最後まで切れない赤い糸~第二部~ #9
- カテゴリ:自作小説
- 2013/05/28 21:28:37
主な登場人物
・新井椿…真二と亜美の娘。顔立ちが真二と似て凛々しく、整っている。現在16歳。
・横山陽菜…横山と亜美香の娘。亜美香に似て美人。現役アイドル。現在16歳。
・宮城湊…猟牙の息子。顔が異常なくらい整っており、大人気。現在16歳。
・立花林檎…莉子の娘。林檎と可愛らしい名前で有名。美人。現在16歳。
・桜木淳平…イケメン&人気キャラで少しチャラい。椿の元カレ。現在16歳。
・美川桃華…突然椿の前に現れた美少女。まだ謎が多い。現在16歳。
第九章 『話し合ってみて分かった事』
私は今、細い細い一本道を歩き続けている…。
いつも下校で使い道だというのに、なんだか気味が悪い…。
それはきっと、隣にいる人のせいだろう。
「…ねぇっ、椿」
「なっ、何っ…?(汗)」
気まずい空気からいきなり走った私の名前。
何を言われるのかと体を震わせながら私は返答した。
「…椿、今日はさ、せっかくの機会だし言い合おうよっ」
「えっ…?な、何を…」
「わかってるくせにとぼけないでよ!湊の事に決まってるでしょ!?」
「っ…!」
その時の陽菜の目はまさに真剣そのもの。そして、怒りも入っていた。
もしかしたら陽菜もずっと私と同じ気持ちだったのかもしれない──。
…大好きな幼馴染でいとこだけど…やっぱり恋となると譲れない。
今まで譲り合ってきたけど、「湊」だけは譲れない。
憎い、羨ましい…。そういう感情が陽菜にもあったの…?
「…陽菜」
「…叫んじゃってごめん。…でも、真剣だから」
「ううん、私こそ…ごめん…」
私は片手で頭を抱えながら、うつむいた。
来るって分かってたはずの日…必ず来ると思ったこの日…。
決着をつけなきゃいけない日が来たんだ──…。
「椿、私…湊が好きなんだ…」
陽菜は両手で胸を押さえながら、うつむいた。
「好きだ」と言ったその声は震えきり、鼻声だった…。
「…うん、わかってるよ」
そんな姿を見た私はただただ頷き、そういうしかできなかった。
「知ってたんだ、そりゃそうかっ…。ごめん、椿…」
陽菜は手で必死に涙をぬぐって、頭を下げた。
なんだか惨めになってくる…陽菜のこんな姿を見てると心が痛い。
昔遊んだ記憶がフラッシュバックしていく──…。
「椿ー!早く来なきゃ遊べないよー!」
「椿っ、これ!私が焼いたクッキーなんだ!おいしいよっ♪」
「椿…、湊って誰かと付き合ってるのかなぁ…?」
答えなんて、わかっていた…。
未来なんて、見えきっていた…。
「…陽菜、私さ、淳平とヨリ戻したんだよね」
「へっ…?」
陽菜は驚き、顔をパッとあげた。
「ヨリ…戻したの…?」
「うん、だからさ、気にしなくっていいよ。私の事…」
「…でも、椿好きなんでしょ!?湊のこ──…」
「好きじゃないよっ」
…とっさに出た嘘。
陽菜は急に顔を明るくさせて…
「そうなんだ…!そうだったんだぁっ…!」
両手を合わせてニコッと笑いながら言った。
なんだか陽菜の笑顔を見るだけでよくなってきた…。
「変な事言ってごめんね、椿…」
「ううん、いいよ。」
「…帰ろうかそのまま」
「うん」
なんだかんだでこの件は解決って事になった。
…陽菜はきっと湊と幸せに付き合っていくんだろう。
まあ、これも定めだししかたがないな。
────コンコン。
「あれっ?椿今日カギは…」
「アハッ、忘れちゃってさぁー…」
「アハハッ、椿ってばどんくさぁ~」
「うるさぁーい」
────ガチャ。
「あらっ?おかえりなさい、椿…」
「…?う、うん、ただいまぁ…」
今一瞬違和感を感じた。
…お母さんが一瞬驚きを見せ、冷や汗をかいた。
「あっ、あらぁ…!陽菜ちゃんっ…!」
「叔母さんこんにちわー」
「いっ、いらっしゃい…」
「あがっていいですか?」
「えっ、待って、ちょっと…」
急に母があせりだした。
…中になんかあるんだな。
「…ただいまぁー!」
私は大きく叫び、家に入っていった。
…大きなリビングに向かうと、そこに座っていたのは…
「おっ、椿ちゃん。おかえり~」
「…お、おじさん?(汗)」
なぜかその場には湊のお父さんがいた。
「椿…」
後ろから聞こえたお母さんのあせり声…。
何があったの…?
※実話ではありません(続く)
よりを戻しちゃったΣ(゚Д゚)ってことかな(。´・ω・)?