Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


最後まで切れない赤い糸 #22

主な登場人物
・皆川亜美…すべて平凡な女の子。中学1年生の頃、猟牙と出会う。
・皆川亜美香…近所で美人と有名な亜美の妹。すべて亜美より上。
・宮城猟牙…中学校の頃、亜美を引き寄せた男子。皆の人気者。真二の幼馴染。
・高橋凪…スポーツ万能で、皆の人気者。一部の男子からはモテモテ。
・立花莉子…男子から人気のクラスのマドンナ。猟牙と仲がいい。
・新井真二…いきなり亜美に告白してきた男。人気のある男子。猟牙と幼馴染。
・横山秀司…真二の友達で、同級生。亜美香のことが好き。

際二十二章 『宮城君の本音』

「.........」

「おっ、何それ、懐かしいアルバム出して~」

「うっ、ううっ、うんっ...!!」

私は真二君と過ごした日々がつづられているアルバムを見ていた。
そこにはたくさんの写真や、手紙、言葉がつづられている。

「なんでいきなり?」

「へっ...、そ、それはぁ...ま、まあ、なりゆきで!!」

「な~るほど~、早くこっちこいよ、晩飯にしようぜ」

「うん、すぐ行くねっ」

そう告げると、真二君は部屋から出て行った。
私がいきなりこのアルバムを引っ張り出してきた理由は....
宮城君の言葉をきれいサッパリ洗い流すためだ。

「....よしっと」

心の準備ができた私は、真二君の元へ向かった。
アルバムを放置して───....

「真二くーんっ!!なんか手伝おうかっ?」

「いいの、今日は俺がやるって言ったでしょ?」

「初日から旦那に作ってもらうなんて悪いよぅ~...」

「いいのいいの!」

あぁ、なんだかいまめっちゃ幸せ...理想の夫婦って感じがする。
きっとこれは、真二君だからなんだ、きっとそうだ。

「ほら、奥さんは座っときなさい」

「わかった...、ありがと」

私は言われた通り、席についた。
すると、テーブルにおいていたスマホの光と共に....

ヴー、ヴー、ヴー…。

バイブがなった...。

「.....?」

私はスマホを手にとって、電話に出た。
名前は「凪」と書かれていた。

「なんだ、凪からか...」

「凪ちゃんから~?」

「うんっ、ちょっと出てくるねー!」

私は玄関から出て、電話に出た。

「もしもし?凪?どうしたの──」

「猟牙だけど...」

「!?」

私は体が動かなくなり、硬直した.....。

「な...んで...凪の携帯から...?」

「高橋に借りた、携帯。お前いくら鳴らしても出てくんないから」

「当たり前でしょ!?頭おかしいんじゃないのっ!?」

────ブチッ!!!!

勢いで切ってしまった...。さすがに今のは酷かった...?
いや、でもこれくらいしなきゃいけない。
もうこの幸せな家庭に首をつっこんできてほしくないから.....。

「亜美ちゃん...?大丈夫?怒鳴ってたけど...」

「大丈夫だよ」

「亜美ちゃん...?」

「大丈夫だって!ほら、ご飯、ご飯っ───」

「亜美ちゃん、こっち向いて」

素通りしようとした私を引き止めた真二君....

「向けない」

「なんで向けないの?」

「向く気分じゃないんだー....」

「いいから向いて」

と、言うと真二君は無理矢理向かせた。

「っ!?」

「やっぱ、泣いてるじゃん...どうしたの...?」

私は自然と涙がこぼれていたようだ...。
私の枯れた頬を潤す涙は、本当に残酷な物だった....

「なんっ...でもないっ...」

「なんでもないんならそこまで泣かないでしょ?」

「なんでもっ...ないっ、からっ....」

「......また猟牙?」

「────!?」

あたってるって確信してるワケではないんだよ....?
なのになんでだろう...?自分の体が勝手に動揺し始めた。

「なっ、何言ってるの!?真二君までそんな事言うの!?」

「だ、だって亜美ちゃんが泣いてる理由見たのいつも猟牙じゃん!」

「!!」

そうか...私はこんなところで傷つけまくってたんだ...。
真二君はそんな些細なところまで、見守ってくれていたんだ。

「....ごめんなさい、でも、大丈夫だから安心してほしい」

「わかった、気にしない。...ほら、風邪引くから早く入って」

「うん、ありがとう...」

私は真二君の温かさに包まれながら、家に入った。
そんな温かい時間でさえ...記憶と心の片隅にはいつも宮城君がいる...。
なんで?どうして?早く消えてよ....。


※実話ではありません(続く)




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