最後まで切れない赤い糸~第二部~ #5
- カテゴリ:自作小説
- 2013/05/24 16:46:15
主な登場人物
・新井椿…真二と亜美の娘。顔立ちが真二と似て凛々しく、整っている。現在16歳。
・横山陽菜…横山と亜美香の娘。亜美香に似て美人。現役アイドル。現在16歳。
・宮城湊…猟牙の息子。顔が異常なくらい整っており、大人気。現在16歳。
・立花林檎…莉子の娘。林檎と可愛らしい名前で有名。美人。現在16歳。
・桜木淳平…イケメン&人気キャラで少しチャラい。椿の元カレ。現在16歳。
第五章 『好きなものは好きなんだよ』
「……はぁ」
店を出た私は、深い、深い、深ぁぁいため息をついた。
今日は色々ありすぎたし、ありすぎて困る。マジで。
1つめ、いきなり好きとか言われた。
2つめ、二人のなんか怪しい雰囲気を目の当たりにした。
3つめ、あそこの息子だった。(淳平が)
…もう何がなんだかわかんないよ、マジで。
「はぁー…」
ヴー、ヴー、ヴー.....
「…っ」
ポケットの中で光るスマホ、かすかに聞こえるバイブ....。
名前を見なくたって、誰からかなんてすぐに予想がつく。
「……」
ヴー、ヴー、ヴー.....
スマホはただただ鳴り響いているだけ…。
かすかに、ポケットの中で必死に音を鳴らしながら──。
「うるさいなぁっ…!」
もうこの音聞くのがいやになった、聞きたくない、聞きたくない──。
私はスマホの電源を切った。…二度とかかってこないように。
バイブが鳴り響くたび思い浮かぶのはあの二人の幸せそうな顔…。
現役アイドルで、めっちゃ美人の陽菜とイケメン湊。
…そんな間に平凡な私がいたって意味がないんだ。
『好き』だなんて軽く思ってたワケじゃないし、真剣に好きだ。
…でも、なんだか陽菜の隣にいる湊を見てると昔から思うんだ──。
『私の隣に居るときより笑ってる、楽しそう』って…。
「…もう、やめよう」
そうだ、もうやめればいいんだ。
やめればすべてが終わるし、すべてが解決できる。
「好きだ、椿」
…そうだ、私は一人なんかじゃない。
だってああやって告白してくれた淳平がいるじゃん。
そばにいて、笑ってくれる…。そんな淳平がすぐ手を伸ばせば届くとこにいるじゃん…。
「………」
何か心に大きな決心を固めた自分がいた。──そして
「たっだいまぁ~♪」
さっきとは大違いの表情で私は家のドアを開けた。
リビングに広がる不思議がる顔…。そこにはあの二人の姿もあった。
「どしたのっ?そろって私の家でキョトンとして~」
「どっ、どうしたのじゃねーよ!お前があんなっ──…」
「あぁ?あれ?気にしないでー、別になんとも思ってないしぃ~♪」
私はニコッと笑った。…あぁ、でもまだなんか心痛いなぁ。
後ろに不安げにみつめる陽菜の顔がなんだか少し憎らしく思えた。
…最低だ、もうこれ以上個々にいたら諦められないし、
人間的にも最悪、最低になるっ…!
「ご、ごめん、ちょっと部屋にあがるわー…。じゃあね、二人ともっ」
「おっ、おいっ!つばっ──…」
「えっ…?」
呼び止められた瞬間、後ろに振り返ると…
湊の太くたくましい腕に細くて長く、薄ピンクの爪が絡みついていた…。
そして、その手はゆっくりと力を強めていった──。
「ひっ、陽菜…」
陽菜は腕をつかんだまま、首をゆっくり横に振った。
まるでそれは『追いかけないで』と合図しているかのようだった。
その時、なんだか陽菜の気持ちを共感する事ができたような気がした。
『湊が大好き』っていう気持ちを……。
「っ…、じゃあね!」
私はまた逃げ出すように2階に上がった。
もうこれ以上、気づいちゃいけない、あの子の気持ちを──…。
「湊…早く気づけばいいのに…」
今の見ててわかった、湊は何もわかっていない。
私の気持ちも、陽菜の気持ちも…。…でも、一つ分かったことがある。
やっぱり湊は陽菜が好きだって事だ。
腕を掴まれた瞬間の湊の顔はもう…、いつもと違うかった。
陽菜は気づかなかったかもしれないけど、顔を少し赤らめていた。
…二人は両想いって事だ。
「……ま、いいけど」
寂しい部屋でポツリと呟くと、私はポケットからスマホを取り出し、
電源を入れて淳平にメールを送った。
to:淳平
今日の返事だけど、OKだよ~♪
実は私もまだ淳平の事忘れられなかったしっ。
こんなメールを送ってどうなるってワケじゃない。
二人の関係がこじれるワケでもない。
…でも、本当に私ってバカだね。
まだ湊に「やめとけよ」って言われるの期待してる──…。
ヴー、ヴー、ヴー......
「っ…」
もう何もかも遅いって事は…
to:椿
マジっ!?じゃあ付き合おう!
一番私がわかってるのに……。
※実話ではありません(続く)

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- ⋈ふぅღ
- 2013/05/25 02:38
- 陽菜ちゃん・・・・。
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