最後まで切れない赤い糸 #3
- カテゴリ:自作小説
- 2013/04/20 19:47:09
主な登場人物
・皆川亜美…すべて平凡な女の子。中学1年生の頃、猟牙と出会う。
・宮城猟牙…中学校の頃、亜美を引き寄せた男子。皆の人気者。
・高橋凪…スポーツ万能で、皆の人気者。一部の男子からはモテモテ。
・立花莉子…男子から人気のクラスのマドンナ。猟牙と仲がいい。
第三章 『赤い糸が解けた瞬間...』
付き合い始めてから2回目の冬......白い吐息と共にでる深いため息....。
この日、この時、この瞬間....私は予想していた。
そして....その予感が的中してしまった。
「別れよう...」
早く...何か言わなきゃいけない。
本当はいやだ、別れたくなんかない。
「っ......」
早く「別れたくない」って言わなきゃいけないのに....
「うん、そうだね。」
いけなかったのに....。
「じゃあ、俺たちはもうここまでだな。」
今...終わった...私達の関係が終わった。
バカみたいに笑いあった日、泣いた日、すべてがよみがえるっ...。
大きな背中にいくら手を伸ばしても.....
また宮城君は私の手の届かない人になってしまった。
「うっ....ふぇっ....。」
もういくら泣いてもしかたがない。
何もできないんだもん。
こんな風に恋って...終わるんだね、宮城君。
───現在。
「ふ.....ふぇっくしょんっ!!」
「ちょっ、大丈夫!?」
「う、うん~、大丈夫~」
現在、皆川亜美は高校1年生です。
宮城君と別れて1年たちました。
入学式も終え、今は宮城君とは別々の高校に通ってます。
でも....何か嫌な予感がする....。
「ふっ、ふぇ~~っくしょいっ!!!」
「え、ちょっ、亜美っ!?」
横で心配してくれてるのは親友の高橋凪。
同じ高校に通い、別れた時もずっと支えてくれた大事な子。
「あ、ありがとう、凪....。」
「もぉ、しっかりしてよっ!?」
今日は本当にいやな予感がする....。
何もなかったらいいけど....。
キーンコーンカーンコーン。
「ふぃー、ギリギリセーフだったね!!」
「うっ、うん...。」
───ガラッ。
「オイ、お前らまたギリギリかぁっ!?
部活で忙しい高橋は置いといてだなぁっ.....
皆川ぁっ!!!お前はもっとマジメにこれるだろうっ!?」
「へっ.....」
私達の担任の同道学先生。
オッサンで、体格がいい、つまりデブ。
すぐに可愛い子や自分のお気に入りの子にエコヒイキをする最悪教師。
「へっ...じゃない!!すぐに
可愛い子ぶるのやめろっ!!お前の悪い癖だぞっ!?」
「えっ!?」
私可愛い子ぶるクセなんてないけど...。
「ほら、早く座れ皆川っ!!!!!」
「はっ、はい.....。」
凪はおいといて、私を怒鳴り散らし、席に座らした。
そして、凪の肩に優しく触れて....
「お前も大変だなぁっ、あーんなバカと一緒でぇ~...。」
と、言った。
パシンッ!!!!!!!!!!
「っ!?」
凪は先生の手を思いっきりはたき....
「やめてくれます??そういうさりげないセクハラとか卑怯ですね。
まあ、あなたが私にする”エイコヒイキ”も卑怯でキモイですけど。」
と、つぶやき、自分の席へ涼しい顔をして行った。
硬直しているエロオヤジ。(同道先生)
凪は「やったね」と言わんばかりに私のほうを向いて
パチンッ...っと、ウインクをした。
「えー、ゴッ、ゴホンッ。
じゃあさっそく今日の連絡をするー。
今日は転校生がいるぞぉ~。」
「「えええええっ!?」」
クラスの空気がいっぺんに変わった。
「だれっ、だれぇ~!?」
「イケメンー!?それとも美女ー!?」
ザワつく教室....。
「ゴホンッ!!!えぇー、ではどうぞ。」
───ガラッ。
入ってきて1秒で誰だかわかった....。
「えー、じゃあ自己紹介を頼む。」
「はい。」
あの日、あの時私を引き寄せて.....
「皆さん初めまして....」
私を虜にし、そして私の心に永遠にすみ続ける....
「宮城猟牙です。」
宮城君だ。
※実話ではありません。
続き気になります