Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


一歩手前 ~読み切り~

いつだって私はそうだ…。
一歩手前のところで引いてしまう…。
君が隣にいて、話しかけようとするまでに時間をとり過ぎて結局は話せない。
…こんなんでいいのだろうか?毎日自分に問う日々が続く──。
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『今日は、午後から雨が降るでしょう。しっかりと、傘を用意して出勤なさってください...』
「あら、嫌だわぁ。また雨なのねー…」
ダッダッダッダッダッダッダ.....
「ママ、おはよう~」
「あらっ、おはよう、恵美。あ、そうそう。聞いた?今日──」
「わかったわかった、帰ってきてから聞くから!行って来ますっ!」
「ぇ、ちょ、待ちなさい、恵美!」
私の名前は一条 恵美。中学3年生のバリバリの受験生です。
悩み、毎朝、ママの無駄話を聞かされること。これ、正直、まあまあ重い悩みです。
あと…、私にはもう一つ重大な悩みがあるのです──。

それはというと───…

「おはよー、恵美ー」
「おはよう、琳華ちゃんっ」
「で?で?最近どーなのっ?噂の彼とはっ?」
ニヤニヤしながら尋ねてくる私の親友、琳華ちゃん。
噂の彼とは、彼氏ではなく、ただいま片思い中の彼のことだ。
琳華ちゃんにはすべて正直に話し、相談に乗ってもらっている。
「ねえ、聞いてる?どうなのってば」
「え?ああ、まあ…、普通…かなっ」
「ふ、普通?ってどんなんなの?」
「……わかんない」
「はーーーーーっ!?」
これが私達の日常会話。
私が進展があったのか聞かれ、結局、曖昧な返答しかできない。
…でも、しょうがないんだ。曖昧な現状なのは事実だから。
「…ま、答えられるようになるまで頑張りなよ!」
「う、うん…」
「って、あぁ!翔ちゃんだぁ~♡」
「ぇ」
いきなり声が一変した琳華ちゃん。
この子は好きな子の前では少し声が変わってしまうのだ。
クセなのか、狙いなのかは知らない…。
「じゃあ、行くね!翔ちゃぁぁぁぁぁあんっ♡」
「ハハハハッ…」
私はそれを苦笑いで見ることしかできなかった──。
いや、もはや琳華ちゃんってすごいなぁと思った…。
あそこまで好きだってアピールできるなんて…ある意味尊敬だ。
ほかの女子からは嫌われているが、私は琳華ちゃんが好きだ。
「…あれっ」
ふいに目を前にやると、そこに立っていたのは彼…。
少しハネた前髪を強引に手ぐしでまとめながら、歩いてくる。
どうしよう?話しかける?挨拶する?…心の中で葛藤が続く──。
だが、こんな葛藤を時間が待ってくれるワケもなく…
「あああっ…」
彼は、私の元から去っていった。
「トホホ…」
結局話せず、また時が過ぎて行ってしまった。
本当に情けない…バカみたい…。
「はぁ」
結局こうやって、後悔するんだもんなぁ、私。

キーンコーンカーンコーン♪
「あっ、やば、予鈴…」
駆け足で、教室に向かった。
そして、時はいつも通り過ぎて行き───
放課後の掃除後…
「あの、一条…。ちょっといい?」
「え?ああ、うん。いいけど…」
驚いた…。突然、彼から話しかけられた。
「うん、じゃあ。ちょっと来て?」
「は、はい」
私は言われた通り、彼についていった。
そこは体育館の裏だった。
涼しい風が気持ちいいちょうどいい気温の日…
「あ、あのさぁ」
「は、はい」
「…好きな人とかって…いる?」
「え!?」
突然の彼からの質問に驚いた私──。
ここで…、勇気を振り絞らなきゃたぶん永遠後悔する。
「…い、いるよ。…その、め、の…ま…ぇにぃ…」
「…え?」
「…あ!その!なんでもなっ…」
「お、俺も…」
「えっ…!?///」
「…////」
「そ、その…、私でもいいの?」
「…俺は一条の事見てたから、わかるよ。」
「…っ!」
その言葉に私は心をまた打たれた。
…永遠に幸せにしたい、それに、愛されたいし、愛したい。

ずっとずっと、大好きだよ。

※実話ではありません。

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2013/07/02 20:23
恋が実って良かったー!

あいちゃんの小説っていつもドキドキする(*´∀`*)




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