金狼の重圧 『エデン編』…5
- カテゴリ:自作小説
- 2013/05/05 15:11:37
「また、これに乗る日が来るとは…」
自宅の駐車場の隅にシートをかけて埃をかぶっていたEM。ユウジは懐かしむように少しだけ積った埃を払った。
久しぶりにEMの充電器を取り出し、ジャックに差し込む。生気を取り戻すが如く、古く灰色に見えたEMが色味を帯びてくるように感じる。
「バッテリーも使い物にならないと思っていたのに、生きていたか…」
ユウジは、不思議と独り言をしてしまっていた。そんな自分に少し笑みを浮かべた。
そんな独り言を言うなんて、多分懐かしかったのだろう。そして、このEMにまた乗りたいと思っていた、充電を終えるのを待ちどうしく、そして嬉しかったのだろう。
充電を終えるころには車体を磨き終え、綺麗にしあがっていた。
ユウジはEMにまたがり、モーターをスタートさせる。
EMはガソリンエンジンのように大きな音を出すわけではない。電動モーター音が静かに響くだけだ。ユウジはそれを久しぶりにシート越しから感じていた。
EMに乗る感慨を胸に刻みながら、やはりウルフのことは頭から離れないでいた。
「俺にウルフを探せるのか?…」
自信はないが、俺たちはもう一度ウルフに会う必要がある。ウルフの復活を見届ける必要がある。
一番は情報を集めだ。ユウジはまず、かつてのチーム仲間であるシンの所へ向かおうと思ってた。今、彼は警察官となっている。勤務している派出所はオアシスシティに近いところにあるので、何か情報が入っているかもしれないと思ったからだ。
昔取った杵柄、ユウジは颯爽と走りだした。
「ウルフ…待ってろよ」
ここは、オアシスシティの高速道路パーキングエリア。
真新しいEMに乗った男が何か呟いていた。
「早く…早く…」
そのEMは金色に輝いていた。
すみません。
ウルフさん質問です。
EMIってどんな乗り物なんでしょうか?
ずっとスポーツカーをイメージしていたんですが、もしかしてバイクなんですか?