最後まで切れない赤い糸~第二部~ #12
- カテゴリ:自作小説
- 2013/06/02 12:37:38
主な登場人物
・新井椿…真二と亜美の娘。顔立ちが真二と似て凛々しく、整っている。現在16歳。
・横山陽菜…横山と亜美香の娘。亜美香に似て美人。現役アイドル。現在16歳。
・宮城湊…猟牙の息子。顔が異常なくらい整っており、大人気。現在16歳。
・立花林檎…莉子の娘。林檎と可愛らしい名前で有名。美人。現在16歳。
・桜木淳平…イケメン&人気キャラで少しチャラい。椿の元カレ。現在16歳。
・美川桃華…突然椿の前に現れた美少女。まだ謎が多い。現在16歳。
第十二章 『美川家の問題』
「……」
急に皆黙り込んだ──。
「…どうしたの?」
皆がうつむく中、一人顔をパッとあげて笑顔を見せた。
そして───…
「うち、両親いないのっ」
…と、答えた。
「えっ…」
驚きの発言だった…。
両親がいない…そんなのありえない。
「うっ、嘘でしょ…?両親がいないって…」
「本当だよ、うち、いないの。」
「…なんで?」
「…捨てられたから…かな?」
「っ…!?」
身近にそんな事されてる人がいるなんて…。
そんな、こんなの…ドラマみたいな展開じゃないっ…。
「…椿、いい加減にしなさい。桃華ちゃんを苦しめたいの?」
「あっ、ごっ、ごめん…」
「ううん、いいの。今更気にしてない…」
そう答えてくれた桃華ちゃんだが…目が笑っていなかった。
あきらかこの質問に動揺してる──…。
私、最低だ───。
「ちょっと、まだ話は終わってないんだからねっ?おじさん」
陽菜が少し荒げた声で言った。
おじさんは頭をポリポリとかきながら──…
「わっ、わかったよ…、後でな」
と言って、お母さん達のとこへ向かった。
玄関前には私と陽菜だけになった…。
「ったく、あの人本当に頭おかしいんじゃないのっ!?なんなのよ!」
陽菜はめずらしく声を荒げながら怒っている…。
「ひ、陽菜…、どうしたの?なんでそんなっ…」
「…椿には言いにくいんだけど…」
「う、うん…」
陽菜は長い髪をフワッとなびかせて…
「おじさん、叔母さんの事好きだなんていい出したんだよね…」
「えっ…?」
あれは夢じゃなかったの…?いや、むしろなんで夢じゃないの?
あんなの現実になったら…
「ひ…陽菜、なんの冗談?私は確かにそんな夢を見たけどっ…!」
「ソレ、夢じゃなくてたぶん現実で見たんだと思うよ」
「は…はぁ…?」
陽菜は両腕を組み、足を斜めにしながら…
「だってなかなかもどってこないから私が下に降りた時…椿、倒れてたもん」
「えっ…!?」
「椿、二人のそんな光景みて倒れたんだよ。きっと」
「…や、やめてよ」
「実際見たでしょ!?おじさんが告白するとこ…!」
「…うるさいなぁっ!」
────ガチャッ!!!!!
「あっ、椿!」
私はその場から逃げ出した──。
必死に足を動かして、その場から遠く、遠くまで走った…。
「…はぁ、はぁ」
ついた場所は淳平のカフェ…
ここに来たら落ち着く気がした──。
「…すみません」
ドアをゆっくり動かし、中に入った。
「いらっしゃいませー」
「えっ…」
店員は淳平一人だった。
「淳平…何してるの…」
「何って…仕事だよ…」
少しため息をまじらせながら言った。
真っ白なカップをゴシゴシと拭きながら…
「…淳平」
なんだか淳平を見ると、落ち着いた。
「ん?なんだ?」
「っ…ありがと…」
「へっ、なにがだよ…?」
淳平は不思議そうな顔を浮かべたが、私の顔を見た瞬間…
なにかを察したようにコーヒーを差し出し…
「飲めよ、おごりだぜっ」
と、ニカッと笑った。
「…うんっ」
その言葉で私は一粒の涙で頬をぬらした…
※実話ではありません(続く)
どうなるんでしょうか???
楽しみです!!!