Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


右斜め45℃の恋視線 ~読み切り~

大好きな人に私が送る視線の角度、それこそが右斜め45℃。
…いつも君の横顔しか見えないけど、それだけでも幸せなんだ。
君に送る視線、私の気持ち、きっと君は気づいてないだろう──。
自分に自信がない私は、このくらいしかできない…。
勇気を振り絞ってみても…、満足に届いたなって思えてない私──。
この気持ち、どうしよう……?
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キーンコーンカーンコーン.....♪

「あ、チャイム鳴ったー。じゃあまた、後で来るねー」

「はいよぉ~」

席が離れた友人の元から戻り、自分の席に着いた。

そして、君も自分の席に着く…。

そう、私の右斜め45℃の角度に座る──。

「……」

お互い話しかけず、話しかけられもせず、ただただ私が一方的に見ているだけ。

君に届け、届けと願ったって結局は振り向かれないのがオチだから。

…でも、諦められないのも現実。

迷宮を行ったり来たりしてさまよってるみたいな日々。

正直に言って、もどかしい日々だ。

何もできない自分に腹立つし、逆にチャンスが巡っても何もできない…

なんなんだ、自分は…、何がしたいんだろう…?

「フゥ…」

お得意のため息…。毎日、朝だけで何回しているんだろう…?

数え切れない。…というか数えられないほど自然に出ているものだ。

(今日も、何もできないのかなぁ.....)

そんな事を考えながら、一日を過ごす日々──。

そして、そんなひょんな時…

「俺のほうがテストの点よかったぜー!」

「いやいや、私のほうがー…」

「あ、じゃあお前は何点だったっ~?」

「え、俺ぇ…?」

「っ…!」

チャンスとは、不気味なほど自然に舞い降り、

そして自分で掴むまではチャンスと呼べない。

…私はそれをこの瞬間、学んだ。

「…そ、そうだよ。何点だったの?」

勇気を振り絞って尋ねてみる。

…この言葉だけでも私に取っては大胆な行動なのだ。

だが、君はそんな質問にも優しく微笑みながら──

「ん~…、俺は…70点くらいだったけど…」

「…は、はぁ…、頭いいね」

その言葉を返すように君はニコッと笑った。

ドキッ……。

心臓が破裂するかと思った──。

こんな心が吸い込まれる笑顔に出会ったことがなかったから…

ふと、思ってしまう…

毎日、この笑顔を隣で見られたら…と。

願っちゃいけない事なのかもしれない…、叶わないものなのかもしれない…

でも、願ってしまう。

これが…、恋なんだ…。

今まで、私がしていた恋がどれだけ軽い物かわかった──。

「好き」で、「片思い中」とか言ってたけど…、そうじゃなかった。

…「好き」ってこういう事なんだ。


―ある日―

ザァァァァァァァァァアッ......!!

「やだ…、雨だぁ…」

「持って来てないの?」

「いや、まあ…、持って来たっちゃ持ってきたけどぉ…」

私の傘は新品で、朝、コンビニでどうこうしてるうちに盗られた…。

こんなの、友達に話せば心配させるだけだし…

「まっ!大丈夫でしょ。んじゃーねー!」

「う、うん…」

私は大雨の中、小走りで帰った。

荷物が重くて、重くて、走る気力なんてなかった。

だが、走った。雨に濡れないために──。

───そんな時。

「あれ?山崎?」

「えっ…」

「傘ねぇの?」

「…ぅっ、うんっ…」

「しょうがねーなぁー、入れよっ」

「え?」

いたってシンプルなビニール傘を差し出しながら、”入れ”と合図した。

「…あ、ありがと」

私は恥ずかしさを隠しきれないまま、入った。

ものすごく近い距離…。手を伸ばせば届く距離──。

どうしよう…、今…今だったら…

「あ、あのさぁ…」

「…?」

驚いた事に、先に呟いたのは君だった…

そして、君は…

「…す、好きなんだけど」

私に告白してくれた──、大雨の中…顔を真っ赤にして…。

「えっ…/////」

「~~~////」

私の答えなんて決まっている。

「…う、うん。私も好きだよ」

「ぇっ…/////」

「っ//////」

シャイな二人で、何の進展もないように見えたけど…

実は毎日進展していたのかもしれない。

…知らないところで、私の恋は花を咲かせていっていたんだね。

ありがとう、これからもよろしくね。

-END-

※実話ではありません。

アバター
2013/07/03 20:36
私もこんな小説書きたいです//

いきなりですみません・・・・・・
アバター
2013/07/02 20:18
初々しいー、キュンキュンするこの話♥

一番好きかも(*´∀`*)
アバター
2013/07/01 23:37
stpお届け~

頭の中で め~ると♪ が流れ出した
手を伸ばせば届く距離って恥ずかしすぎて死んじゃいそう←
好きな人ねー、私は画面越しだわー



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