Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


最後まで切れない赤い糸~第二部~ #16

主な登場人物
・新井椿…真二と亜美の娘。顔立ちが真二と似て凛々しく、整っている。現在16歳。
・横山陽菜…横山と亜美香の娘。亜美香に似て美人。現役アイドル。現在16歳。
・宮城湊…猟牙の息子。顔が異常なくらい整っており、大人気。現在16歳。
・立花林檎…莉子の娘。林檎と可愛らしい名前で有名。美人。現在16歳。
・桜木淳平…イケメン&人気キャラで少しチャラい。椿の元カレ。現在16歳。
・美川桃華…突然椿の前に現れた美少女。まだ謎が多い。現在16歳。

第十六章 『好きなのに離れられない』

「じゃ、この部屋使って?」

淳平はカフェの2階の大きな客間をさした。

「え?ここ客間だけどいいの?」

「ん?あー、いいのいいの。ほかにもあるしっ」

そう言ってはにかんだ淳平は私の手にカギを置いて──…

「これ使え。」

「え…?いいの…?」

「いいの?って…お前の家だぞ?」

ニコッと笑ってなきそうな私の頭を撫でて──…

「大丈夫だから」

と言った。

「…うんっ、うんっ」

すごく申し訳ない気持ちになった──。
淳平の笑顔…無理してるんじゃないかなって思う…。
カギを笑って差し出したけど、本当は嫌だったんじゃないの?

正直に言って欲しい──。

「…淳平、ごめんね」

私は深く頭を下げた。

「…気にするなよ。」

そうポツリと呟き、私から離れた。
その大きな背中はいつの間にかすごく愛おしいものになっていた…

「…ありがとう」

そう呟き、私は自分の部屋とやらに入った──。

───ゴトッ。

大きなトランクケースを置き、殺風景な部屋にポツンとあるベットに飛び込んだ。

(…机まで用意してくれてる)

木製で出来た机に、本棚までバッチリ用意されていた──。
淳平ってばやっぱ優しいなぁ。

「…ふぅ」

私はベッドの上で大きなため息をついた。
枕に顔をうずくめ、目を閉じても浮かぶのはあの二人の姿…

「…なんなのよ」

ポツリと呟き、私の視界はぼやけた…。
気づけば頬まで濡れている…

馬鹿馬鹿しい。

自分で決めた道だというのに──。
今更ホームシックだとか言ってもシャレにはならない。

「……」

私は毛布にうずくまり、少し泣いた。
もちろん、淳平にはバレないように──…ないた。

「椿ぃー…」

「グスッ、グスッ…」

「……っ」

淳平には絶対バレないように…しなきゃ。

※実話ではありません(続く)

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2013/06/08 13:59
椿ちゃん‥。



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