最後まで切れない赤い糸 #21
- カテゴリ:自作小説
- 2013/05/06 17:50:10
主な登場人物
・皆川亜美…すべて平凡な女の子。中学1年生の頃、猟牙と出会う。
・皆川亜美香…近所で美人と有名な亜美の妹。すべて亜美より上。
・宮城猟牙…中学校の頃、亜美を引き寄せた男子。皆の人気者。真二の幼馴染。
・高橋凪…スポーツ万能で、皆の人気者。一部の男子からはモテモテ。
・立花莉子…男子から人気のクラスのマドンナ。猟牙と仲がいい。
・新井真二…いきなり亜美に告白してきた男。人気のある男子。猟牙と幼馴染。
・横山秀司…真二の友達で、同級生。亜美香のことが好き
第二十一章 『戸惑う』
「.....ねえ、新井君、気を改めてなんか食べに行こうっ」
「お、おう、そうだな....」
私達は仲良く、手をつないで学校から抜け出した。
自転車で二人乗りして、人気なファーストフード店へ向かった。
「サボりなんて初めてっ....(汗)」
「大丈夫!!俺も初めてだからー!!」
自転車を運転しながら大きく笑う新井君。
そんな新井君の背中をしっかりと私は握り締めた。
直接はいえないけど、心の中で「大好き」とつぶやきながら...。
「なあ、見ろよ」
といわれ、新井君が目でさすほうを見ると...
「うわぁ.....」
きれいな川と、草原が広がっていた...
「こんなとこあったんだ...」
大都会だったこの町にこんなきれいな.....
「少し自転車で走らせたからね」
「ねえ、新井君...私、誓うよ。」
「....?」
「新井君と幸せになるって...絶対、絶対離れないって....」
「亜美ちゃん....」
そして、私達はきれいな川と草原と共にそこで一つになるように抱き合った。
新井君の背中の服をギュッとつかんで放さないように....。
「亜美ちゃん、僕も離さない、絶対に」
そういった優しく微笑んでくれた。
この幸せが永遠に続きますようにと純粋に願った。
───4年後。
私は気づけば22歳になっていた。
そして...今日はいよいよ私達の夢の日だ。
「亜美ちゃん、すごくきれいだよ...」
「真二君....」
「ウェディングドレスそれにしてよかったよ」
そう、今日は夢にまで見た私達の結婚式だ。
私は晴れて新井亜美となったんだ。
だから、もう新井君という呼び方はやめると誓ったのだ。
「花嫁様、そろそろ....」
「はい」
私はいよいよ結婚式に出た。
拍手で迎えられ、人々は皆笑顔で迎えてくれている。
「皆....」
見渡していっていると、私は視線が止まった。
「えっ....?」
そこには悲しそうに微笑む元カレの宮城君だった。
なんであそこにいるのかわからない、招待していないのに。
「なんで....」
考えても考えてもわからなかった。
そして、私達の結婚式は終え、二人の新居へ行った。
「ここが俺たちの新しいスタート地点だ!!」
「そうね...」
私は頭に宮城君の存在でいっぱいだった。
「なぁ、嬉しくないのか?」
「へっ、そんなワケないじゃんっ....」
「そう?じゃあ入ろう?」
「うん」
私達は新しいスタートを切ったのだ。
今更、宮城君のこと考えたった無駄なんだから。
「亜美ちゃん、来てー!!」
「んー?」
「キッチンが広いよ!!俺が手伝いできる範囲だ」
「そうだね~、いい旦那さんっ♪」
「そんなことないよ、いい奥さんっ...」
そういう真二君に引っ張られ、唇が少しづつ近づいていく....
だが────
───ピンポーン。
「もう、こんなときに」
そう呟き、私は玄関のドアを開けた。
そこに立っていたのは....
「ハロー!!」
「凪ぃっ!!!!!」
凪だった。そして、その後ろに
「ひさしぶり」
「宮城...君....」
波乱の予感がするのは私だけじゃないはずだ。
体が小刻みに震えて、私は一歩も動けなくなった。
「亜美、私が呼んだの。二人ともぎこちなさそうで───」
「かえってください」
「ちょっ、亜美っ....」
「なんで来たの!?かえってっ!!!」
私は宮城君を押し出した。
だが、気づけば私の腕に宮城君の手が....
「放してっ....!!」
宮城君の手は腕をつかんでまま、走ってどこかへ向かった。
「ちょっと....!」
どこにいくの...?今更何するの...?
「放して!!!もう遅いの!!」
そういって振り払うと、私の腕は手形ができるほど強く握られた後が残った。
パシィッ!!!!
「最低」
ビンタし、そう呟いた私は帰っていった。
だが、引き止められた...嫌な予感はしていたんだ
「放してよ、何なの!?」
「好きなんだよ...」
「はぁ!?」
「忘れられなかった、ずっと...」
「意味分からない、放して!!!」
「別れたくなかった、本当は....」
「最低よ!!卑怯男、今更遅いのよ!!!」
そう言って振り払ったら、宮城君の顔は固まった。
唖然として立ちすくんでいる。
その間に私は逃げた。
「今更...遅いよ...」
そう呟いて...帰っていった...。
※実話ではありません(続く)
あみちゃんの気持ちも分かる・・・・
続き気になります!