右斜め45℃の恋視線 ~読み切り~
- カテゴリ:自作小説
- 2013/06/27 18:28:30
大好きな人に私が送る視線の角度、それこそが右斜め45℃。
…いつも君の横顔しか見えないけど、それだけでも幸せなんだ。
君に送る視線、私の気持ち、きっと君は気づいてないだろう──。
自分に自信がない私は、このくらいしかできない…。
勇気を振り絞ってみても…、満足に届いたなって思えてない私──。
この気持ち、どうしよう……?
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キーンコーンカーンコーン.....♪
「あ、チャイム鳴ったー。じゃあまた、後で来るねー」
「はいよぉ~」
席が離れた友人の元から戻り、自分の席に着いた。
そして、君も自分の席に着く…。
そう、私の右斜め45℃の角度に座る──。
「……」
お互い話しかけず、話しかけられもせず、ただただ私が一方的に見ているだけ。
君に届け、届けと願ったって結局は振り向かれないのがオチだから。
…でも、諦められないのも現実。
迷宮を行ったり来たりしてさまよってるみたいな日々。
正直に言って、もどかしい日々だ。
何もできない自分に腹立つし、逆にチャンスが巡っても何もできない…
なんなんだ、自分は…、何がしたいんだろう…?
「フゥ…」
お得意のため息…。毎日、朝だけで何回しているんだろう…?
数え切れない。…というか数えられないほど自然に出ているものだ。
(今日も、何もできないのかなぁ.....)
そんな事を考えながら、一日を過ごす日々──。
そして、そんなひょんな時…
「俺のほうがテストの点よかったぜー!」
「いやいや、私のほうがー…」
「あ、じゃあお前は何点だったっ~?」
「え、俺ぇ…?」
「っ…!」
チャンスとは、不気味なほど自然に舞い降り、
そして自分で掴むまではチャンスと呼べない。
…私はそれをこの瞬間、学んだ。
「…そ、そうだよ。何点だったの?」
勇気を振り絞って尋ねてみる。
…この言葉だけでも私に取っては大胆な行動なのだ。
だが、君はそんな質問にも優しく微笑みながら──
「ん~…、俺は…70点くらいだったけど…」
「…は、はぁ…、頭いいね」
その言葉を返すように君はニコッと笑った。
ドキッ……。
心臓が破裂するかと思った──。
こんな心が吸い込まれる笑顔に出会ったことがなかったから…
ふと、思ってしまう…
毎日、この笑顔を隣で見られたら…と。
願っちゃいけない事なのかもしれない…、叶わないものなのかもしれない…
でも、願ってしまう。
これが…、恋なんだ…。
今まで、私がしていた恋がどれだけ軽い物かわかった──。
「好き」で、「片思い中」とか言ってたけど…、そうじゃなかった。
…「好き」ってこういう事なんだ。
―ある日―
ザァァァァァァァァァアッ......!!
「やだ…、雨だぁ…」
「持って来てないの?」
「いや、まあ…、持って来たっちゃ持ってきたけどぉ…」
私の傘は新品で、朝、コンビニでどうこうしてるうちに盗られた…。
こんなの、友達に話せば心配させるだけだし…
「まっ!大丈夫でしょ。んじゃーねー!」
「う、うん…」
私は大雨の中、小走りで帰った。
荷物が重くて、重くて、走る気力なんてなかった。
だが、走った。雨に濡れないために──。
───そんな時。
「あれ?山崎?」
「えっ…」
「傘ねぇの?」
「…ぅっ、うんっ…」
「しょうがねーなぁー、入れよっ」
「え?」
いたってシンプルなビニール傘を差し出しながら、”入れ”と合図した。
「…あ、ありがと」
私は恥ずかしさを隠しきれないまま、入った。
ものすごく近い距離…。手を伸ばせば届く距離──。
どうしよう…、今…今だったら…
「あ、あのさぁ…」
「…?」
驚いた事に、先に呟いたのは君だった…
そして、君は…
「…す、好きなんだけど」
私に告白してくれた──、大雨の中…顔を真っ赤にして…。
「えっ…/////」
「~~~////」
私の答えなんて決まっている。
「…う、うん。私も好きだよ」
「ぇっ…/////」
「っ//////」
シャイな二人で、何の進展もないように見えたけど…
実は毎日進展していたのかもしれない。
…知らないところで、私の恋は花を咲かせていっていたんだね。
ありがとう、これからもよろしくね。
-END-
※実話ではありません。
いきなりですみません・・・・・・
一番好きかも(*´∀`*)
頭の中で め~ると♪ が流れ出した
手を伸ばせば届く距離って恥ずかしすぎて死んじゃいそう←
好きな人ねー、私は画面越しだわー