最後まで切れない赤い糸 #2
- カテゴリ:自作小説
- 2013/04/20 14:52:52
主な登場人物
・皆川亜美…すべて平凡な女の子。中学1年生の頃、猟牙と出会う。
・宮城猟牙…中学校の頃、亜美を引き寄せた男子。皆の人気者。
・高橋凪…スポーツ万能で、皆の人気者。一部の男子からはモテモテ。
第二章 『結ばれた赤い糸。』
あの日、あの時....送ってもらったときから私はあの子の事ばっかり目で追ってた。
ずっと、ずっと....凪の話だって上の空にしてしまうくらいだ。
でも....私は自分に自信がなくて、それに...宮城君は人気者で...
私がいくら手を伸ばしても、伸ばしても届かない存在だ。
それについて悩む毎日....。
「え、すごい!!どうやってやったの!?」
「えー、これはこうやってー....」
「あぁ、なるほど!!」
宮城君と仲よさそうに二人っきりで話しているのは
男子達のマドンナの立花莉子ちゃん。
すごく可愛いし、仕草だって男子のタイプだ。(けしてぶりっ子ではない。)
スポーツだってできるし、勉強だってそこそこできている。
「本当に悩みはあるのか?」というくらい毎日ずっと笑っている。
「あ~あ、マジで猟牙うらやましいぜ。」
「だなぁ、あんな可愛い莉子ちゃんと仲良く話せるなんてー!!」
「でも二人ってやっぱお似合いだよなぁ。」
「ああ、絶対に猟牙は莉子ちゃんが好きだよなぁ!!」
教室の隅っこで羨ましそうに二人を見つめながらぼやいている男子達...。
あの男子達が言ってるとおり...きっと宮城君は莉子ちゃんの事が好きなんだろうな。
そう思い込んでしまって、私は中学校1年間....
宮城君と話すことはできなかった。あの日、あの時...送ってくれた時以外は...。
そして、中学校2年の始業式....。
クラス発表の紙を見る前に願った。
(今年も...今年も宮城君と一緒ですようにっ!!!)
そして、クラス発表の紙に目を通した。
「あっ.....!!」
私の願いは叶い、宮城君と2年連続クラスが一緒。
だがもう1人....少しいやな人と一緒になってしまった。
「おおっ、猟牙君!!2年連続一緒だよぉ~!!」
立花莉子ちゃんだ。
「はぁーい、じゃあ皆自分のクラスに移動してー」
「「はぁーい」」
皆ガヤガヤと移動していく中、私は....ポツリと1人でクラス表を見ていた。
みていた名前は当然[宮城猟牙]と[立花莉子]だ。
「亜美ー、早く移動しようよ~」
「あっ、うん。」
私は凪と一緒に同じクラスへ移動した。
クラス表を...しっかりと握り締めながら。
2年連続同じクラスになったって何一つ変わらない日常。
私達の関係に進展があるわけでもないし、逆に毎日、毎日見ていく中、
宮城君と立花さんの関係が深まってるようにしか見えない...。
ちまたではもう「宮城君と立花さんが付き合ってる」とかいう噂が流れている。
どうすれば宮城君と近づけるんだろう...?
そんな時だった.....
「皆さんっ!!社会見学の班を決めます!!」
(クジで決めるのかぁ...)
私は運が悪いから....どうせまた宮城君と離れるんだろうな。
そんなことを考えながら、クジを開いた。
すると.....
「3班....。」
「おおっ、皆川3班なの?俺も3班だよ~!!」
「へっ.....」
莉子ちゃんにいつも見せている笑顔で私にしゃべりかけてきた...。
私ってこんなにクジ運よかったっけ...??
「おっ、猟牙君も3班なのっ!?」
「おー、立花もかぁ~」
「っ......!?」
やっぱり....クジ運はよくなかったようだ...。
キーンコーンカーンコーン…。
「あぁぁぁあ!!やっぱり私クジ運悪いんだぁ~!!!」
私は屋上で嘆いていた。
「あのさぁっ、猟牙君と同じ班になれただけでも喜びなよっ...。」
凪は呆れながら呟いた。
「でっ、でもさぁ....」
「莉子ちゃんだって本当に猟牙君が好きとは限らないでしょ??」
「そ...うだけど....。」
そうだけど....でもやっぱり二人を見てると思い込んでしまうんだ。
二人はすごくお似合いだから...。
「ごめんね、こんな変な話しちゃって。」
「いいって、親友でしょ。
ほら、もうそろそろチャイム鳴るから戻ろう、亜美。」
「うん。」
私達は教室へ戻っていった。
そして、いよいよ待ちに待った?社会見学の自由時間...。
「ねえ、皆!!あそこの機械見に行こうっ!!」
「あぁ、立花、すまん、俺はちょっと....」
宮城君は頭をポリポリとかきながら言った。
すると、凪はニヤッとして
「そーか、そーか、わかったよ~。
じゃあ莉子ちゃんは私と”二人で”見に行こうっ!!」
「えっ、でっ、でも班行動じゃ....」
「班行動じゃん!!2人でも!!
ほらっ、行こう、時間なくなっちゃう~」
凪は気をきかしてくれた。
数分ほど、沈黙が続く......。
「みっ、宮城君....大丈夫....??体調悪いの....??」
勇気を振り絞って声をかけた。
すると、宮城君は私のほうを向いて
「いや、お前に話があるんだ...。
もうこのときしかないなって思って。」
と、照れくさそうに言った。
「私に....??な、何かな....??」
私....悪いことでも...したのかな....。
すると、次の瞬間...宮城君は私の目をみて
「好きなんだ。付き合ってくれないか...??」
といった...。 これって...これって....
「えっ.....??」
告白....??
「返事はいつでもいいよ。」
と、呟いた宮城君は私に背を向けた。
返事....そんなの1年前から決まっていた。
「わっ...私もっ!!!!」
「へっ....??」
「わっ....私も....好き...です..../////」
「ほっ、本当っ!?やったぁぁ!!」
こうして、私達の赤い糸は強く結ばれたのだった...。
このとき....このときもっと強く...結んでおけばよかったのかな...。
※実話ではありません(続く)