Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


最後まで切れない赤い糸 #15

主な登場人物
・皆川亜美…すべて平凡な女の子。中学1年生の頃、猟牙と出会う。
・皆川亜美香…近所で美人と有名な亜美の妹。すべて亜美より上。
・宮城猟牙…中学校の頃、亜美を引き寄せた男子。皆の人気者。
・高橋凪…スポーツ万能で、皆の人気者。一部の男子からはモテモテ。
・立花莉子…男子から人気のクラスのマドンナ。猟牙と仲がいい。
・新井真二…いきなり亜美に告白してきた男。人気のある男子。
・横山秀司…真二の友達で、同級生。亜美香のことが好き。

第十五章 『純粋な恋心』

亜美香の視点。

「えっ......」

驚いた....。先輩は私の両肩を優しく押したのだ....
そう、唇を離れさすために....。

「な....んで....?」

拒絶されてショックだった....なんで?大して好きでもないじゃん....
ただ心が揺らいだからしようと思っただけだよ....?
なのになんでこんなに小刻みに体が震えるの───....?

「亜美香ちゃん....ダメだよこんな形でファーストキスしちゃ....」

「え.....?」

「ファーストキスは本当に好きな人としなきゃ....ダメだよ。」

「.......!!」

その時の先輩の顔は二度と忘れられないほどの悲しい表情....。
すごく辛そうな顔を浮かべている。

「.....先輩」

私はそれ以上何も言えなくなった。

「亜美香ちゃん、やっぱり帰りな?少し血迷ってるみたいだし──....」

私は気づいた。

「それにさ....」

この時....しっかり自分の想いがわかったんだ....。

「亜美香ちゃんは真二の事が───」

「好きです....先輩....」

好きなんだと。....この人のこと純粋に...好きになったんだ。

「え?いやいや....」

「血迷ったワケではありません、本気でっ!!」

「亜美香ちゃんっ!!!!!」

「っ!」

急にリビングに響く怒鳴り声....。

「先輩....」

「俺は....純粋に君が好きだ....。でも君はまだ真二のことが好きだろ?」

「そっ、そんなっ....!!」

「じゃあ、少しも想ってないって....言えるの...?」

「っ.......!」

その質問には....答えれなかった....。
すると、先輩はけして睨むワケでもなく優しく私の頭をなでて

「待ってるから...君の気持ちが固まるまで」

と、微笑んでくれた。

「せんっ....ぱいっ....」

そして、私はホロリと一粒の涙をこぼした...。

「ね?今日は帰りなさい、送ってあげるから」

「.....はい」

先輩にすごく助けられた....。
なんか落ち着いて家に帰れる気がする....。

───家に到着。

「じゃあ、俺はここで」

「あっ、あの...先輩っ....!!!」

「ん?」

私は少し照れながらも、まっすぐ先輩の目を見て

「ありがとうございました....あの言葉....忘れません」

と言った。
すると、先輩はニコッと微笑んで

「俺も忘れない」

と言ってくれた。
そして、大きな背中を向けて、帰っていった....。

「先輩....大好き....」

自然に呟いていた言葉....。
これが....きっと今の純粋な本当の気持ちだと思う...。
でも...でも....新井先輩が好きじゃないとは言い切れない私もいる。

このままじゃ先輩を傷つけて困らすだけだから....
待っててください....先輩...すぐにこの気持ち捨てるから。

───ガチャ。

「亜美香っ....!?」

「お姉ちゃん.....」

偶然にもお姉ちゃんが出てきた。

「亜美香っ....ごめんねっ...、私っ.....!!」

「お姉ちゃん、謝らないで....、お姉ちゃんのおかげで私....
この世の中で一番大事なもの....見つけたから」

「へっ?」

「じゃ、中はいるわ~!!」

驚く姉をほったらかして、家に入った。
お姉ちゃんを傷つけちゃうって思ってたけど...
私の本当の気持ちが先輩に向いたんだもん、もう誰も傷つけない。

きっと..............


※実話ではありません。(続く)




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