Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


最後まで切れない赤い糸 #10

主な登場人物
・皆川亜美…すべて平凡な女の子。中学1年生の頃、猟牙と出会う。
・宮城猟牙…中学校の頃、亜美を引き寄せた男子。皆の人気者。
・高橋凪…スポーツ万能で、皆の人気者。一部の男子からはモテモテ。
・立花莉子…男子から人気のクラスのマドンナ。猟牙と仲がいい。
・新井真二…いきなり亜美に告白してきた男。人気のある男子。

第十章 『私を追い詰める切れた糸』

「っ.......」

だいたい泣き止んだ後、私は凪の部屋に戻った。
いや....戻ろうとしたその時だった....

「グスッ...グスッ....」

かすかだが、ドアの前で鼻をすする音が聞こえた...。
凪以外いないこの部屋で....泣いてる人は1人しかいない。

「凪....?泣いてるの...?」

私はゆっくりドアを開けて、凪にたずねた。
すると、凪はあわてて涙を拭いて、

「べっ、別にどおってことないよっ!!」

と、言った....。
そういう凪の眉はピクリと動いていた...。
嘘をついた証拠だ。

凪の様子がおかしくなったのは、私が付き合ったという報告をしてからだ...
え.....?でもそれでおかしくなったって事は....って事は....

「凪....まさか....」

いや、そんなはずないじゃない...何考えてんの、私....。
凪が.....そんなワケ....ないじゃん....。

「........私、帰るね」

「えっ、あっ、亜美っ....!?」

凪の声も無視して、私は家から飛び出した....。
もう凪の顔を見ていられなかったのだ。
だってもし私の予想が当たってるなら....

凪は新井君が好きってことになるんだよ....?
そんなワケないよ、しかもよりによって新井君って.....
そりゃ、モテるし、カッコイイけど....なんで....なんでよりによって....

「なんなのこれ.....」

ふいに出た言葉....。
複雑すぎるよ....なんで神様はこんな試練を与えるの....?
こんな状況じゃ....凪との友情を壊すことになるよ....。
今までの友情をボロボロに崩すことになるんだよ.....。

ピルルルルル…♪

「っ!!!!」

私は急な着信音にビックリしてしまった....。

「もっ....ももも....もしもし....?」

少し声を震わせながら電話に出た。
だって相手は

「もしもし?亜美ちゃん?」

新井君だったから。

「あ、新井君....どうしたの....?」

「んー?いや、明日休みだからさ、映画でもどう?と思って....」

「え....映画....」

私は少し考えた....。
今、この状況の中で行くべきなのか、行かないべきなのか....
それとも明日行って別れを告げるべきなのか....?

どれが一番正しい答えかわかってる。

「うん、いいよ....観に行こう....。」

「よっし、じゃあ決まりなー、観たい映画きめときなよー。」

そこで電話は切れた....。
明日....明日で最後なんだ.....。
短かったけど、そんなにまだ新井君に執着してない間でよかった....。
そんなに傷つかずに済むもん....。またあんな思いしたくないもん...。


───翌日。

「遅いなぁ、新井君....。」

待ち合わせの時計台の下で私は待っていた...。
腕時計を何度も確かめながら....。
すると、前から走ってくる新井君が見えた。

「あっ........」

「おっ、もう待ってたのっ!?早いねっ!!」

「いやぁ.....そ、そうかな....?」

新井君はそういってるが、もう待ち合わせ時間から5分も経っていた。
時間にルーズな人なのかな?こういう人は嫌いだ。

よかった....これで一つ新井君を嫌いになれた。
この調子で....嫌いになっていこう....。

「じゃあ行こうか。」

「うん。」

私達はさっそく映画館に向かった。
観る映画は今人気の恋愛映画にした。

「へー、新井君ってこういうのが好きなんだぁ....。」

「うん、しかもこれって感動するらしいからね~。」

パンフレットを見ながらつぶやく新井君。
主演の女優や俳優も今が旬って感じの二人だった...。
どうやら切ないラブストーリーが描かれたハンカチなしじゃ観れない映画だそう。

「ふぅ~ん....。」

こんなの正直今は観たくないんだけどな....。
でもこんな事いえるわけがない。

「上映時間まで時間あるし、お昼ごはん食べない?」

「うっ、うんっ.....。」

「あっ、そうだ、ほれ。」

「えっ.....?」

「ほれ」と言って新井君が差し出したのは手だった....。

「カップルなんだから手つないでもおかしくないでしょ?」

「へっ....へぇっ....!?////」

つい赤くなってしまった....。

「ねっ?」

と、言いながら微笑んだ新井君は私の手をギュ...っと握った。

「う....、うん..../////」

私は顔を上げれない状況になってしまった....。

「あれカップルかしら?」

「ね~、お似合いカップルねぇ~」

・・・・・・・・・・・・・!?

私はつい手を放してしまった。

「どうしたの?大丈夫....?」

「へっ....あ、あの...その......」

ダメだ....今日私が来た目的は「別れ」なのに....
どんどん新井君に吸い込まれていく.....

「大丈夫....?」

「だ....いじょうぶ....。」

「本当に?顔赤いよ.......?」

「っ..........。」

顔を赤くしたままの私は、自分から手をつないでいった....。
今やった自分の行動がバカだとは知りながら....。

「っ.....!」

新井君は驚いた顔をしている。

「はっ....はははっ....早く行ってよっ..../////」

顔は赤くなるばかりだった....顔があげられない...。
そんな私のデコピンをした新井君はニコッと微笑んで

「顔あげて?」

と言った....顔が近かったからすごくドキドキした....。

「ちっ、近い....////」

「ん、ああ、ごめんごめん....。
って、もうそろそろ上映時間じゃん!!亜美ちゃん、早くいかなきゃっ。」

「えっ、あっ、わかった!!!」

私達は急いで上映場へと向かった....。
指定席に座ってから数分で映画が始まった。

大きなスクリーンに映った二人の主人公....。
二人の小指にはしっかりと赤い糸が縛られている....。
でも....その赤い糸がジョキッ...っと切られた....。

そこから物語が始まった。

「龍馬~!!早く来てよぉ~!!」

かわいい主人公、今が旬の女優、藤川南さん。
髪は長くて、きれいなストレートヘヤ。
この映画では美菜子役みたいだな。

「ああ、今行く~」

こちらは彼氏役の今が旬の俳優:白井翔太さん。
短髪でスポーツマンって感じの俳優。
女子高校生からの圧倒的なラブコールが耐えないんだとか。
龍馬役のようだ。

とにかく今が旬の二人が演じるのは、
ずっと一途な彼女美菜子役と好きだったけど今は好きじゃないっていう彼氏の龍馬。
美菜子は必死に赤い糸が解けないように頑張ってたみたいだけど....
結局別れてしまった。

って感じの話だった。

──上映終了後......

「切なかったね....なんだか....。」

「うん.....。」

最終的に、二人は結ばれたが...傷ついてる人間が多い。

「恋って....こんなもんなのかな....」

自然と頬に涙がつたった....。
すると、次の瞬間新井君は急に私を抱き寄せた....

「俺は絶対に君を放さない」


※実話ではありません(続く)




アバター
2013/08/14 21:06
新井君、あんまり亜美ちゃんを追い詰めないで上げて!w
アバター
2013/04/27 23:10
続き気になります!!!



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