最後まで切れない赤い糸~第二部~ #1
- カテゴリ:自作小説
- 2013/05/16 18:11:22
主な登場人物
・新井椿…真二と亜美の娘。顔立ちが真二と似て凛々しく、整っている。現在16歳。
・横山陽菜…横山と亜美香の娘。亜美香に似て美人。現役アイドル。現在16歳。
・宮城湊…猟牙の息子。顔が異常なくらい整っており、大人気。現在16歳。
・立花林檎…莉子の娘。林檎と可愛らしい名前で有名。美人。現在16歳。
・桜木淳平…イケメン&人気キャラで少しチャラい。椿の元カレ。現在16歳。
第一章 『突き刺さる鋭い刃物』
母からの視点。
「あっ、もしもし?うん、元気にやってるよ...。
えっ?椿?あははっ、椿ももうすっかり大人になってねー...」
「ママー、いってきまーす!!」
「いってらっしゃいっ!!...本当に、真二君に似たのね」
もうすっかりあの日から月日はたって、もう椿も16歳──。
大人になっていく段階で色々分かって辛いこともやっと乗り越えたところだ。
『また今度陽菜遊びに行かすね~♪』
「うんっ、待ってる」
プッ....。
今の電話相手は妹の亜美香。亜美香も横山君と結婚して──....
もう陽菜っていう娘までいるんだから、驚きだよね...。
本当に...ね。
娘(椿)からの視点。
私の名前は新井椿。幼い頃父を失った──。
よく「かわいそうだね」とか人事のように言われることが多い。
そのたんびにイラッとくるが、それを解消してくれる唯一の相手が──....
「陽菜ぁー!!」
「あぁっ!!椿っ!!」
激しく両手を振って、こっちに駆け寄ってくる陽菜。
陽菜は私のいとこで親友でもある人。
現役アイドルで学校でも大、大、大人気の自慢のいとこ&親友。
「今日さぁ、英語の訳やってきたー?」
「やってきたよーん♪」
ニコッと笑ってVサインをする陽菜。
本当にみてるだけでホッコリするほど可愛い。
「すごいね!!後で見せてよっ!!」
「えぇ?またぁー...?」
少し顔を困らせたように眉間にシワを寄せた。
私は両手を頭の上であわせ、腰を低くして──....
「お願いぃっ!!!!」
と、必死に頼んだ。
すると、陽菜はクスッと笑って──
「いいに決まってるでしょっ」
と、言った。これは女の私までドキッとする一言だった。
陽菜は本当に可愛い...。羨ましいなぁ...。
「オーイ、お二人さーん」
「「んっ?」」
同時に振り返ると、そこに立っていたのは──
「「港!!」」
宮城湊。私と陽菜の幼馴染で猟牙おじさんの息子。
なぜか私達は生まれたときから一緒に過ごしていたらしい。
まっ、親同士が仲良かったとかどーせそんなんだろーけどね。
「オイ、陽菜ー。昨日お前ダンス間違ってただろ?」
「あぁ~!!言わないでぇぇぇえ!!///」
陽菜は顔を両手で覆った──。それを見てケラケラ笑う湊。
湊は本当に顔が整っていてイケメン。陽菜とお似合いで公認カップルと呼ばれている。
最近見ていても、なんだかいい雰囲気だし...まあ、別に付き合えばいいけどねっ。
「.........」
「椿?どうしたのー?」
陽菜は私の顔をのぞきこむようにたずねた。
「なっ、なんでもない、なんでもないー!!!」
私は必死に両手を左右に振って否定した。
そんな姿を見てクスッと陽菜は笑って───....
「ならいいけどっ!!」
と言った。すごく可愛い、なんだか回りに花が見えるよ...。
湊はどんなこと思ってるんだろう....?
チラリと湊の顔を見ると───......
「っ.........!」
湊は嬉しそうに微笑んで、顔を少し赤くさせ、陽菜を見ていた。
湊....やっぱり陽菜が好きなんだ....。
「..........」
ズキンッ.......!!!
変なの、なんで私辛くなったの──....。
「ねぇ、早く学校行こう!」
「「あっ、うん」」
私達は学校に向かって歩いていった──....。
学校に着くと、いつも絶対に聞くことになる第一声.....
「キャー!!湊君だー!!///」
「キャァァァア!!陽菜ちゃーんっ!!///」
「本当にお似合いだねー////」
こんな感じの女子の声...ま、まあここまではいいんだけど.....
「つかさ、隣の女いらなくなーい?」
「本当、本当!!大して可愛くもないくせに並ぶなっつーのぉー!!」
イラッ……。
いやいやいや....確かに二人に比べたらアレだけどさぁ....
絶対お前らよりは整ってると思うんですけどー....。
「椿、気にすることねーよ」
湊は優しく私の肩に触れてそう呟いてくれた。
「うんっ...」
なんだか湊がそういってくれるだけで本当に救われた。
.....まぁ、これが好きっていう感情につながるとかは別と思うけどね。
「ちょっと!椿のこと悪く言わないでよ!」
陽菜は私の悪口を言った人のとこにいってそう叫んだ。
「ひっ、陽菜っ、いいよっ...、ありがとう」
「でも椿っ──!」
「いいからっ!!」
そういうと、私は陽菜の腕を無理矢理引っ張っていった...。
もう嫌だ、こんな生活....恥ずかしくってたまらないよ...。
ヴー、ヴー、ヴー........
「ん.....?」
「おぉっ?淳平君かー?」
ニヤニヤしながら言う陽菜。
「いいから引っ込んでなさい」
そういって私は陽菜を置いて廊下に出た。
「もしもし...?淳平....?」
『おー!陽菜、元気にしてたかー?』
コイツは桜木淳平。私の元カレで初めて両想いになった相手だ。
「淳平、どーしたのっ?(汗)」
『んー?いやぁ、久々にランチでもどーかなぁーってさ♪』
「えっ.....(汗)」
『わかれたとか気にすんな、なっ?じゃあ決まりな!じゃ』
ブツッ..........。
切れた....というか強引にきられた。
いきなりなんなんだよ、元カレがさぁー.....
「淳平君でしょっ?なんて言ってたっ?」
「ランチしよって....」
「おぉっ!!こりゃ復縁の可能性アリー!?///」
「ないない」
「あるよぉー!!応援するしぃ~♪」
なんか淳平と私がうまくいってると陽菜は嬉しそうだ...。
なんだかこんなので復縁する気ないとか言ったら悪いのかなぁ...?
「ま、まあ、復縁もあるかもー....ね?」
「キャー!!だよねー!!//」
「あっちにその気があればね」
(絶対ないよ....)
心の中でそう呟きながら冷や汗をかいた。
淳平なんて忘れた存在だし、忘れたい存在でもあるんだ。
復縁とかない...と、思う。
※実話ではありません。(続く)

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- ⋈ふぅღ
- 2013/05/17 00:05
- 椿ちゃん、げんきですねぇ~
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