Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


最後まで切れない赤い糸~第二部~ #12

主な登場人物
・新井椿…真二と亜美の娘。顔立ちが真二と似て凛々しく、整っている。現在16歳。
・横山陽菜…横山と亜美香の娘。亜美香に似て美人。現役アイドル。現在16歳。
・宮城湊…猟牙の息子。顔が異常なくらい整っており、大人気。現在16歳。
・立花林檎…莉子の娘。林檎と可愛らしい名前で有名。美人。現在16歳。
・桜木淳平…イケメン&人気キャラで少しチャラい。椿の元カレ。現在16歳。
・美川桃華…突然椿の前に現れた美少女。まだ謎が多い。現在16歳。

第十二章 『美川家の問題』

「……」

急に皆黙り込んだ──。

「…どうしたの?」

皆がうつむく中、一人顔をパッとあげて笑顔を見せた。
そして───…

「うち、両親いないのっ」

…と、答えた。

「えっ…」

驚きの発言だった…。
両親がいない…そんなのありえない。

「うっ、嘘でしょ…?両親がいないって…」

「本当だよ、うち、いないの。」

「…なんで?」

「…捨てられたから…かな?」

「っ…!?」

身近にそんな事されてる人がいるなんて…。
そんな、こんなの…ドラマみたいな展開じゃないっ…。

「…椿、いい加減にしなさい。桃華ちゃんを苦しめたいの?」

「あっ、ごっ、ごめん…」

「ううん、いいの。今更気にしてない…」

そう答えてくれた桃華ちゃんだが…目が笑っていなかった。
あきらかこの質問に動揺してる──…。

私、最低だ───。

「ちょっと、まだ話は終わってないんだからねっ?おじさん」

陽菜が少し荒げた声で言った。
おじさんは頭をポリポリとかきながら──…

「わっ、わかったよ…、後でな」

と言って、お母さん達のとこへ向かった。
玄関前には私と陽菜だけになった…。

「ったく、あの人本当に頭おかしいんじゃないのっ!?なんなのよ!」

陽菜はめずらしく声を荒げながら怒っている…。

「ひ、陽菜…、どうしたの?なんでそんなっ…」

「…椿には言いにくいんだけど…」

「う、うん…」

陽菜は長い髪をフワッとなびかせて…

「おじさん、叔母さんの事好きだなんていい出したんだよね…」

「えっ…?」

あれは夢じゃなかったの…?いや、むしろなんで夢じゃないの?
あんなの現実になったら…

「ひ…陽菜、なんの冗談?私は確かにそんな夢を見たけどっ…!」

「ソレ、夢じゃなくてたぶん現実で見たんだと思うよ」

「は…はぁ…?」

陽菜は両腕を組み、足を斜めにしながら…

「だってなかなかもどってこないから私が下に降りた時…椿、倒れてたもん」

「えっ…!?」

「椿、二人のそんな光景みて倒れたんだよ。きっと」

「…や、やめてよ」

「実際見たでしょ!?おじさんが告白するとこ…!」

「…うるさいなぁっ!」

────ガチャッ!!!!!

「あっ、椿!」

私はその場から逃げ出した──。
必死に足を動かして、その場から遠く、遠くまで走った…。

「…はぁ、はぁ」

ついた場所は淳平のカフェ…
ここに来たら落ち着く気がした──。

「…すみません」

ドアをゆっくり動かし、中に入った。

「いらっしゃいませー」

「えっ…」

店員は淳平一人だった。

「淳平…何してるの…」

「何って…仕事だよ…」

少しため息をまじらせながら言った。
真っ白なカップをゴシゴシと拭きながら…

「…淳平」

なんだか淳平を見ると、落ち着いた。

「ん?なんだ?」

「っ…ありがと…」

「へっ、なにがだよ…?」

淳平は不思議そうな顔を浮かべたが、私の顔を見た瞬間…
なにかを察したようにコーヒーを差し出し…

「飲めよ、おごりだぜっ」

と、ニカッと笑った。

「…うんっ」

その言葉で私は一粒の涙で頬をぬらした…

※実話ではありません(続く)

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2013/06/02 15:00
淳平くん、かっこいいし優しいですね^^

どうなるんでしょうか???
楽しみです!!!



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