした。
────ガチャ。
「危なかった…、手伝わされるとこだったよ…」
部屋で私は胸をなでおろし、机の前に座った──。
「ふぅ、落ち着くわ~」
私はまた大きく伸びをした。
「……はぁ」
私は机に塞ぎ込み、こんな事を考え込んでいた──。
私の片思い中の恋が、もし片思いじゃなく、両思いにになったら…?
そして…もしこの片思いが…儚く散ってしまったら…?
「っ…」
儚く散る未来を考えただけで、ゾッとした。
こんなの初めてだ──。
だが、初めてだからこそ、分からない事だらけなのだ。
「…今日は七夕か」
小さな窓に向かって、私は願った。
(彦星さま、織姫さま、私と彼が結ばれますように…)
手を精一杯にぎりしめ、必死に願った。
この願いが叶えば…いいんだけど…なぁ…。
「……」
明日が来るまで、不安だ。…そして、楽しみも少しある。
彼との進展があるかもと期待しながら行っているからだ。
大好きな…君と少しでも距離を縮めたいから──。


ー翌日ー
「行ってきます~」
「いってらっしゃい~」
翌日の朝…、天気は絶好の晴れ!
なんだかいいことがある予感がした──。
軽い足を浮かせながら私は学校に向かった。
「おはよー!」
学校に到着すると、聞こえる挨拶。
「おはよー、留美」
「舞華…、なんだか今日すごい顔明るいねえ?」
「そうかな?普通だと思うけど?」
「…えー、なんか違うー」
「そ、そう?…あっ」
「え?」
留美は私の視線を追い、そしてその先には───…
「え?高島?」
「…あ、いや、いきなり教室に入って来たからビックリしたっていうか…」
「…?それだったら今松下とかも入って来たけど?」
「ゥッ…」
「…え、嘘、まさかそーゆー事?」
「ち、違うよ!!!」
「…ふぅん」
留美が納得したのかは知らないが、とりあえずこの話は終わった。

ー放課後ー
「…はぁ」
掃除をしながら私は、ため息をついた。
なぜかというと、まったく進展が今日はなかったからだ。
やっぱ七夕なんて、名前だけなのかなぁ?
「…あ、あのさ、加藤!」
「…?…え!?」
振り向くと、そこに立っていたのは片思い中の彼…
「これ」
渡されたのは小さく折りたたんだ手紙
「…えぇ?」
「じゃ、そーゆー事で」
「え!?」
彼は強引に鞄を担ぎ、帰っていってしまった。
「う、嘘でしょ…?この状況で…?」
私は戸惑いながらも手紙を開け、見た。
「っ!?//////」
そこにつづられていた言葉たちは、ずっとずっと私が望んでいた言葉達…。
「ありがとう」「大好き」「ずっとそばにいてほしい」…私も言いたかったんだよ。
「…ね、ねえ!」
「?」
帰りそうになった彼を止めて、私は言った。
「ありがとう!わ、私も…大好き!」
「…!///」
さっきの言葉は訂正。
七夕は名前だけなんかじゃない、最高のイベントなんだ。
ありがとう、彦星様、織姫様。そして…ありがとう、高島。

※実話ではありません。

アバター
2013/07/08 21:40
ブログ広場からの訪問です。

すごいです!七夕にちなんで書いているっていうところも魅力的でした。私も恋したいです><
aichaさんお気に入り追加です^^友達申請受け付けていないようなので、
aichaさんが小説ブログ更新したらお気に入りから飛んできます!!

あ・・・すみません、迷惑でしたら言っていただいて構いません(ーー;)
アバター
2013/07/07 21:05
いえいえ、すんっごい感動したので!
勝手にコメントしてしまいすいませんでした;
アバター
2013/07/07 18:10
広場から失礼します><


いやー・・・
恋したいですね~w

ってか、物語作るの上手ですね!
意味不明なところもないですし・・・
本当にすごいと思います!
アバター
2013/07/07 14:49
わたしも、そんな恋してみたい!
でも、向こうには彼女がいるっていう…。

しかも、美男美女カップル…;


ステキな小説でした。

広場から失礼しました。



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