最後まで切れない赤い糸~第二部~ #15
- カテゴリ:自作小説
- 2013/06/07 00:35:17
主な登場人物
・新井椿…真二と亜美の娘。顔立ちが真二と似て凛々しく、整っている。現在16歳。
・横山陽菜…横山と亜美香の娘。亜美香に似て美人。現役アイドル。現在16歳。
・宮城湊…猟牙の息子。顔が異常なくらい整っており、大人気。現在16歳。
・立花林檎…莉子の娘。林檎と可愛らしい名前で有名。美人。現在16歳。
・桜木淳平…イケメン&人気キャラで少しチャラい。椿の元カレ。現在16歳。
・美川桃華…突然椿の前に現れた美少女。まだ謎が多い。現在16歳。
第十五章 『見えていた真実』
「…なあ、椿どうしたんだよ」
「何が?私は普段通りだよ」
「俺はお前の幼馴染だぞ?何年見てきてると思ってる」
湊は私の腕を掴み…
「言いたいことがあるなら吐き出せ。気持ち悪いだけだろ?」
と言った。その時の言葉はすごくありがたかった──…
もっと前に言ってくれれば…ね。
「放してよ、湊には関係ないじゃんっ!」
───シュッ!!!
掴まれていた腕を振り払い、私は大雨の中走った。
傘を片手に立ちすくむ湊の姿…、1度だけ振り返ってしまった。
────ガチャッ。
数分で家に着いた…。
ドアを開けると、そこにはいつもと同じ景色が流れている。
「…まあ、当然か」
ポツリと呟いた私はそのまま2階へ上がった。
大きなトランクケースに荷物をまとめ、それを片手にまた玄関にもどった。
…だが、何かがおかしい。
いつも大きな物音とか聞きなれない音がすれば部屋に来るはず。
荷物をまとめていた時、トランクにしまっていた時、間違いなく
いつもとは違う物音がしたはずなのだ──。
───ザワザワ....
胸がざわつく…。
とても、嫌な予感がした。
「……」
リビングの扉に手を伸ばし、私は隙間から覗いた。
すると、そこには──…
「っ……!」
あの二人が抱き合っている姿──。
まるっきり母も抵抗をやめたかのように見えた。
やっぱり母はおじさんが好きなんだ…
「…さよなら」
小さくポツリと呟くと私はその場からはなれ、家を出た。
もうもどる気なんてない。一生あの二人が幸せに暮らせばいい。
…ただし、私抜きで。
───ピシャッ、ピシャッ....
やっと、淳平のカフェにたどりついた。
──カランカランカラーン♪
「いらっしゃいま…って、えっ!?」
トランクケースを見た淳平は目を丸くしていた。
「なっ、どうしたの!?」
「どうしたのって、こーゆーことだけど?」
私は顔色一つ変えず、トランクを置いてカウンターに座った。
「お、おう…、まあっ、一旦なんか飲むか」
そうつぶやき、淳平はまたコーヒーカップを拭きはじめた。
…淳平の新しいクセ、見つけた。
テンパったらコーヒーカップを拭くクセがある。
「…フフッ、本当にバカみたい」
「え?」
「んーん、なんもない。」
淳平の言葉が嬉しすぎて私は自分しか見れなかった。
淳平の迷惑も考えずに──。
※実話ではありません(続く)
椿ちゃん・・・・・。
椿ちゃん、名前の由来しているのかな?
でもおじさんも迷惑なんだよね‥ㆀ