最後まで切れない赤い糸 #23
- カテゴリ:小説/詩
- 2013/05/07 23:10:34
主な登場人物
・皆川亜美…すべて平凡な女の子。中学1年生の頃、猟牙と出会う。
・皆川亜美香…近所で美人と有名な亜美の妹。すべて亜美より上。
・宮城猟牙…中学校の頃、亜美を引き寄せた男子。皆の人気者。真二の幼馴染。
・高橋凪…スポーツ万能で、皆の人気者。一部の男子からはモテモテ。
・立花莉子…男子から人気のクラスのマドンナ。猟牙と仲がいい。
・新井真二…いきなり亜美に告白してきた男。人気のある男子。猟牙と幼馴染。
・横山秀司…真二の友達で、同級生。亜美香のことが好き。
第二十三章 『薄れていく存在』
亜美:「.....真二君、ごめんね、新婚早々...」
真二:「気にしないって言ったばっかだろ、謝るな」
亜美:「うん...」
そういって優しく微笑む真二君の笑顔は本当に心を癒す。
そして、私の心の支えでもあるんだ.....。
亜美:「真二君、洗い物は私に任せてね」
真二:「ダメだ、手がかぶれるだろ」
亜美:「だって新婚早々奥さんらしいことしてないよ...」
そういうと、うつむく私の両手を握って
真二:「いてくれるだけで、奥さんらしいことしてるよ」
亜美:「もっ、もう、またそんなバカな事いって!///」
真二:「ハハハッ、でも、今日は本当に休んでてね?」
亜美:「わかった...」
真二君に言われるがまま、私は部屋に戻った。
そしていっきにベッドに倒れこんだ...。
亜美:(....私は....何を見ている...?)
心の中で自分に問いかけた。
亜美:「私が見ているのは...真二君....」
そりゃそうでしょ...?でも、心の中でこう呟いた。
亜美:(本当は宮城君のほうが──)
亜美:「やめてっ!!!」
心の中でもう一人の自分が呟くその言葉は...どこか私を動揺させた。
「本当は宮城君のほうが...」その言葉で何度真二君を傷つけたのだろう..?
私にとっても、真二君にとっても、この言葉は封印している言葉なんだ。
だから、絶対にそんなの思っちゃいけない。
宮城君はもういない存在...私の心からは消えた存在──....。
そう何度も心で唱えた。
亜美:「....そうだよね」
薄暗い部屋一人、私はベッドの上でうずくまった。
亜美:「バカみたい...」
私はもう逃げ回っている自分が嫌になった。
カタをつける日が来たみたいだ。
ピルルルル…♪
猟牙:『はい...?猟牙だけど──』
亜美:「明日、話がある。そこでカタつける」
猟牙:『...場所は?』
亜美:「私達の思い出の場所」
───ブツッ、ツー、ツー、ツー…。
私は強引に電話を切った...。
これで明日、真二君のためにも..カタをつける。
───翌日
私は宮城君との思い出の場所に向かった。
時間より早く来たんだが...宮城君はすでに待っていた。
猟牙:「よぉ、早いな」
亜美:「そっちこそ」
私達は久々に二人で再会を果たしたのだ。
猟牙:「まあ、座れば?」
亜美:「いらない、あなたの隣にはもう座る気ないの...」
猟牙:「こりゃまたドギツイ言葉を言うんだな」
亜美:「当たり前でしょ、私は怒ってるの」
私は宮城君の前に立ち、睨んだ。
だが、宮城君は目をそらそうとはしなかった。
どこか、すべてを受け入れているように見えたんだ。
猟牙:「高橋は悪くない」
亜美:「え?」
猟牙:「高橋は心配してただけだ、俺たちの関係のこと....」
亜美:「....凪に何吹き込んだの?」
猟牙:「なんだって?」
亜美:「凪に何を吹き込んでアンタに協力させたの!?」
私は問い詰めるかのように聞いた。
宮城君は失望したような表情を浮かべながら
猟牙:「....高橋の気持ちもわかってやれよ」
と呟いた。
亜美:「あなたより分かってる」
そう答えると、宮城君は即答で
猟牙:「いいや、絶対にわかっていない、お前は」
と、言った。
亜美:「何?あなたより付き合い長いんだから──」
猟牙:「それでもわからないことってあるみたいだな」
そうつぶやいて、宮城君は私に一通の封筒を差し出した。
ピンクの花柄の封筒で、どこからどう見ても宮城君のものじゃない...
亜美:「まさか....」
猟牙:「高校時代....ずっとお前の下駄箱の前にたって入れようか悩んでた手紙だ」
亜美:「そんな....聞いてない.....!」
猟牙:「そうだろうな、結局高橋は入れなかった。」
亜美:「っ.........!?」
私は失望した....隠し事無しだって言い合っていたのに...まさかこんな....
猟牙:「高橋が帰りに慌てて落としちまったらしい。魔がさして読んじまった」
亜美:「サイッテー」
睨むと、宮城君は両手を左右に揺らして”落ち着け”のサインをした。
猟牙:「まあまあ、んで、それ読んで俺....、高橋の気持ち考えなきゃなって思ったよ」
亜美:「......読んでいいの?」
猟牙:「本当に親友なら、読め」
亜美:「.....わかった」
そう言われ、私はその場で読んだ。
そこにかかれていた内容を読むと心臓が止まりかけた。
親愛なる、亜美へ
私、伝えたいことがある....、ずっと内緒だったこと。
あのね、私ね....実は....新井君と付き合ったことがあるの。
ごめん、ずっと内緒にしてて....中学時代会ったことがあって...
偶然であって、好きですっていったらOKもらったんだ....。
内緒にしててごめんね。
亜美:「で、でも...過去は過去でしょ...?」
猟牙:「そういえるのは、お前だけかもよ?」
亜美:「え?」
猟牙:「.......」
凪の気持ち....本当にわかっていなかったのは私だったのかもしれない。
※実話ではありません(続く)
とてもおもしろく、切ない物語ですね!!
これからも読ませてくださいっ!!!
お気に入り入れさせていただきます!!!!
あと、stpのお届けです。