Nicotto Town


信じる事から、叶うか叶わないか決まる。


最後まで切れない赤い糸 #4

主な登場人物
・皆川亜美…すべて平凡な女の子。中学1年生の頃、猟牙と出会う。
・宮城猟牙…中学校の頃、亜美を引き寄せた男子。皆の人気者。
・高橋凪…スポーツ万能で、皆の人気者。一部の男子からはモテモテ。
・立花莉子…男子から人気のクラスのマドンナ。猟牙と仲がいい。

第四章 『赤い糸が再会した時』

「っ.......!」

私は驚きが隠せなかった。
必死に目を合わせないでおこうと思ったが....

「えぇと、じゃあ皆川の隣空いてるからそこに座れ。」

「はい。」

.....現実はそう甘くはなかった。
宮城君は一歩ずつ、私に近づいてくる...。

だが、宮城君は何も動じてないみたいだ。
そういえば、「皆川」という苗字にさえ何も動じてなかった。
もしかして宮城君は私のこと...忘れてるのかな....??

「ねえ、皆川。」

「はっ、はいっ...??」

あの頃と変わらない声で私に声をかけてきた。
....でも何かが違う...。

何かが....

「皆川、悪いけど消しゴム貸してっ。」

違う。

「皆川」.....か。
昔は私の事を「亜美」って呼んでくれてたのに....。

「っ.......。」

バカみたい、なんでこんなのに動じてるんだろう。
もう...終わった相手なのに。

私は必死に出そうな涙をひっこめた。
必死にこすって、宮城君にバレないように。

キーンコーンカーンコーン。

そして、一時間目が終了した。

「ちょっと、ちょっと、亜美っ!!!」

大急ぎで私を引っ張っていく凪。

「なっ、何っ....??」

「”何”じゃないでしょ!?アンタ超チャンスじゃん!!」

「はっ、はぁ...??」

凪はすごく嬉しそうに私の両手をギュッ...っと握って

「もうここしかないって、チャンスはっ!!!
まだ忘れてないんでしょ!?猟牙君のことっ...!!!!」

と、必死に伝えた。

忘れてないって...??そんなの当たり前じゃない。
一方的に別れ告げられて...まだ好きだったのに....。

「う、うん....まだ....好きだよ..../////」

私は顔を赤くしながらも、ちゃんと答えた。
凪はクシャクシャと、私の頭をなでながら

「だったらちゃんと伝えなよっ!!!」

と言い、ニカッと笑った。
凪の笑顔はいつも私に勇気をくれる....。
そうだよ、「皆川」って呼ばれたからって...何よ。
そんなの何も関係ないよっ!!!!!

私は急に勇気がみなぎってきた。

「よっしゃ、じゃあ教室戻ろうっ、もう本鈴なっちゃうしっ。」

「うん、わかった。」

私達は教室に戻った。
私は...決心をしながら教室に戻った。

だが教室を開けた瞬間...そこに広がっていた世界は....

「えぇ!?なんでここがXになるのっ!?」

「いやぁ、お前これくらいわからなきゃヤバイぞ??」

「えっ、嘘、そんなにっ!?今月の中間ヤバイかなぁっ!?」

そこに広がっていた世界は....あの頃とまったく変わらない
二人の親しそうな笑顔....そして宮城君は絶対に私のほうを向いていない...。
ただただ見つめることしかできないあの横顔....。

「っ.......。」

つい涙が零れ落ちる。

「ちょっ、亜美っ!!!」

凪は急いで私を教室から連れ出してくれた。
凪は必死に私の手を引っ張って、ザワつく廊下を駆ける....。

そして、凪は私をトイレの個室に入れた。

「ちょっ!!!凪っ!?(汗)」

凪は私が出れないように、ドアの前に立っていた。

「なっ、何してるのっ!?(汗)」

すると、凪は小声で

「シッ、静かにしてよ。
あなたが落ち着けるようにしてるんだから。」

「へっ.....」

凪は昔からそうだ....。
不器用で、必死に支えようとしてるが、空回りしてしまう。

本当に凪って....

「っ.....!!」

バンッ!!!!!

「へっ!?」

隣の個室にいきなりドアをしめる音が聞こえた。
そして、壁の隙間から来た手紙....

「なっ、凪....??」

そっと受け取り、手紙を開いた。

誰かが入ってきた。
静かにそこで待っていて。

と、手紙には書かれていた。
私は黙って、コクリとうなずいた。

「「キャハハハハッ!!!!」」

女子の高い笑い声...。
これはクラスで目立ってる女グループか...??(汗)

「ねえねえ、今日の転校生ばりカッコよくなーい!?」

「うんうんっ、彼氏にしたぁ~いっ」

どうやら話題は今日の転校生宮城君の話だ。

「でもさ、あの子って確か付き合ってるんだよね...??」

.......え??

「あー、何か言ってたねぇ~....。確か名前はぁ~....」

「立花莉子。」

・・・・・・・・・・・・・・・!?

「あー、そのこだっ、めっちゃ美人とかで有名な子~」

「えぇ??そんな美人かぁ~??」

「「キャハハハハッ」」

うるさい女子グループはトイレから出て行ったようだ....。

「ふぃー、あ、亜美....もう行ったよ...」

「うん、知ってる」

でも....出たくない...。
今はここから一歩も出たくないよ。


※実話ではありません。

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2013/04/21 23:02
続きすっっっっっごく気になります



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