Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


最後まで切れない赤い糸~第二部~ #13

主な登場人物
・新井椿…真二と亜美の娘。顔立ちが真二と似て凛々しく、整っている。現在16歳。
・横山陽菜…横山と亜美香の娘。亜美香に似て美人。現役アイドル。現在16歳。
・宮城湊…猟牙の息子。顔が異常なくらい整っており、大人気。現在16歳。
・立花林檎…莉子の娘。林檎と可愛らしい名前で有名。美人。現在16歳。
・桜木淳平…イケメン&人気キャラで少しチャラい。椿の元カレ。現在16歳。
・美川桃華…突然椿の前に現れた美少女。まだ謎が多い。現在16歳。

第十三章 『温かい胸』

「…で?どうしたんだよ?」

「へっ…」

「いや、泣いてるからさっ…」

淳平は真っ白なコーヒーカップを拭きながら言った。
私は、真っ白なコーヒーカップを力強く握り締めながら…

「…うちの家庭がちょっとね」

カップの円を人差し指でなぞりながら、呟いた。
淳平はすべてを察したかのようにため息をつき、
拭き続けていたカップをゆっくり置いて…

「…そうか」

と、ただ一言呟いた。それに私も…

「うん…」

と、一言返した。

「………」

「………」

そこからは二人とも話さない…。
店内は静かで、時計の針の音だけが静かに流れる…。

カチ...カチ...カチ....カチ.....

「………」

カチ....カチ...カチ....カチ....

「なっ、なあ…」

「んっ…?」

淳平はまたコーヒーカップを手にとって、激しく拭きながら…

「そんなに家が嫌ならうちくるっ?」

顔を真っ赤にしながら言った。

「へっ…」

鏡を見なくても分かるこど、顔が熱くなった──。

「………」

「………」

また沈黙が続く…。

「わっ、わりぃ、変な事いってっ…」

「うっ、ううん!嬉しいよ…、ありがとぅ…///」

私は顔をうつむかせ、拳を握り締めた。

「…んで、どうするっ?来る…?」

「…うぅーん」

「ま、じっくり考えてみて?」

「うんっ」

そう告げられた私は頷き、店から出て行った。
外に出てからは、私はずっとその事ばかり考えていた…

「俺の家こない?」

恥ずかしかったけど、正直言って嬉しかった──。
複雑な気持ちになったけど、すごく心が救われた。

でも…お母さんは私が守らなきゃいけない。
お母さんは若い頃にお父さんが亡くなって傷ついてきたから…
その傷を私が癒さなきゃいけないっ…

───ドクンッ....!!!!

「ゥッ......!」

急に心臓が痛くなり、そして──…

「好きなんだ、亜美」

「宮城のおじさん、叔母さんの事好きになったとか言い出して…」

そんな言葉ばかりフラッシュバックして、幻聴まで聞こえてきた──。

もしかして、お母さんは昔から私がいなくても大丈夫だったの…?
おじさんがいれば…生きていけた…?

もしかして、お父さんじゃなくて本当はおじさんのことがっ…?

「っ…!」

考えるだけで頭が痛くなる。
このままつぶれてしまいそうだっ…。


※実話ではありません(続く)

アバター
2013/06/04 20:02
つぶれないで!!!!

真二君のことが好きで、椿ちゃんのことが好きだよ、亜美さんは!!



月別アーカイブ

2019

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009


Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.