最後まで切れない赤い糸~第二部~ #16
- カテゴリ:自作小説
- 2013/06/07 18:54:06
主な登場人物
・新井椿…真二と亜美の娘。顔立ちが真二と似て凛々しく、整っている。現在16歳。
・横山陽菜…横山と亜美香の娘。亜美香に似て美人。現役アイドル。現在16歳。
・宮城湊…猟牙の息子。顔が異常なくらい整っており、大人気。現在16歳。
・立花林檎…莉子の娘。林檎と可愛らしい名前で有名。美人。現在16歳。
・桜木淳平…イケメン&人気キャラで少しチャラい。椿の元カレ。現在16歳。
・美川桃華…突然椿の前に現れた美少女。まだ謎が多い。現在16歳。
第十六章 『好きなのに離れられない』
「じゃ、この部屋使って?」
淳平はカフェの2階の大きな客間をさした。
「え?ここ客間だけどいいの?」
「ん?あー、いいのいいの。ほかにもあるしっ」
そう言ってはにかんだ淳平は私の手にカギを置いて──…
「これ使え。」
「え…?いいの…?」
「いいの?って…お前の家だぞ?」
ニコッと笑ってなきそうな私の頭を撫でて──…
「大丈夫だから」
と言った。
「…うんっ、うんっ」
すごく申し訳ない気持ちになった──。
淳平の笑顔…無理してるんじゃないかなって思う…。
カギを笑って差し出したけど、本当は嫌だったんじゃないの?
正直に言って欲しい──。
「…淳平、ごめんね」
私は深く頭を下げた。
「…気にするなよ。」
そうポツリと呟き、私から離れた。
その大きな背中はいつの間にかすごく愛おしいものになっていた…
「…ありがとう」
そう呟き、私は自分の部屋とやらに入った──。
───ゴトッ。
大きなトランクケースを置き、殺風景な部屋にポツンとあるベットに飛び込んだ。
(…机まで用意してくれてる)
木製で出来た机に、本棚までバッチリ用意されていた──。
淳平ってばやっぱ優しいなぁ。
「…ふぅ」
私はベッドの上で大きなため息をついた。
枕に顔をうずくめ、目を閉じても浮かぶのはあの二人の姿…
「…なんなのよ」
ポツリと呟き、私の視界はぼやけた…。
気づけば頬まで濡れている…
馬鹿馬鹿しい。
自分で決めた道だというのに──。
今更ホームシックだとか言ってもシャレにはならない。
「……」
私は毛布にうずくまり、少し泣いた。
もちろん、淳平にはバレないように──…ないた。
「椿ぃー…」
「グスッ、グスッ…」
「……っ」
淳平には絶対バレないように…しなきゃ。
※実話ではありません(続く)

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- ⋈ふぅღ
- 2013/06/08 13:59
- 椿ちゃん‥。
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