最後まで切れない赤い糸~第二部~ #6
- カテゴリ:自作小説
- 2013/05/26 13:48:20
主な登場人物
・新井椿…真二と亜美の娘。顔立ちが真二と似て凛々しく、整っている。現在16歳。
・横山陽菜…横山と亜美香の娘。亜美香に似て美人。現役アイドル。現在16歳。
・宮城湊…猟牙の息子。顔が異常なくらい整っており、大人気。現在16歳。
・立花林檎…莉子の娘。林檎と可愛らしい名前で有名。美人。現在16歳。
・桜木淳平…イケメン&人気キャラで少しチャラい。椿の元カレ。現在16歳。
第六章 『交差する愛情』
「おっはよー!椿っ!」
「お…はよう…」
玄関から出ると、そこに待っていたのは自転車に乗った淳平の姿。
真っ赤な自転車の大きなカゴの中に私の鞄を入れた。
「あっ、いいよっ…」
「いや、彼氏なんだからこれくらいするって」
そんな事を言ってるが、淳平のカゴの中はパンパン。
自分の鞄は背中にしょっている。…すごく重そうだ。
「…ありがとう」
「おうっ!」
…淳平は無邪気に笑った。
そういえばあの頃も淳平は私に優しかったなぁ。
変な男に絡まれたらすぐ守ってくれたし、引かれかけたときもかばってくれたし。
「ほらっ、乗れよっ」
淳平は後部座席をポンポンと叩いた。
「うんっ」
淳平に言われた通り、後部座席に座った──。
背中にしょっている鞄に頬をつけて、少し微笑みをこぼしながら。
(淳平のこーゆーとこ、好きだったなぁ...)
そう心で呟きながら、私は力強く淳平の背中を抱きしめた。
「ん…?」
視線をまっすぐ向けると、そこで見た姿は──…
「え…、陽菜…?それに…海斗…?」
陽菜と海斗の姿。
それだけならいいけど、手をよく見ると…”恋人つなぎ”している。
───ズキンッ!!!
「…っ」
やだ、バカみたい。まだ心が痛む──。
二人の想いや、繋がりは目に見えたいたはずなのに…。
「じゅっ、淳平っ!ちょっと違う道から行ってくれない?」
「えっ、でもそれだったら遠回りに──…」
「いいから!」
「わっ、わーったよ…(汗)」
淳平に無理を言って、別の道から行ってもらった…。
結構と遠回りになっちゃうけど、仕方がない。
…だって、あんな二人の前を通る事なんて無理。
「…ごめんね、淳平。 無理言っちゃって…」
「いいよいいよ、じゃ、また迎えに来るわー」
「うんっ、ありがとう。休み時間またそっちの学校に寄るねっ」
「はーい」
淳平はヒラヒラと手のひらを振って、別の高校へ向かった。
私は自分の高校へと入っていった──。
階段を上り、教室のドアを開けた。
────ガラッ。
そこには盛り上がる海斗と陽菜の姿。
やっぱりいつもと雰囲気が違う…。
「あっ…、おはよう、椿っ…」
少し気まずそうに声をかけてきた陽菜。
「おはよ」
「おっ、おはよ!椿っ」
「おはよ」
私は二人と違って少し冷たい挨拶をした。
二人をおいて、自分の席に座った。
────ガラッ。
「おっ、あっれぇ~?誰かと思えば噂のお二人さんかぁ~♡」
「っるせーよ、バカはあっちいってろ」
「ちぇっ、つめてぇーなぁー、お祝いしてやってんだぞ?」
「何をだよ」
「二人が幸せになれるよーにだよっ」
………は?それってやっぱり…
「おめでとうっ、陽菜ちゃんっ♪」
「そ、そんな、やめてよっ////」
顔を真っ赤にして両手で顔を隠す陽菜。
あんな陽菜の顔…初めて見た…。
あれが陽菜の恋する顔かぁ…。
「………」
なんだか自分がバカらしくなってきた。
まだ湊に未練があって…、陽菜の幸せは嬉しいはずなのに…
あんな顔見たらすごく腹たって…。
湊が照れる顔を見ると心が刻み込まれるように痛くて痛くて。
まるでナイフで何度も刺されてるみたい──…。
※実話ではありません(続く)
悲しいですね・・・・。
陽菜と、湊の関係と気持ちを忘れるために
淳平と付き合うなんて・・・・