最後まで切れない赤い糸~第二部~ #13
- カテゴリ:自作小説
- 2013/06/04 18:32:30
主な登場人物
・新井椿…真二と亜美の娘。顔立ちが真二と似て凛々しく、整っている。現在16歳。
・横山陽菜…横山と亜美香の娘。亜美香に似て美人。現役アイドル。現在16歳。
・宮城湊…猟牙の息子。顔が異常なくらい整っており、大人気。現在16歳。
・立花林檎…莉子の娘。林檎と可愛らしい名前で有名。美人。現在16歳。
・桜木淳平…イケメン&人気キャラで少しチャラい。椿の元カレ。現在16歳。
・美川桃華…突然椿の前に現れた美少女。まだ謎が多い。現在16歳。
第十三章 『温かい胸』
「…で?どうしたんだよ?」
「へっ…」
「いや、泣いてるからさっ…」
淳平は真っ白なコーヒーカップを拭きながら言った。
私は、真っ白なコーヒーカップを力強く握り締めながら…
「…うちの家庭がちょっとね」
カップの円を人差し指でなぞりながら、呟いた。
淳平はすべてを察したかのようにため息をつき、
拭き続けていたカップをゆっくり置いて…
「…そうか」
と、ただ一言呟いた。それに私も…
「うん…」
と、一言返した。
「………」
「………」
そこからは二人とも話さない…。
店内は静かで、時計の針の音だけが静かに流れる…。
カチ...カチ...カチ....カチ.....
「………」
カチ....カチ...カチ....カチ....
「なっ、なあ…」
「んっ…?」
淳平はまたコーヒーカップを手にとって、激しく拭きながら…
「そんなに家が嫌ならうちくるっ?」
顔を真っ赤にしながら言った。
「へっ…」
鏡を見なくても分かるこど、顔が熱くなった──。
「………」
「………」
また沈黙が続く…。
「わっ、わりぃ、変な事いってっ…」
「うっ、ううん!嬉しいよ…、ありがとぅ…///」
私は顔をうつむかせ、拳を握り締めた。
「…んで、どうするっ?来る…?」
「…うぅーん」
「ま、じっくり考えてみて?」
「うんっ」
そう告げられた私は頷き、店から出て行った。
外に出てからは、私はずっとその事ばかり考えていた…
「俺の家こない?」
恥ずかしかったけど、正直言って嬉しかった──。
複雑な気持ちになったけど、すごく心が救われた。
でも…お母さんは私が守らなきゃいけない。
お母さんは若い頃にお父さんが亡くなって傷ついてきたから…
その傷を私が癒さなきゃいけないっ…
───ドクンッ....!!!!
「ゥッ......!」
急に心臓が痛くなり、そして──…
「好きなんだ、亜美」
「宮城のおじさん、叔母さんの事好きになったとか言い出して…」
そんな言葉ばかりフラッシュバックして、幻聴まで聞こえてきた──。
もしかして、お母さんは昔から私がいなくても大丈夫だったの…?
おじさんがいれば…生きていけた…?
もしかして、お父さんじゃなくて本当はおじさんのことがっ…?
「っ…!」
考えるだけで頭が痛くなる。
このままつぶれてしまいそうだっ…。
※実話ではありません(続く)
真二君のことが好きで、椿ちゃんのことが好きだよ、亜美さんは!!