Nicotto Town


グイ・ネクストの日記帳


兄と妹2


「うがぁあああああああ」と、オレはコブシを握り、エルシャに向かって動いた。

オレは一歩も動けていなかった。

動いた。と、思っただけで…エルシャに気合負けしていた。

今までと逆だ。

悪鬼羅刹と、オレを恐れ、動けない敵はいくらでもいた。


気合負けなど一度たりとてしたことがなかった。

そんなオレが…妹の放つ不思議な気に気合負けした。

「一歩も動けないんだから…私の勝ちだね。」

「ああ、お前の勝ちだ。オレは…悪鬼羅刹で、殺人者だ。だが…それでも救われたい」

「おかえり、お兄さん」

オレは妹を抱きしめていた。

妹の嗚咽が伝わってくる。

オレも声ならぬ声を上げて泣いていた。

オレは妹のおかげで気づいた。

闇は光だった。と。

自分は光の世界にこれた。と。


完。

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