Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


ジュエリービーンズ ~読み切り小説~

君と出会って初めて知った味は、
ジュエリービーンズのように甘酸っぱい味でした。
君と出会って初めて知った想いは…
ジュエリービーンズのように甘酸っぱくて、そしてたくさんの想いでした。
様々な色のジュエリービーンズをくれたのはあなただけだよ。

「ジュエリーンビーンズ」 ~読み切り小説~

ジリリリリリリリリ.....

「ん....」

ジリリリリ....リ..、──カチ。

「ふ…わぁあ~…」

朝…、ピンク色のカーテンから差し込む眩しい光と共に起きた。

大きく鳴り響く目覚まし時計を止め、私は大きく伸びをした。

「ふわぁ~…、じゃあ起きようかな」

重い体を持ち上げ、私は1階に降り、洗面所へ向かった。

顔を洗い、うがいをし終わった私はまた2階に上がった──。

「さてと、今日はどんな髪型にしようかなぁ…」

真っ白なドレッサーの前に腰を掛け、前髪を揃えながら呟いた。

私の栗色の茶髪は、頑固なハネッ毛で、なかなか直らない。

「…もぉお、毎朝コレじゃん」

シュッ!!!シュッ!!!シュッ!!!!

水を取り、私は激しく髪に浴びせた。

だが、頑固なハネッ毛はなかなか直ってくれず結局──…

「もういい!いつもと同じ髪型で!」

…という結論に至ってしまう。

そう、いつもの髪型というのはシンプルに放置する事だ。

毛先は見事にハネて、前髪は強引にピン止めで止めている。

毎回、毎回、コレなのだ。

私の憧れは毎朝「今日の髪型はどうしようかなぁ~?♪」と呟き、

可愛いテッペンお団子にするのが夢なのだ。

…が、そんなのも叶うはずがないのだ。

それに、私はショートカットだし、オマケに頑固なハネッ毛…

「さてと、着替えなきゃ」

クローゼットから制服を取り出し、着用した。

白いブラウスに、黄土色のベスト、そして赤チェックのリボンにスカート。

これだけ聞けばすんごく可愛らしい制服で、いい学校と感じるかもしれないのだが…

実は私はこの学校には行きたくなかったのだ…。

この学校は滑り止めとして受けた学校で、まったく興味のない学校だった。

それに、第一印象は最悪な学校だったのだ…

「南~?来ないの~?」

「行くよっ!」

少し荒れた声を上げ、私は下に降りた──。

リビングに、ドッシリと置かれた木製テーブルに置かれた朝食…

トーストに苺ジャムといった王道な朝食だ。

「いただきまーす」

「はい、どーぞー」

母は長細いコップに牛乳を注ぎながら言った。

そして、差し出した──。

「ゴク…ゴク…ゴク…」

大きく音を鳴らし、牛乳を一気飲みし、そして…

「いってきまーす」

茶色い鞄を担ぎ、家を出た。

ブランド物のローファーに、制服、鞄…

別にこんなのが欲しくて高校受験したワケじゃないのに──。

こんなんなるんだったらレベルを下げて受けるべきだったなぁ~…。

「はぁ」

この後悔、あの日から何度したことだろう…

高校受験の合格発表を見たあの日から…何度後悔しただろう──。

C判定だったのにも関わらず、名誉のために私は無理して受けた…。

私の都市の中でトップを誇る高校で、ここに言ったら将来安定だと思っていた。

──だが、それどころではなかった。

今やもう、名誉などと言ってられる高校ではなかった。

まあまあ頭いい高校で、馬鹿にする人は少ない高校だが…

私は消してこんな高校に行きたかったワケではない、これより上を目指していたんだ。

「……」

やめよう、自分の心がズタズタになるだけだ。

今の私に出来る事は、受かった高校に通い続けること。

これだけだ──。

──学校に到着。

真っ白に輝いた私立高校に到着した。

周りの女子生徒は彼氏と腕を組み、新品のローファーを輝かし、歩いている。

恋だなんてしてる余裕あるのか?…そんな事を思ってしまう。

「……」

まあ、所詮人事だし、ほっとけばいいか。

ダダダダダダダダダッ.....!!!

「ム…?」

後ろから聞こえた激しい足音と共に振り向くと──

「うわあああ!危ないぃぃぃい!」

「へっ!?」

ドッカーーーーーンッ!!!!!

「ぃっ....たぁ....」

「ぃてて...わりぃ!大丈夫!?」

「い、いえ…大丈夫で──」

「うわあああああ!」

「ぇ゛…」

男が悲鳴と共に注いだ視線のほうへ向けると──…

「ぅわ…」

コンクリートの地面には様々な色のジュエリービーンズが落ちていた…

だが…、不思議なことに私はそのジュエリービーンズに引き寄せられた。

様々な色に輝かされ、特にピンク色のジュエリービーンズが輝いていた。

「うわぁ~、クソォ…俺のジュエリービーンズがぁ…」

「あっ、ごめんなさい…、私、ボーッとしてて…」

「ん?ああ、いやいや俺が急いでただけだから気にしないで」

そう言い、男は微笑んだ。

「あ、ど…、どうも…」

「ってヤベー!俺行くね!」

「あ…、うん…」

「じゃ!」

シュッ──…

「っ…」

彼が私の横を過ぎ去った瞬間…微かにジュエリービーンズの香りがした…。

(ジュエリービーンズ男…か…)

その日からなぜか私はジュエリービーンズを買うようになってしまった。


──ある日

あの日から買うようになったジュエリービーンズを鞄に仕組ませ、

私は口にリズムに合わせるように放り込んだ。

「んー♪おいしぃ~なぁ♪」

私のお気に入りの味はピンク色のチェリー味。

甘酸っぱくて、大好きな味なのだ。

ダダダダダダダッ!!!!

「ん?」

後ろから聞こえた激しい足音──…

この足音…、前もどこかで…

「うわぁぁぁぁあ!危ないぃぃい!」

「へっ?」

ドッカーーーーーンッ!!!

「ぃったぁ~…って」

「ぃってぇ…って」

「「うわあああああ!」」

私達の悲鳴と共に注がれた視線の先には──

「「ジュエリービーンズがぁ…」」

もちろん、ジュエリービーンズだった。

私達は顔を見合わせ、笑った。

「あ、そういえばこの前君…俺とぶつかった子…」

「あ、うん、そうだよ」

「…そうか、…まさか君と同じ趣味だったとは」

「えっ…」

「ふふっ、ジュエリービーンズ同盟組む?」

「い、いいよ…」

私は彼が差し出した手を握った。

「よろしくね、南ちゃん」

「えっ、なんで私の名前っ…」

「だって俺、あの日から君の事気になってたんだもん」

「えっ…////」

「あ、顔がチェリー色になってるー♪」

「も、もぉぉぉお!////」

君と出会って初めて知った味は、
ジュエリービーンズのように甘酸っぱい味でした。
君と出会って初めて知った想いは…
ジュエリービーンズのように甘酸っぱくて、そしてたくさんの想いでした。
様々な色のジュエリービーンズをくれたのはあなただけだよ。

様々な味をありがとう。
様々な色をありがとう。

これからも色んな味と色を分け合っていこうねっ。

-END-

※実話ではありません



アバター
2013/06/24 08:40
凄く良いじゃん!

なんかいつの間にやら上達してる!
描写も上手いし・・・

俺も負けてらんないなw

アバター
2013/06/23 22:48
ステプお届け!

ジェリービーンズ食べたくなる~
アバター
2013/06/23 21:39
サークルからです(๑òωó๑)

早々と、投稿感謝ですノ*
まだ結果まで時間はありますので、変更してもokです^^
では、失礼します*



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