■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(27)
- カテゴリ:その他
- 2009/08/03 00:09:50
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|三 (8)
然るに降つて十九世紀後半の自然主義に及べば、或は之れを以てロマンチシズムの反動と見るもの、或は之れを以てロマンチシズムの連續と見るもの、全く矛盾した見解をすら生ずるに至つた。是れは何故であらう。十九世紀初頭の自然主義と十九世紀後半の自然主義との間には、如何なる曲折を藏するか。吾人の見るところを以てすれば、此の曲折はやがて自然主義がロマンチシズムの中から分家して本家を領するに至る經過である。
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*註1:十九世紀
「紀」の俗字体(か?)。旁の「己」が「已」。
*註2:後半
「半」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/han.jpg
*註3:連續
「連」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
*註4:全く
「全」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/zen.jpg
*註5:ロマンチシズムの中から分家
「分」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/hun_wakeru.jpg
*註6:經過
「過」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
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■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html
■このテキストの原本は国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」収録の「近代文芸之研究 / 島村抱月(滝太郎)著 早稲田大学出版部, 明42.6」の画像データに依っています。
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/871630/1
(2015/01/29/初校)